野坂昭如のレビュー一覧
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あの戦争をどう伝えていくのか、時の経過とともに、ますます伝えることの難しさを思いながらも、幼い妹を死なせてしまった原体験を一生抱えて生きてきた著者が、戦時下の日々を記した作家や市井の人々の日記に拠りつつ自身の体験を振り返った表題作に、戦争体験に触れた関連エッセイを収録した一冊。
著者野坂昭如は"焼跡闇市派"を自称していたが、無差別空襲を直接経験し、家を失い、近親者が亡くなった自分が、何とか戦争体験を伝えて行かなければならないとの使命感を生涯持ち続けた作家だったのだなと、本書を通読して強く感じさせられた。
小さい妹に食事をあげなければならないのに、つい自分が多くを -
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ネタバレ野坂昭如(1930。10.10~2015.12.9)著「終末の思想」、2003年脳梗塞、自宅でリハビリ中の2013.3執筆・刊行されてます。ご自分の思いを吐露した作品とお見受けしました。「質素・清貧・分を知る」といったかつての文化に思いを寄せ、「街は便利で清潔、全体に美々(びび)しくなり、人もまた見てくれきれい。醜くなったのはその生き方、消費文化の行きつく果て。」と警鐘を鳴らしておいでです。
日本は気候に恵まれている。そして島国、海に囲まれている。土に戻り、農を大事にして、近海で獲れる魚、海藻を食べていれば生き延び得る。野坂昭如(1930.10.10~2015.12.9)「終末の思想」、2 -
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西川美和さんの「名作はいつもアイマイ」に出てきて、興味を持って読んでみた。
標準語では表現できない作品だといえば、そんな気もする。
僕は兵庫出身なので、それなりに大阪弁を使ったことはあるんだけれども、時代のせいか、地方のせいか、ちょっと知っているのと違う言葉遣いだった。
乱行パーティが描かれていたが、ホントにあんな風なかんじで成立したりしているんだろうか。野坂氏の想像なんだろうか。直感的には、ありえないんじゃないかと思うけど…
しかし、野坂さんとえいば、ちょっとどもりながら、テレビで大島なんとかさんという呼び名は監督だけどなにをやってるかわからない人と口論するへんな人という認識だったが、作家で -
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読んでいるうちに暗澹たる気持ちになっていくこと請け合いである…本当に日本に未来はないのか!?
食のことはよく分かりませんけれども、確かに今後、日本が成長していくなんてことはありえるんだらうか? ってなことは僕もよく考えることなのであるからして、今作は中途で飽きることなく一気に読めましたね…
なんというか、戦前生まれの人の言うことには説得力があるような…普段、接する機会のない世代の人ですから…こういった著書を読んで少しは戦前生まれの人とコネクトしたい…みたいな気持ちにさせられる著書でした。
ヽ(・ω・)/ズコー
著者の書いた小説なども読んでみましょうかね…あの有名な「火垂るの墓」の原作 -
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本当の意味でのエロとは、なんだろう。男性にしか分からない世界ではない。女性にもエロという概念は当然ある。エロは欲求であり人間本来の姿なのだろう。それを追求するということは人間とは何かという哲学的な問いに近いような気がする。
それをエロ事師と言われる男たちが追い求め、最後に本当の意味でのエロという答えにたどり着くことが出来たのではないかと思う。
本当のエロとは…
野坂昭如のデビュー作として有名な作品ですが、内容に少し驚く。それでもエロを取り上げた内容にも関わらず、所謂「エロ」を感じないのは事師たちのエロに向き合う姿のせいなのだろうか。女性からすると中々手に取りづらい題ではあるが、社会見学の