【感想・ネタバレ】Kの昇天(乙女の本棚)のレビュー

あらすじ

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

人気シリーズ「乙女の本棚」第23弾は梶井基次郎×イラストレーター・しらこのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。

影と『ドッペルゲンゲル』。私はこの二つに、月夜になれば憑かれるんですよ。

満月の夜、療養で訪れた土地の砂浜で私はK君と出会った。

梶井基次郎の『Kの昇天』が、
美しい空間の色彩構成で叙情的な余韻のある作風で知られ、
書籍の装画などで活躍する
イラストレーター・しらこによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

河合隼雄先生の影の現象学で紹介されてたので気になって読んでみました。
読んでいくうちにこんなに美しい文章があるのかと驚かされた。とにかく繊細で、触り方を間違えれば割れてしまいそうなガラス瓶のような話だな、という印象。特にK君の儚さというか、想像力を掻き立てられるような人物像が素晴らしくて、彼の言動に目が離せなかったです。
風景描写も本当に良くて、夜の海や月明かりみたいな冷たい空気感が好きな人にはたまらないんじゃないかと…
短い話なので皆読んでほしーーー!そんでもってK君について話したいよーーー!!

0
2025年03月31日

Posted by ブクログ

Kの昇天について、「私」が「あなた」に、ただ話している。綺麗で幻想的な挿絵と共に唯一無二の日本語で述べられた「私」の語りは、吸い込まれるように美しい。
ドッペルゲンゲルに魅入られ、影が立ち上がって月へと昇天して行ったKの魂は、飛翔し去る。

0
2022年03月18日

Posted by ブクログ

今まで読んだ乙女の本棚シリーズの中では絵が写実的。
もっと漫画っぽい絵の方が好みかなぁ。
溺死してしまったKの夜中の海辺の散歩や影や月への情景が、主人公の共感?ドッペルゲンガーのように分裂?それともBL?と毎回読み込もうとしてしまうな。

0
2025年10月10日

Posted by ブクログ

はい、32オネエかな?

いやもう画集やん!
普通に画集やん!

陳腐すぎる感想で申し訳ないんだが、梶井基次郎さんの世界としらこさんの世界がピタッとハウス過ぎて、今回も立東舎ほんと仕事出来るなと唸る

文章が美しいのよな

不知不識(しらずしらず)とか絶対どこかでしれっと使いたい
ひまわりめろんさん凄い文章書くなとか思われたい
燐寸(まっち)とかもいつかレビューで使いたい
ひまわりめろんさん放火魔かとか思われいや思われたくないわ!

0
2024年10月09日

Posted by ブクログ

梶井基次郎文学忌、結核の為死去。
1926年の作品。
イラストレーターは、しらこさん。

魂が影に移り 月へ向かう そんな情景

去年も「Kの昇天」レビューしている記憶が。同じような事書いてしまうな。
Kと療養地で知り合った「私」
満月の夜 海岸の砂浜
Kは、影が人格を持ち月へ昇るという
Kは、溺死する
「私」は、Kの死因について語る
それは魂の昇天
痛みのない死
病気に苦しむ梶井基次郎の希望だったのか

京極堂の「魍魎の匣」の少女達が月夜に影を見る場面は、この作品を思い出していた。意識されてたんじゃないかと思っている。

しきみさんのイラストが独特な哀愁ある色合いで良い。とてもよく小説とあっている。
月夜の顔立ち等が朧げなのも良い。

0
2024年03月24日

Posted by ブクログ

作者が結核を患っていて、いつも死を意識していたかと思うと、この作品も本人の心境、様子を反映したものだと思えてきて切迫した気持ちになる。きっともう、病気で苦しみすぎたのだろう。作者の安らかに死にたいという思いが映し出されているようで、いたたまれなくなった。
普通の元気な人なら、夜、海に出ても、自分の影に見とれたりはしない。何度も阿片という単語が出てくるように、精神的に参っていて、早く楽になりたいという思いで一杯だった様子がよく伝わる。
イラストが穏やかで美しく、その透き通るような綺麗さばかりが印象的なこの作品。彼の自殺かもしれない死が美しく見えるけれども、荒々しさも、抵抗する様子も描かれることもなく、昇天してしまうのは、何だか悲しいと思った。生に執着できないほどの事情が場合によってはありうるのだということを学べた気がした。

0
2024年02月20日

Posted by ブクログ

影にみいられた人。墜落しなかったのは、本人にとってよろこびだったのだろう。言ってしまえば溺死だけど、精神は昇天したというのが心にくる。
月夜に海辺で自身の影を踏みながら歩くkの姿を想像した。不気味とも綺麗ともつかないものだろう。

楠本まきさんの漫画で、Gの昇天 という作品があったな。この作品へのオマージュなのだろう。

0
2023年06月27日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズ。

純文学というのかな。K君の死について、彼が死ぬ前に親しくしていたという人物の目線で淡々と語られている作品。なんとも儚い。イラストがピッタリ合っていて、月夜の静けさが伝わってくるようでした。

0
2025年07月26日

Posted by ブクログ

乙女の本棚シリーズの一冊。
小説と絵の相性がいいと思う。乙女じゃなくても人前で読める。
てことは乙女っぽくないってことか。でも、小説と合っていることのほうが、乙女っぽいことより大事だよな。

0
2025年05月17日

Posted by ブクログ

乙女の本棚3連発、の一つ目。

正直、よくわからんかった!

純文学と言われるものを桃ちゃん読むと、本当に昔はすぐ隣に死があったのだな、とよく思うのですが、今回もそこに着地しました。

2024.3.24
51

0
2024年03月24日

Posted by ブクログ

病に冒されているKという青年が海に入水し、溺死して亡くなる。
彼と直前親しくしていた謎の人物によって、その不可解な死の真相が明かされていく。
「K君はとうとう月世界へ行った」という言葉が孕む意味が分かったとき、死ぬのは怖くないかもしれない、とむやみに思った。
満月の夜、影とドッペルゲンゲルに導かれて旅立ったさきの世界は、きっと海のように広々として、光と静けさに満ちた心地好いところだろう。
『Kの昇天 或はKの溺死』というタイトルも、それを言い表しているよう。実体がどちらなのかはもう分からない。

0
2023年09月25日

Posted by ブクログ

 乙女の本棚シリーズから、梶井基次郎さんとしらこさんのコラボ作品「Kの昇天」です。全体的に青を基調としたイラストは、この作品にぴったりです。

 私はK君と満月の夜、療養で訪れた地の砂浜で出会った…。K君は自身の影に魅せられていた…。K君が他界したと知ったとき、「K君はとうとう月世界へ行った」と…。直接の死因は溺死だったとしても、月へと昇天したんだと私は語る…。

 K君は何を思って月を影を見ていたのかな…。月と影に一筋ならない思いを抱いていたんだろうなって…。私もこんな風に月を見て自身の影に魅せられる日がくるのかもしれない…色々と考えさせられらた1冊になりました。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

溺死したKの死の謎を問われたわたし。

わたしは「K君は月へ登ってしまったのだ」と感じた。
それほどにK君は月光による影に魅入っていた。

短いけれど印象に残る話だった。

0
2023年03月31日

「小説」ランキング