野坂昭如のレビュー一覧

  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    たぶん誰もが知っている「火垂るの墓」が掲載されている
    野坂昭如の書いた短編集がギュッと凝縮された本。
    最初は改行とか句読点がすごく読み辛くて、これ全部読み切れるかな…と思ってたけど
    なんだかんだで読めた、というより気付いたら慣れてた。
    火垂るの墓も然ることながら「アメリカひじき」はコミカルかと思いきや
    いや、まじで笑えんよ…って。
    紅茶をひじきだと思ってってたという話。
    あと「死児を育てる」が一番まーじで強烈過ぎるほどに強烈!!
    餓えって本当に(餓えもそうだけど衣食住の全てが整ってないと)
    正常じゃないというか、ここまでなるかって思うくらい
    狂う感じがまじで恐ろしい。
    興味本位で読んでみたけど、これは読んでよかった本

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    2018年07月24日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    戦争の生々しさが濃い作品です。
    火垂るの墓は著者の自伝らしく、守れなかった妹へのレクイエムだそうです。
    何度もアニメで観ましたが、この本は壮絶な戦争体験記の恐らくそんな内容です。
    蛆虫すら惜しいとか、盗みかっぱらいが蔓延し、当時の少年院の様子といい汚いだの何だの言う余裕がなくとにかく凄絶。
    「ぜいたくは敵」「欲しがりません勝つまでは」を砂糖に置き換えてあったり、普段私達が聞いたり、テレビで観るよりも、この本を読んだほうが「語り継がれる」の意味が本物のような気がします。

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    2017年08月14日
  • エロ事師たち

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    自分が中学生くらいの頃には既に文庫化され、興味はもちろんあった訳だが、これまで未読。なんとなくこのようなテーマは自分には難しく、敷居が高いもののように思われたからだ。
    読んでみて、やはりこの歳になってから読んでよかったと思った。若いころに読んでいたら、おそらく本書の価値の半分も理解できなかっただろううと思うのだ。投獄を覚悟してまでもエロ事を追求する主人公の矜持というものに嫉妬さえ感じるくらいだ。
    野坂氏といえば、田中角栄に対抗して新潟三区から立候補して、雪の中でビールケースの上に立って街頭演説している映像を思い出す。もうこういう人は出ないのだろうか。

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    2016年05月24日
  • エロ事師たち

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    日活映画で小沢昭一と坂本スミ子で映画化された紹介をテレビでみて内容に興味を持ったのが中3くらいの時。
    なんとなしに当時の風俗事件エロ映画っぽかったので行ってみようかと思いそのままスルー。高校2年時に野坂昭如原作って本屋に展示されてた文庫本を購入。当時、体制批判家ってイメージでイレブンピーエムによく出演されてて、タレントとしての好感も持ってた。ちなみに似たようなキャラで小中陽太郎がいたがこっちはヘドが出るほどキライだった。題名からくる三流エロ小説とは違って好きだった梶山季之っぽい内容ではないかと購入した。読後に唸った。スブやんに共感を持つというよりオレもこんなになりたいって今後の将来展望の選択肢に入れちゃった(上位に)。ヒモみたいな生活しながら片手間に理想のドール開発なんて最高。文体がまた独特で「雨の中・・・は・・・だった」ってハードボイルド風の文体が後に私の作文に大いに影響を与えた。ピカレスクロマンって小悪党がゾロゾロでてきて悪さをするから好き。少なくとも、荒野をめざす青年やモスクワにさよならしたり重いタビを背負ったり同棲して悩んだりするようなグズラよりよっぽどカッコイイ。最後にボッキするシーンは涙も出た(ウソ)。偽善家でない人柄がっていう評価をイチバン嫌う人だろう。偽善家でもありアウトローであり反体制であり云々でほめられるのなんてクソクラエって言うはず。同時期にホタルの墓も見たが生涯絶対に再読しない本のヒトツになり以後この人の作品読むのを止めた。でも後にどこか雑誌の対談で、在りもしない妹を作ってフィクションして直木賞をもらったって述べてたのを見て一層好きになる。「しとど雨にぬれて・・・」のイントロや「リャンピ~ン・・・リャンゾー・・・」って仲間を呼ぶくだり等の印象深い表現が今でも字自体が脳にうかぶ。後年にビデオ屋で映画を観た後それから野坂昭如と小沢昭一がかぶるようになってしまった。またまた後年小沢昭一氏が弊店にお買い物立ち寄られた際、このひと絶対モテル(女くどいたらベッドイン確立100%)人だと感じた。色っぽいのだ。余談の余談だが坂本さんみたいな女性(トランジスタグラマー)食い物と男と欲望にだらしない女性は今でも私の一番の好み。おそらく野坂も坂本タイプが好みのはず。野坂の名文句「プレイボーイやパンチのグラビアにでる別嬪タレントヌードより大衆食堂で注文聞きに来るオバサンの裸連想したほうが絶対に興奮する」って名文100選のトップに位置する。先日、この人の訃報はショックではあった。私の中の青春がまた一個消えた。

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    2015年12月26日
  • エロ事師たち

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    書けば天才、飲めばその量きりがなく、歌えば幾人もの女とろかす・・・天才野坂昭如の異色デビュー作。
    この小説にはある種の「悲しさ」が通底している。まず主人公のネーミングだろう。主人公のあだ名は「スブやん」。これは酢豚から来ているのだが、ただ豚のように太っているだけなら「ブタやん」でいいだろう。そこをもの悲しさからくる酢豚にひっかけて「スブやん」・・・野坂さんはあだ名をつける天才だ。『とむらい師たち』の主人公はデスマスク業者にひっかけて「ガンめん」だし『騒動師たち』はチェ・ゲバラにひっかけて「ケバラ(毛腹)」だし、『スクラップ集団』はバキュームカーにひっかけて「ホース」。
    次に特筆すべきは会話文と地の文のテンポの良さだろう。スブやんご一行が温泉宿に泊まり、暇つぶしにわが逸物の比べあいをするシーンのわけわからない難解漢字を入り混ぜた近世文学風の描写、オカマバーでのオカマと処女の「子宮に腕突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたるぞ!」「ええやん、やってみて!」みたいなテンポの良い会話、どれも型破りである。
    そして大阪弁のテンポの良さ。大阪弁と言っても一昔前の大阪弁だろう。これがかわいらしくて良い。
    最後に主人公スブやんの死にざま。スブやんは途中でインポになるのだが、最後に車にはねられて死ぬ時に背骨を強打してなんの具合か勃起したまま死んでしまう。「観念としてのエロティシズム」とかはよくわからないが、印象的なシーンだろう。笑ってしまいました。ジョンジョンジョン―――。

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    2014年07月11日
  • エロ事師たち

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    エロを生業とする最低な人間たちの悲喜こもごもを明るく活写。落語のように軽快な語り口は誠に中毒性高し。唾棄すべきはずの彼らを、愛おしくすら感じてしまいました。

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    2013年06月04日
  • エロ事師たち

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    明るく悲しく滑稽な男たち。

    戦争童話を書いた同一著者とは思えなかったが 陰気なところが無いので面白く読めました。 

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    2012年12月16日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    映画を見て泣いている場合ではない。
    原作は淡々と、現実味を帯びている。泣くよりも先に、戦争という無残な歴史の空しさを、二人の兄妹を通して思い知る。

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    2009年10月04日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    ネタバレ

    秀作。
    可哀想で読むのが辛い。当時、自分が生きるのに精一杯で他人を助ける余裕がなかったし社会も人権を守る意識が乏しかった。
    今、ガザ地区でも同様な事が起こっていることが懸念される。
    昭和二十年八月十三日に新潟市民が避難した記述がある。

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    2026年06月06日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    『アメリカひじき』と『火垂るの墓』の2編はともに昭和43年直木賞受賞作。特に後者はアニメとしても超有名作であるが、共に収録される他の四編も決して引けを取らない出来栄えである。共通するのは戦中戦後の体験であり、それも「ひもじさ」については繰り返し繰り返し語られ、空腹の文学と呼びたいほどだ。自身の欲望のままに食い気に走り妹を死なせてしまったり(『死児を育てる』)、空腹のあまり牛のように反芻する事を覚えたり(『ラ・クンバルシータ』)と、とにかく「食うこと」が何よりも優先される状況が、現代の我々の想像力の及ばない所であり、作者の戦争に対する腹の底からの嫌悪感の出どころではないかと感じた。
    遅ればせながら気がついたが、野坂昭如の文を句点で繋いで延々と続け体言で止める文体は鏡花一葉から江戸の戯作者へと遡るオマージュなのか。

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    2026年04月05日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    友人宅にあったので軽く読み始めたら、最終的に最後までガッツリ読み切ってしまいました。
    内容はもちろん知っていますし、特に映像と小説で相違があるわけでもないのですが、ガッツリ心を震わせられました。
    切なく悲しい話ですが、半世紀前に実際に起こった戦争という事を受け止めなければならないと、改めて感じました。

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    2026年04月02日
  • 戦争童話集 完全版

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    あとがきには、「沖縄」、「原爆」、旧満州からの引揚者については書けなかった、とあった。その後の2話は沖縄についての物語だったのが興味深かった。

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    2026年02月11日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    先月(2025年8月)、アニメ映画「火垂るの墓」(高畑勲監督・1988年)についての岡田斗司夫による解説動画(YouTubeチャンネルの期間限定無料公開)を見、その内容を確認しようと読み始めたが、まあ読みづらい。そういえば、野坂昭如のこの文体のは筒井康隆にパロディにされていたような記憶がある(「乱調文学大辞典」だったろうか、今これは手許にないので確認は出来ないけれど)。
    アニメのほう(高畑勲監督の意図のほう)は判らないけれど、原作としては、解説動画にあったような怖さを意図してはいないように感じた。父親が偉い軍人でそこそこの貯金があったとしても、トントントンカラリと隣組を経由した食糧配給の世界にあって、子ども二人がこの大人の社会から離れて生きていくのは困難だったし、また、妹の死んだ日の夜に雑炊を食った(原作にはない描写)とて自然なことだったのだ。「火垂るの墓」以外の短編五編も、戦中戦後、人間がみな飢えている中で、この短編集の登場人物達の行動はどれも「必然」「自然」のこととと思わされた。

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    2025年12月31日
  • エロ事師たち

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    はじめは読みにくいが文章に慣れてくれば面白い スブやんは人を騙すようなこともしているがそこまでの悪人には思えず愛嬌が感じられるのがうまいし最後のオチもいい そして下ネタだらけなのにどこか品がある とはいえ何でもかんでも不謹慎だなんだというタイプの人にとっては噴飯物な内容かもしれない

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    2025年10月24日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    戦後80年ということで読んでみた。火垂るの墓はもちろんジブリで見た事はあったが他の作品も全て合わせて、一度は皆読むべき作品だなと思った。忘れてはいけないと思う歴史。

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    2025年07月27日
  • 戦争童話集 完全版

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    いづれの童話も、昭和20年 8月15日 で始まる、戦争童話集です。子どもも大人も読めて、戦争とは?と考えさせるものとなっています。ですが、童話形式なので楽しく読めると思われますよ。

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    2025年07月05日
  • 東京小説

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    今から3-40年も前の短編なんだけど、びっくりするほど今の東京。滑らかに流れるような文体、あめりかひじきなどでも思ったけど力強くて読みやすくて良い。

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    2024年09月03日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    今まで、ジブリ版の絵本等で読んだりはしていたけれど、野坂昭如さんの小説で読むには初です。

    「火垂るの墓」
    昭和22年敗戦後、混乱の中。駅構内のトイレの近く、戦争孤児となり、浮浪児となってしまった少年が、亡くなる。
    戦争で、家を親を失い、最後に親身に世話をしていた妹を亡くす。彼も駅構内で力尽きる。
    駅員が、投げたドロップ缶から転げ落ちる妹の骨。
    野坂さんの饒舌体と言われるらしい、言葉が次々とたたみかけてくるような文章が、映像とは又違った、苦しみと悲しみの連続に圧倒されました。

    「アメリカひじき」
    敗戦時、少年であった男が、22年後、日本観光に来るハワイのアメリカ人夫婦を自宅で接待する。
    敗戦時と現在が交互に語られ、アメリカという大国に、国だけでなく人種としても劣っていたというコンプレックスから、逃げられない。
    が、精一杯もてなそうと頑張るが、どうもアメリカ人の行動に同調しきれない。

    「焼工層」
    敗戦直後、貧困から養母の元を離れて実父の元に戻った少年。養母は、少年の未来と幸せを願うことが、人生の糧であった。
    社会人として成長した少年は、養母の死の知らせを受け、彼女の最期の場所を訪れる。
    そこは、貧しい間借り部屋のような一室。戦争で焼かれた家と夫が眠る側。

    「死児を育てる」
    自分の娘を殺してしまった女性。
    彼女は、戦中、貧しさとひもじさに 抱えて面倒をみていた妹に手をあげていた。妹は、彼女が留守をしている間に亡くなる。その死は、彼女の故意であったのか。その深い傷は、娘が妹の死んだ歳になった時、再び罪を犯す。

    戦争により、家、親、食、全て失った、少年少女達の絶望感に苦しくなります。

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    2023年12月09日
  • 人称代名詞

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    「俺」はよかったよ。クラインとの対談が肝になってゐる。冒頭は何だかよくわからないが?飲みこめるとおもしろくなる。ただいつもの野坂特有の文体がやったらめったらひねくれてこむづかしい。

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    2023年08月23日
  • アメリカひじき・火垂るの墓

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    火垂るの墓はもちろん、最後の関連した二つの感化院の少年の話も面白かった。野坂さんは戦争の悲劇の真摯な語り手であり、同時にエログロの狂気の提供者でもある。

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    2021年12月29日