あらすじ
お上の目をかいくぐり、世の男どもにあらゆる享楽の手管を提供する、これすなわち「エロ事師」の生業なり――享楽と猥雑の真っ只中で、したたかに棲息する主人公・スブやん。他人を勃たせるのはお手のものだが、彼を取り巻く男たちの性は、どこかいびつで滑稽で苛烈で、そして切ない……正常なる男女の美しきまぐわいやオーガズムなんぞどこ吹く風、ニッポン文学に永遠に屹立する傑作。
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Posted by ブクログ
谷崎潤一郎賞候補に挙がり、純文学とは何か?を考えた一冊。
性にひたむきなダメ男達が、無い頭を試行錯誤しながら(たまにちょっと頭が良い)馬鹿な事に突き進む会話劇。
悔しいが終始愉快で話の展開も退屈せず楽しめた。陰毛が落ちてるに違いないと、女子学校に拾いに行く所など頭を抱えたが、他作では絶対に読めないシーンだろう。
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面白かった。
澁澤龍彦やサドっぽくて好き。
男性の情けなさ、それも究極の情けなさはやはりあれだったのか。
登場人物が変な男ばかり!
そこが良かった。
ノーマルな男の話ではないので、まあ変態ばかりなのですがエロ事師たちが陰で棲息していてその後どうなるのか気になりページを捲る手が止まらず。
うまく紡ぎ合わせてあり無理もなく、野坂昭如のテーマをふんだんに楽しめました。
Posted by ブクログ
あなたが作家を目指しているとしましょう。
読んだ人が感動するような作品が書きたい―。
立派な動機です。
テーマも明確。
筋立ても固まりました。
もちろん、力量は十分にあります。
さあ、では、執筆に取り掛かろう。
ちょっと待ってください。
その前に、本書「エロ事師たち」を読みましょう。
打ちのめされます。
登場人物は、ブルーフィルム(ポルノ映画)の制作に勤しむ裏社会の男たち。
一筋縄ではいかない、一癖も二癖も三癖もある男ばかりです。
より過激で刺激的な作品を作ろうと、男たちは官憲の目をかいくぐりながら暗躍します。
たしかにエロい。
グロテスクでもあります。
でも、文学的な香気が確かに漂っている。
野坂33歳のデビュー作。
脱帽するほかありません。
昭和48年生まれの自分が物心ついた時には、野坂は既に「テレビの人」でした。
それが原因で、ずっと彼の小説をスルーしてきました。
もっと早く読んでいれば良かったですね。
本書が文学だとすれば、自分の文学観はいかにも浅いと認めざるを得ません。
文学は、自分が考えているよりももっと深いところで蠢いている何かです。
もちろん、どんな文学があってもいい。
ただ、本書を読めば、文学の深さと広さが、ともに6センチは大きくなるはずです。
共に頑張りましょう。
Posted by ブクログ
自分が中学生くらいの頃には既に文庫化され、興味はもちろんあった訳だが、これまで未読。なんとなくこのようなテーマは自分には難しく、敷居が高いもののように思われたからだ。
読んでみて、やはりこの歳になってから読んでよかったと思った。若いころに読んでいたら、おそらく本書の価値の半分も理解できなかっただろううと思うのだ。投獄を覚悟してまでもエロ事を追求する主人公の矜持というものに嫉妬さえ感じるくらいだ。
野坂氏といえば、田中角栄に対抗して新潟三区から立候補して、雪の中でビールケースの上に立って街頭演説している映像を思い出す。もうこういう人は出ないのだろうか。
Posted by ブクログ
日活映画で小沢昭一と坂本スミ子で映画化された紹介をテレビでみて内容に興味を持ったのが中3くらいの時。
なんとなしに当時の風俗事件エロ映画っぽかったので行ってみようかと思いそのままスルー。高校2年時に野坂昭如原作って本屋に展示されてた文庫本を購入。当時、体制批判家ってイメージでイレブンピーエムによく出演されてて、タレントとしての好感も持ってた。ちなみに似たようなキャラで小中陽太郎がいたがこっちはヘドが出るほどキライだった。題名からくる三流エロ小説とは違って好きだった梶山季之っぽい内容ではないかと購入した。読後に唸った。スブやんに共感を持つというよりオレもこんなになりたいって今後の将来展望の選択肢に入れちゃった(上位に)。ヒモみたいな生活しながら片手間に理想のドール開発なんて最高。文体がまた独特で「雨の中・・・は・・・だった」ってハードボイルド風の文体が後に私の作文に大いに影響を与えた。ピカレスクロマンって小悪党がゾロゾロでてきて悪さをするから好き。少なくとも、荒野をめざす青年やモスクワにさよならしたり重いタビを背負ったり同棲して悩んだりするようなグズラよりよっぽどカッコイイ。最後にボッキするシーンは涙も出た(ウソ)。偽善家でない人柄がっていう評価をイチバン嫌う人だろう。偽善家でもありアウトローであり反体制であり云々でほめられるのなんてクソクラエって言うはず。同時期にホタルの墓も見たが生涯絶対に再読しない本のヒトツになり以後この人の作品読むのを止めた。でも後にどこか雑誌の対談で、在りもしない妹を作ってフィクションして直木賞をもらったって述べてたのを見て一層好きになる。「しとど雨にぬれて・・・」のイントロや「リャンピ~ン・・・リャンゾー・・・」って仲間を呼ぶくだり等の印象深い表現が今でも字自体が脳にうかぶ。後年にビデオ屋で映画を観た後それから野坂昭如と小沢昭一がかぶるようになってしまった。またまた後年小沢昭一氏が弊店にお買い物立ち寄られた際、このひと絶対モテル(女くどいたらベッドイン確立100%)人だと感じた。色っぽいのだ。余談の余談だが坂本さんみたいな女性(トランジスタグラマー)食い物と男と欲望にだらしない女性は今でも私の一番の好み。おそらく野坂も坂本タイプが好みのはず。野坂の名文句「プレイボーイやパンチのグラビアにでる別嬪タレントヌードより大衆食堂で注文聞きに来るオバサンの裸連想したほうが絶対に興奮する」って名文100選のトップに位置する。先日、この人の訃報はショックではあった。私の中の青春がまた一個消えた。
Posted by ブクログ
書けば天才、飲めばその量きりがなく、歌えば幾人もの女とろかす・・・天才野坂昭如の異色デビュー作。
この小説にはある種の「悲しさ」が通底している。まず主人公のネーミングだろう。主人公のあだ名は「スブやん」。これは酢豚から来ているのだが、ただ豚のように太っているだけなら「ブタやん」でいいだろう。そこをもの悲しさからくる酢豚にひっかけて「スブやん」・・・野坂さんはあだ名をつける天才だ。『とむらい師たち』の主人公はデスマスク業者にひっかけて「ガンめん」だし『騒動師たち』はチェ・ゲバラにひっかけて「ケバラ(毛腹)」だし、『スクラップ集団』はバキュームカーにひっかけて「ホース」。
次に特筆すべきは会話文と地の文のテンポの良さだろう。スブやんご一行が温泉宿に泊まり、暇つぶしにわが逸物の比べあいをするシーンのわけわからない難解漢字を入り混ぜた近世文学風の描写、オカマバーでのオカマと処女の「子宮に腕突っ込んで奥歯ガタガタ言わせたるぞ!」「ええやん、やってみて!」みたいなテンポの良い会話、どれも型破りである。
そして大阪弁のテンポの良さ。大阪弁と言っても一昔前の大阪弁だろう。これがかわいらしくて良い。
最後に主人公スブやんの死にざま。スブやんは途中でインポになるのだが、最後に車にはねられて死ぬ時に背骨を強打してなんの具合か勃起したまま死んでしまう。「観念としてのエロティシズム」とかはよくわからないが、印象的なシーンだろう。笑ってしまいました。ジョンジョンジョン―――。
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エロを生業とする最低な人間たちの悲喜こもごもを明るく活写。落語のように軽快な語り口は誠に中毒性高し。唾棄すべきはずの彼らを、愛おしくすら感じてしまいました。
Posted by ブクログ
はじめは読みにくいが文章に慣れてくれば面白い スブやんは人を騙すようなこともしているがそこまでの悪人には思えず愛嬌が感じられるのがうまいし最後のオチもいい そして下ネタだらけなのにどこか品がある とはいえ何でもかんでも不謹慎だなんだというタイプの人にとっては噴飯物な内容かもしれない
Posted by ブクログ
名前は知っていたが,野坂昭如の作品を読むのは初めてである。当時は作家のみならず広範囲のタレント的な存在だったようだ。
本作はデビュー作だというが,既に安心して読める滑稽さが感じられる(新人らしさというか,危うさがない)。自らをエロ事司と名乗る「スブやん」とその周辺の人々。戦後と現代をつなぐ部分として見逃せない。
解説を先に読んだのだが,なんと澁澤龍彦の文だった。「ひたすら観念のエロティシズム,欠如体としてのエロティシズムにのみ没頭する一種独特な性の探求家」と評している。
全体的に,悪趣味だがユーモアが散りばめられていて,読んでいて面白い。
ある種タブー視される「臭いもの」の描写が,何気に多いのではないか。何気に,というのは,特に情感込めたわけでもなく,気を惹きつけようという意図も感じない,にも関わらず,時間の流れの中に存在感をズシンと構えていることから。
堕胎と水葬が軍隊ラッパに乗せられて,死骸の脇で麻雀しながらオナニー体験談で盛り上がって。グロテスクを吹き飛ばしかねないおかしさがそこに横たわる。しかし時代を考えると,焼けた灰を纏い生きる人々なのであり,ある種の慣れともいえる。
不謹慎ではあるがどこか下品なりの論理を感じさせられる。
p146「〜そやけどエロ事師の本領はなんというても女やで。〜みんな女房もっとる,そやけどその女房では果たしえん夢,せつない願いを胸に秘めて,もっとちがう女,これが女やという女を求めはんのや。実際にはそんな女,この世にいてえへん。いてえへんが,いてるような錯覚を与えたるのが,わいらの義務ちゅうもんや。〜目的は男の救済にあるねん,これごエロ事師の道,エロ道とでもいうかなあ」
ちょっと前にインポだと言われた人間の口上と考えると余計にツッコみたくなる。しかも死んでからようやくビンビンにたったし。
サド侯爵が高らかと読み上げるようなものを,本作の語りでは大阪弁の会話と地の文の交錯でうなっている。それにしてもスブやんは,人々に夢(?)を与えるごとに自身の欲求が遥か向こうに遠ざかってしまっているようだ。かすかに逼迫しているような気もする。
性そのものへのアイロニーというか,ある種人生そのものへのアイロニーを感じた,特にオチ。終盤のパーティでの人物紹介なんかは「ソドム百二十日」を想起せずにはいられない。エロティシズムの観念自体は過去の文学作品にあるテーマであるが,こうも透明な文章は中々ないかもしれない。変に美化しない,悪趣味に誠実,そこが良い。
Posted by ブクログ
カバー絵がちょっと下品だが、中身の文章はとても魅力的だ。
関西弁のやりとりが心地よいリズムで押し寄せて来る。
ついつい時間を忘れて最後まで読んでしまった。
カバー絵でとても損をしていると感じた。
Posted by ブクログ
面白かった。解説は澁澤龍彦。独特の雰囲気で関西を舞台にエロ事師たちを描く。独白ではないけど、会話とか内省的な感じがメインで描かれている。これで一回読み終えた。面白かったけどこれなんやろう? という感じもする。再度読むかはわからない。もう少し年取ってから読むと違う気もする。作者が33歳の時にこれを発表したわけだけど随分、おっさんくさい作品なんですよね。四十半ばから五十過ぎくらいで読むとまた違うのかもしれない。不思議な感じのする面白い作品だった。
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エロに情熱をかける男たちの滑稽さに呆れつつも憎めなくて、ありのままの人間臭さが魅力的な小説。時代と共にコンテンツは多少変わっても、欲するエロのあり方や欲望はほとんど変わらないんだなぁと思うと情けないようなほんのり愛しいような気持ちになる。また、今回はエロを提供するエロ事師の男たちの話だったので、次は働く女側の物語が読みたくなりました。そうすると見え方が変わるだろうなぁと思う。
Posted by ブクログ
戦争が終わった後の日本で生きることを「エロ」を通して描いた名作。エロには人間の歪さや本能、醜悪さ、そして美しさが詰まっている。他人には理解できないとされる嗜好を、共有し実現させる登場人物達は、法律で取り締まれても、その慈愛の精神は尊い。
戦時中を生き延び、その世界でしか生きられない人間が、その世界で生きることを選びとり、生きる意味を見出そうと必死にもがき続けるなか、戦争を知らない世代があっさりとその境界線を超える残酷さとそれでも知恵を使って生き延びようとする人間の覚悟を、エロを通じることでライトに、そしてストレートに伝えてくる。
人間の本能と秘事と強く生きようとする意志、生き抜く覚悟は不変のものだから、訴えるものは強く、古くならない。
軽妙に現実を描く作者はやはり時代の寵児であり、大いなる語り手であったのだろうと再認識させられる一冊。
Posted by ブクログ
戦争から十数年後の貧しい世の中でエロ事師という不法な商売をするスブやん以下その仲間、そして家族をめぐる話。
結構露骨な描写をしているのに、古語を交えた関西弁のような文体で、下品にはならない。
“狼口鯨頭”やら“竜飛虎歩”などと厳厳しく書かれたら、
馬鹿馬鹿しいのになにか崇高なものさえ感じさせる。
独特のリズムや哀愁、土地の雰囲気が染み込んだ文章を書けるのは羨ましい。
Posted by ブクログ
舞台は昭和30年代後半の阪神、エロを生業とするエロ事師たちが、大衆の求めるエロを追求しながら生きて行く様が描かれている。
内容はエロなのにのかかわらず、個性的な登場人物や、大阪弁のゆったりとした文章を中心にストーリーが展開されて行くので、よんでいてとても気持ちがいい作品でした。
エロに飢える大衆のため、警察に隠れながらエロ商材を提供する様は、エロが満ち溢れてしまっている現代を生きる我々からすると衝撃的であり、将来の日本、いや世界を憂いてしまう。
これは現代人がエロを見つめ直すために読むべき一冊かもしれない。
Posted by ブクログ
エロにまつわることならなんでも商売にしてしまうスブやん。
ブルーフィルム、女の斡旋(今で言うデリヘル?)、乱交パーティ主催などあらゆる分野に切り込んでいくが、当の本人は仕事にのめりこむにつれて不能になっていく。
終わりがおもしろおかしくてよかった。
背徳感0ですがすがしい。
Posted by ブクログ
わたし、先月末で67歳になりました。いえ、おめでとうはいりません。なぜこんな事を言うかと申しますと、こんな歳になってもこの本の感想を書くのははずかしくて、読んでも知らん顔しようかと思ってしまう、そのかまととぶってるいくじなさにあきれてしまうからです。
題からも想像がつくように、文面を引用したらきっとネットの規制が入ってしまう文字が踊っております。でもちっともいやらしくないんです。読んでいるとふきださずにいられません、そういう自分が「おとな」になったなーと思うのです。えっ、やっぱりかまととぶってて気持ち悪い?それがこっぱずかしいのです!
直木賞の『火垂の墓』『アメリカひじき』もいいけれど、やっぱりこれが野坂昭如の一番の傑作ではないかと思います。おとこのどうしょうもないエロ好みをおもしろおかしく書いています。イロじゃないんです。エロなんです。
スブやん。主人公です。「酢豚の略。肥ってはいても、どこやらはかなく悲しげな風情に由来」からついたあだな。哀しげ、酸いような顔を思い描き、これだけでも笑いました。
仲間のエロ事師たちと法の網目をくぐり、あぶない写真を作り販売、ブルーフィルム作成し映写会、女との仲立ち...のビジネス。そう、今ならネット出会い系サイトなのでしょうかね。
ビジネスはビジネスでいろいろ苦労するのが見ものです。でも、そこから見えてくる「おとことおんなのとんちんかん」がおもしろいです。「男と女のさが(性)」じゃなくてです。むしろ「おとこの思いこみ」みたいなものがおかしいです。
ほんと「おとこ」ってあわれですねー。って書くのがこっぱずかしいです。そんなに知りもしないくせに…。
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西川美和さんの「名作はいつもアイマイ」に出てきて、興味を持って読んでみた。
標準語では表現できない作品だといえば、そんな気もする。
僕は兵庫出身なので、それなりに大阪弁を使ったことはあるんだけれども、時代のせいか、地方のせいか、ちょっと知っているのと違う言葉遣いだった。
乱行パーティが描かれていたが、ホントにあんな風なかんじで成立したりしているんだろうか。野坂氏の想像なんだろうか。直感的には、ありえないんじゃないかと思うけど…
しかし、野坂さんとえいば、ちょっとどもりながら、テレビで大島なんとかさんという呼び名は監督だけどなにをやってるかわからない人と口論するへんな人という認識だったが、作家でもあったということがよくわかりました。
Posted by ブクログ
お上の目をかいくぐり、世の男どもにあらゆる享楽の手管を提供する、これすなわち「エロ事師」の生業なり――享楽と猥雑の真っ只中で、したたかに棲息する主人公・スブやん。他人を勃たせるのはお手のものだが、彼を取り巻く男たちの性は、どこかいびつで滑稽で苛烈で、そして切ない……正常なる男女の美しきまぐわいやオーガズムなんぞどこ吹く風、ニッポン文学に永遠に屹立する傑作。
Posted by ブクログ
1966年の作品。エロを仕事にしている男たちの話。
又吉さんがおススメしていることもあり、読んでみました。
関西弁と独特の文体がいい味が出してるけど、正直、読みづらい。
ネットもない、性が解放されていない時代、エロを様々な方法で売ろうと駆使している姿が滑稽であり、貪欲であり、一生懸命であり、なんだか物哀しい感じもしました。
Posted by ブクログ
追悼。
こういうのが真骨頂なんでしょうね。
文体に迫力があるし、大阪弁がそれにはまってええ味出してますね。
世の男どもの「エロ」を満たすために奔走する事師たちの執念がすごいです。
そして「エロ」を求める男どもの哀しい性。。
なかなか手に入らないからこそ妄想が膨らみ、渇望するところを、現代だとちょっとスマホをいじれば簡単に「エロ」が手に入ってしまう訳で。
草食系だの少子化だの言う一因かなーと思いますね。
Posted by ブクログ
野坂昭如氏 訃報を受けて、一年の積読を了。 卑猥だが、猥雑ではない。 下品だが、いやらしさはない。 この題材でユーモアと悲哀に昇華させる筆はさすが。 関西弁のリズムが掴めれば、もっと早く読み終えて居たとは思う。
Posted by ブクログ
なんなのよ、このラスト。馬鹿馬鹿しい。笑
男の人と女の人じゃあ、抱く抱かれるの意味が少し違うんだろうな、とちょっとだけ思ったり。
でもやっぱり、凸と凹があれば、そりゃあ、やることは1つなんだろうな。それでいいんだよね。
それにしても本当にラストのくだらなさと、哀しさに、笑えてしまった。
スブやん、あなたはそれで本当に幸せだったの?
Posted by ブクログ
50年近く前に書かれた作品。
この頃に比べると、露骨で直接的なエロを誰もが見れるし発信する事が出来るようになった。
でもね、本質的なものは何も変わらない。この時代に「スブやん」みたいな人がいたら、やっぱりエロ事師になっているだろうな。ここまでカッコよく大往生は出来ないと思うけど。
Posted by ブクログ
ポルノや売春などのエロを生業とした男たちの悲喜こもごも。
猥雑だが淫猥な印象は受けない。
巧みな語り口に滑稽さが見えるからだろうか。
エロにまつわる仕事や、携わる男たちは醜いと思う。
だがこの小説における登場人物たちはじつに愛らしい。
これは"リアリティがない"せいなのか
偏見を取り去った"これこそがリアリティ"なのか
私にはわからないが、
(一元的に取り出すことはできないにせよ)
美しくないものだからこそ志高く持ちたいと思う
人間というちっぽけな存在ありのままが
この作品には描かれているのかもしれない。
Posted by ブクログ
ピース又吉推薦!の帯を見て購入。
時代は昭和初期(?)
とにかくずーっと昔。
ブルーフィルムの制作に情熱を注ぐエロ事師たち。
それぞれが想う、男のロマン。
貫く思い。
とか言ってみたものの、
その真剣さが馬鹿馬鹿しくて、
笑える。
女の私には決して分からない気持ちもあると思う。
言葉が理解できなくて、読むのに少し難儀したけれど、
ラストは秀逸。
なんだそれ、馬鹿馬鹿しい 笑
Posted by ブクログ
ブルーフィルムやら、エロ本やら…エロ事師のスブやんは、あの手この手でエロビジネスをする。そんな調子だから、アゲられたりするものの、徐々に仲間を増やし、ビジネスを広げていく。
ただ、終盤は仲間割れを起こし、相手方は組んだパートナーが悪く、うまくいっていない様子。そして、こちらはスブやんが死んでしまう…
際どいこと書いてるはずなのに、すっきりまとまっていて、底辺の方であがきながらも笑いアリで生きている様子に好感が持てた。
Posted by ブクログ
本当の意味でのエロとは、なんだろう。男性にしか分からない世界ではない。女性にもエロという概念は当然ある。エロは欲求であり人間本来の姿なのだろう。それを追求するということは人間とは何かという哲学的な問いに近いような気がする。
それをエロ事師と言われる男たちが追い求め、最後に本当の意味でのエロという答えにたどり着くことが出来たのではないかと思う。
本当のエロとは…
野坂昭如のデビュー作として有名な作品ですが、内容に少し驚く。それでもエロを取り上げた内容にも関わらず、所謂「エロ」を感じないのは事師たちのエロに向き合う姿のせいなのだろうか。女性からすると中々手に取りづらい題ではあるが、社会見学のつもりで、こんな世界があるのかと言う視点で見てみるのも面白いかもしれない。