梶井基次郎のレビュー一覧

  • 乙女の本棚4 檸檬

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    乙女の本棚シリーズの一冊。
    乙女でなくても楽しめた。乙女ではない自分には、小説と絵の距離が近いほうがいいのだということがわかった。絵本というくくりで読んでいるからなのかな。

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    2025年05月06日
  • 檸檬

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    檸檬、城のある町にて、桜の木の下を読んだ。
    淡々と静かな日常を描いた作品という印象。

    つまりはこの重さなんだな。
    という言葉が印象的。

    えたいの知れない不安をかかえていた、そんな時に出会った檸檬。
    単純な塊が、鮮やか色、形、匂い、冷たさを通して美しいものに感じ、えたいの知れない不安はレモンと同じ重さであることに気づく。

    今、空は悲しいまで晴れていた。
    ー城のある町にてー

    病弱で病に伏せることが多かったからか、自分では思うようにならない悩みの核心というところにはあえて触れずに、よりよくしたいという希望を持って、えたいの知れない闇から光を求めていく。
    そういうところに価値を置いていたのかな

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    2025年05月02日
  • 檸檬

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    あの有名な(「桜の樹の下には」)
    桜の樹の下には屍体が埋まっている!
    を初めて通して読んだ

    夢現で詩的な世界観と
    超現実的な緻密さを感じる描写
    曼荼羅絵のようだなぁ〜
    常に死の影に追われつつも
    冷静な頭脳を持つ方だったのかなと
    思いつつ読む...

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    2025年04月29日
  • 檸檬

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    読みやすい。難しくて考えさせられるというよりかは、言い回しやセンスある文章にただ感心する作品という印象。

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    2025年04月20日
  • 檸檬

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    「Kの昇天」についての感想

    「K君はとうとう月世界へ行った」

    影やドッペルゲンガーの概念がよく出てくる事から、『私』が少し健康を取り戻した梶井、『K君』が病気が悪化していった梶井、どちらも梶井基次郎だと解釈するとまた一層面白いのではないかと思う

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    2025年01月30日
  • 檸檬

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    檸檬読むと心が落ち着く。

    本屋で手に取り1ページ目をさっと読んで、おこがましくも「私の感性に似ている!」と衝撃を受け、それから家で本を積んで上にレモンを乗せてみるというニワカ文豪オタクみたいなことをやったこともありました。

    レモンを握ったり嗅いだりしてリフレッシュする梶井さんも、桜の木の下には死体が埋まってる!と急に言い出す梶井さんも可愛いですよね

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    2025年01月03日
  • 乙女の本棚4 檸檬

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    絵が付いていて、読みやすくなっていた。
    病気で身体が弱っていて辛く感じているのを随所で読める。
    でも丸善の本屋さんで大型書籍をたくさん出しっぱなしにして帰ってしまうのは、どうかなあ。
    檸檬が爆発する想像が絵になっているのは良かったね。

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    2024年12月05日
  • 檸檬

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    梶井の文は難しいようで、生々しく共感しやすいところが面白いと思います。
    私は檸檬、桜の樹の下には、ある崖上の感情が特に好きだったのですが、愛撫の出だしを読んだ瞬間なんて奴なんだと1度本を閉じました。梶井の頭の中は色んな意味で凄いのだと再実感。
    とても楽しく読ませていただきました。

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    2024年10月25日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    はい、32オネエかな?

    いやもう画集やん!
    普通に画集やん!

    陳腐すぎる感想で申し訳ないんだが、梶井基次郎さんの世界としらこさんの世界がピタッとハウス過ぎて、今回も立東舎ほんと仕事出来るなと唸る

    文章が美しいのよな

    不知不識(しらずしらず)とか絶対どこかでしれっと使いたい
    ひまわりめろんさん凄い文章書くなとか思われたい
    燐寸(まっち)とかもいつかレビューで使いたい
    ひまわりめろんさん放火魔かとか思われいや思われたくないわ!

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    2024年10月09日
  • 檸檬

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    苦労を重ね(原因が身体にあるにしても)参ってしまった人間の、暗いモヤモヤした日常を正確に描いている。
    不思議と負の感情は少なく、小さなことに幸福や安心を見出したり、また暗闇に落ち着いたりする。

    精神的に病んだ経験がある人ほど共感を得やすいかもしれない。
    多くの人が漠然と持っていたりする、あまりに抽象的な感覚が日本語でハッキリと表現されていてハッとする。

    このような精神状態を文学として言葉にして表現された例はあるのかないのか知らないが、ここまでリアルな感覚は他にないのだろう。

    非常に独特の読後感。
    梶井基次郎の世界観に飲まれて脱力する。
    現代の忙しさから逆行する感覚がある。
    唯一無二である

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    2024年09月04日
  • 文豪死す

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    文豪6名の最後を飾った作品を集めたもの。同じような趣旨で、デビュー作代表作を集めた「文豪誕生」も読んで出版社の策にとても共感している。
    表装は今風というかアニメタッチな文豪が1人、芥川だろうかと想像する。
    登場する6名の文豪、初めましての方もいて、読書の門扉が少し開けた気がする。
    それでも好きになったかと言うとそこまでではないが、この点が点と合って線になっていくんだろうなと思う。
    特に芥川龍之介はこの作品でちょっと興味をもった。そして梶井基次郎は檸檬の他に機会があって良かったと思う。

    文豪死すも文豪誕生も、名前は知っているけどそこまでじゃないと言う人にはぴったり。機会があったら読んでみると良

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    2024年08月15日
  • 梶井基次郎全集 全一巻

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    文章うまいし短編ばかりだし読む価値あり。
    「早逝したのは残念だがあれが絶頂期だった」と知り合いが言っていたが、個人的にはまだまだこれから伸びていく人だったなと思う。
    一人称の作品が多いので、もっと三人称を描けるようになる梶井さんを見たかった。
    心理描写もさることながら、会話文が一番好きです。

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    2024年07月20日
  • 文豪死す

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    「文豪たちの最期を飾った名作を読む」
    それぞれの作家の年表、代表作品ガイド、人物相関図、ゆかりの地、行きつけの店も記載されていてとても面白く読めました。

    やっぱり太宰治の『グッド・バイ』はものすごく面白いので未完なのがとても残念です。続きが読みたいです。中島敦『李陵』はほとんどが漢字で読みにくくて挫折してしまいました。
    また、泉鏡花の『縷紅新草』は、非常に文体の美しい傑作と言われているようですが、なんとなく雰囲気は掴めるものの読むのに苦労してしまいました。

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    2024年07月10日
  • 梶井基次郎全集 全一巻

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     習作、遺稿を含めたすべての作品が収録されている。そのため、作品のいくつかは話が似ており、梶井基次郎が作品を完成させるまでの過程と苦労がわかる。また本書の末尾に、実際に梶井基次郎と親交があった宇野千代の文章も収録されており、宇野から見た梶井の人物像を垣間見える。それによると、人と話すのが好きでしかも話が面白かったという。その反面、自身の話については語ることは少なく、病気を患ったこと(それにもかかわらず激流の川の中に飛び込んだ)についても周囲に打ち明けなかったらしい。さらに解説によると、梶井は青春や病気に捉われたことで、日ざしや雲などといった世界を発見して、それが感情や感覚となって揺れ動いた自己

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    2024年06月18日
  • 乙女の本棚4 檸檬

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    ネタバレ

    絵がとても綺麗。
    病気だとか貧困だとか、健康だとか、
    そういうので、人の幸せの価値観はガラリと変わるのだなと思った。
    不吉の塊は、誰の心にもある気がする。
    得体の知れない、何かわからないけれど憂鬱な気分。何かわからないから解決策も見つけられない。
    多分、色んな黒いものが混ざっている。
    そんな中、明るくてパキッとした黄色のレモンに惹かれたのかな。
    おまけに香りまで爽やかだし。
    小さな爆弾は、絵もあって気分爽快。
    そんな風に、想像するのは自由だよね。実際にやったらダメだけど。

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    2024年06月05日
  • 檸檬

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    ネタバレ

    檸檬しか読んでないが、いつでもどこでも読める分量と、いつものインパクトを与えてくれる。個人の深いところに焦点が当てられ、だれしも一度は考えたことのある、個人的な思惑を代表するようなワンシーンだった。

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    2024年05月29日
  • 乙女の本棚4 檸檬

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    久しぶりのこのシリーズ。『檸檬』もちゃんと読んだのは初めてなのですが、ちょっと印象が変わったかも。最初の方、裏通りを歩きながら遠く離れた街にいるような錯覚を起こそうとするシーンが好き。
    あと、花火や、びいどろ、南京玉の描写。いいですよね!と本のこちら側でひとり頷いてみたり。
    檸檬のシーンは美しいけれど、後片付けする羽目になった店員さんのストレスが…、といらんことを考えてしまったり。発表されてからこの方、多数の人が思ってるんだろうけど。

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    2024年08月15日
  • 乙女の本棚4 檸檬

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    乙女の本棚3連発の2作目。何気にちゃんと読んだのは初めての、檸檬。

    イラストも相まってとても美しくビビッドな作品でした。真っ暗なところからみずみずしい黄色い檸檬に情景が変わるところがありありと目に浮かび、だから檸檬一つで心持ちが変わる主人公の気持ちも理解できました。

    それにしてもマジで爆弾だったんだ(文ストで知ったのが先って言う)

    2024.3.24
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    2024年03月24日
  • Kの昇天(乙女の本棚)

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    梶井基次郎文学忌、結核の為死去。
    1926年の作品。
    イラストレーターは、しらこさん。

    魂が影に移り 月へ向かう そんな情景

    去年も「Kの昇天」レビューしている記憶が。同じような事書いてしまうな。
    Kと療養地で知り合った「私」
    満月の夜 海岸の砂浜
    Kは、影が人格を持ち月へ昇るという
    Kは、溺死する
    「私」は、Kの死因について語る
    それは魂の昇天
    痛みのない死
    病気に苦しむ梶井基次郎の希望だったのか

    京極堂の「魍魎の匣」の少女達が月夜に影を見る場面は、この作品を思い出していた。意識されてたんじゃないかと思っている。

    しきみさんのイラストが独特な哀愁ある色合いで良い。とてもよく小説とあっ

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    2024年03月24日
  • 乙女の本棚4 檸檬

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    梶井基次郎文学忌、檸檬忌。
    何回目かの「檸檬」は、げみさんのお陰様で今までになく理解できた気がしています。

    得体の知れない不吉な塊。
    焦燥や嫌悪等では言い表せないその塊から檸檬爆弾という彼の希望の象徴で解放される。

    丸善は西洋の思想の表現か、贅沢の象徴かな。
    ずーっと丸善は東京駅のところ丸善だと思っていた。ここが檸檬爆弾の丸善ですというような紹介を読んだ気がするんですよね。丸善カフェで檸檬スウィーツもいただいたし。
    げみさんの描く丸善が、本当に素敵でした。

    “ずかずか”と入るも疎外感。
    彼の檸檬爆弾は、確かに彼の気持ちを軽くしたようだ。
    今でも丸善には檸檬を入れるカゴを用意しているらしい

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    2024年03月24日