梶井基次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
※主に『檸檬』『冬の蠅』についての感想です
物語を追うというより、その美しい言語表現を目で追って、好きなフレーズはあるかなぁと探しながら読みました。
意外にも共感出来ることが多くあり、今まで好きだったものがある日を境に距離を置きたくなるものになったり、粗末でどこにでもあるようなものに惹かれるようになったり、幸せな時間が来たとき、その後に訪れるであろう苦痛の時間を想像して憂鬱になったり、「分かるなぁ」という気持ちになった場面が多くありました。
あと、作品全体を貫くどこかひょうきんで明るい雰囲気が好きでした(病気は辛かったと思うけど)
檸檬、冬の蠅は読書初心者でも読みやすいかも?(なにを隠そ -
Posted by ブクログ
好きな話は冬の蝿(闇の絵巻)、冬の日、Kの昇天、泥濘
収録の中で異彩を放っていたのは、
城のある町にて(巻末の解説にあるとおり、単純で、平明で、健康な世界)
ある崖上の感情(不安定さは感じない。感情の発露?)
愛撫(変態的だけど猫への愛情を感じる)
病のせいか、常に死を身近に感じているように読めました。
常に精神不調で絶望しているけど、世の中の一般的な幸せや娯楽、喜びを分かっている。分かっているからこそ対になっている絶望が深い。
人並みの幸せを求めつつも、幸せを意識すると途端に苦しみが増す矛盾に苦しんでいる様子と、その状況を楽しんでいるようにも思えました。
のんきな患者で、梶井の本音が書か -
Posted by ブクログ
乙女の本棚シリーズから、梶井基次郎さんとげみさんのコラボ作品の「檸檬」です。まずは、いつものように表紙から…なんとも懐かしいようなぬくもりを感じるような、それでいて檸檬の色彩がはっきりしていて、思わずわくわくしてしまいます(^-^)
肺病を患い、借金もあり友人宅を転々としている主人公の青年…。町を歩きふと手にした檸檬…檸檬によって一時的に鬱々としていた気持ちが晴れたため、丸善に立ち寄ったのだが、またしても心が沈んでいく…。そこで先ほど手に入れた檸檬の存在を思い出す…。
檸檬爆弾か…手榴弾って檸檬のサイズくらいなのかも!何気にそんなことを感じました。青年の抱える孤独感、疎外感などのマイ -
Posted by ブクログ
梶井基次郎という人は、結核という病を得て死について考え考え、考えぬいて生きたんだなというのがよくわかる。
世間と隔絶されてしまったかのような焦燥感、絶望感、最後は諦念と恐怖のなかにかすかに達観も見られ、どこか救われるような気持ちになったりもした。どれを読んでも胸にせまるものがある。
読みながら、自分自身の父のこと母のことを思い浮かべてなんともいえない切ない気持ちになった。
著者はこの文書を書きながら涙を流し、血を吐いているんだなと思った。
若くして亡くなったことを惜しむ声は多いけど、若くして亡くなることがわかっていたからこそ、ここまでの輝きを放った人だったのではとも思う。 -
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焦燥感と妄想。
読んでいて焦燥感を感じました。
理由はわかりませんが、視点主の焦燥感と現実逃避というか、文の内容というよりは書き手の心情が込められている気がします。それだけに、すごく読み応えがあります。
同じ芸術という意味では絵画に近いような気がします。物語というよりは、美術館で大きな絵を前にしてじっと眺めているような感覚です。
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購入済み
なんてことない。
なんてことない一日の中の1シーンを切り取ったような作品です。短いながら、残る余韻は格別。
ただひたすらに雰囲気が秀逸で、なんだかレモンの香りが嗅ぎたくなります。
読み終えてとても不思議な気分になりました。
短いので是非一度。