富野由悠季のレビュー一覧
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カラスによって木星帝国に奪還されてしまったベルナデット。彼女を取り戻そうとするトビアも返り討ちにあい、彼も囚われてしまいます。
トビアの処遇は公開処刑。その方法はグラディエーターなのですが、相手はなんとX-2。MSと人間の決闘とは、悪趣味にも程がある。
この20年後のザンスカール帝国では、ギロチン刑が復活することになるけども、なぜにそんな部分を過去に学ぶのか。
絶対絶命のMSとの決闘に挑んだトビア。相手パイロットがX-2に習熟していないという点を差し引いても、強奪に成功するのは予想外規格外。隙をついてコックピットを開けさせパイロット急襲、という戦術で勝利したのですが、トビア自身がカラスにやられたことを学習実践したということか。
敵となってしまったけども、カラスはトビアの教師という存在であるらしい。カラス自身も、導き手であろうとはしている雰囲気はある。トビアは反抗してますが。
ビットを踏み台にするとか、MS強奪とか、トビアの戦闘力の成長が恐ろしい上昇曲線です。X-2で脱出したトビアは、マザーバンガードと合流に成功。
この強奪から合流の流れは、トビア無双でした。
木星帝国の地球侵攻を止めるために、追跡続けるクロスボーン。追跡中の惑星間航行で戦闘不可の説明がいい。「双星記」や「星海の紋章」かな、相対速度をそろえないといかん、ということを知ったのは。こういうことを説明してくれると楽しいです。
地球圏へ辿りついたクロスボーンを待ち構えていたのは、木星親善大使として歓迎されるドゥガチと、海賊クロスボーンを排除しようとする連邦軍。
連邦軍には量産化されつつあるF91が。表紙の青いF91がそれです。青ベースのガンダムは珍しい。他にはEXAM系列ぐらいか。
X-1とF91の戦いが見られるとは。シーブックとキンケドゥの戦いに見立ててしまうな、これは。ガンダムvsガンダムは、今では当たり前になってしまったけど、やっぱりテンション上がります。
「MSの性能の違いが、戦力の決定的差ではないことを教えてやる」といった人がいましたが、その言葉をなぞるかのような決着。あそこまで二つのMSに差はなかったけども、勝敗を分けたのはパイロットの差ということで。 -
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クロスボーン・ガンダム3巻。
木星帝国本拠地へ侵入。総統クラッスス・ドゥガチの罠。ベルナデットの正体。ザビーネの野心。「死の旋風」隊の脅威。
少女のために奮闘するトビア。ガロードとティファの関係性を思い出す。ことの大義よりも、女の子のために一生懸命というのは、冒険活劇の王道です。バナージとミネバもそうだったか。トビアとガロードが似ていると思うのは、ストレートなんだよな、感情の表れが。
本拠地にしたドゥガチはコピー。ドゥガチを含む木星帝国軍は、地球へ侵攻を開始まんまと囮に引っ掛かってしまったクロスボーン・バンガード。
乾坤一擲だった本拠地突撃が空振りに終わってしまったといえど、ドゥガチを止めなければならない。追跡戦に移るクロスボーン・バンガードの前に立ちはだかったのは、「死の旋風」隊と反乱のザビーネ。
ここでザビーネの反乱かあ。コスモ貴族主義を諦めずにいた彼は自分の野心に従って行動したのですが、どうにも小物感が出ているように思えます。執着心がすごい。アンジェロの忠誠心に感じた違和感と同一。
キンケドゥの駆るX1を撃破する為だけに編成された木星帝国の「死の旋風」隊。
スリーマンセル部隊で、それぞれに攻守の役割が明確にされている彼らに苦戦するキンケドゥ。船体のマストを切断し、ビームセイルを叩きつけるという大技で撃退しますが、X1は半壊状態。今後の戦闘に対して、どんどん手駒がなくなってゆくクロスボーン・バンガードです。
追撃戦どころか、追撃すらままならない。そんな状況の中、ベルナデットが拉致されてしまうという混乱。
がんばれトビア。 -
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「ジョニー・ライデン」をめぐって水面下で繰り広げられているあれこれ。1年戦争時にキシリアが創設したエース・パイロット部隊「キマイラ隊」。彼らが設立された目的が連邦との戦争のためでなく、何かを秘匿するためにだとしたら?という疑問。その秘匿されている何かの鍵となるであろう「ジョニー・ライデン」。彼をめぐる騒動は、そういうことらしいです。「ミナレット」というコードネームの何かをめぐっての物語か。
登場人物が多い。
元キマイラ隊のスナイパーで、民間警備会社所属のジャコビアス。青いゲルググを駆る、元キマイラ隊パイロットのユーマ。政治家のオクスナー。そしてそして、まさかのゴップ。
ジャブローの奥で紅茶飲んでいて下さいだったゴップが、この物語では重要な立ち位置になるとは。オクスナーが言っていました、1年戦争からここまで生き残って手腕は恐るべきモノだと。ライバルとなる多くの軍人上層部が死んでしまったのにも関わらず、いまだに生き残り影響力を増しているという軍人よりも政治家としての強さ。
無能軍人として置物だった設定のはずなのに、だからこそ生き延びて新たな役割を与えられて輝いてしまうという、歴史の妙よ。
「ジョニー・ライデン」で一躍注目の的です。
意外という点ではゴップ。予想通りという点ではAE。
いつでもどこでも、宇宙世紀の戦乱には関わってくるAEです。本当にAEがなければ、もうちょっと平穏な時代だったんじゃなかろうか。どうだろう。なかったらなかったらで、違う会社が似たような立ち位置になるだけかも知れないけど。ビスト財団とか。
あそこは違うモノ隠し持っているから、別枠か。
宇宙世紀の闇は深い。 -
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わかってるよ!だから、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!
12年前にその光を確かに見たはずの人類は変わる気配を見せず、マフティー・ナビーユ・エリンが地球保全を理由に全人類の宇宙移民を求め、その政策を実施しない地球連邦政府の要人を暗殺し始める。
腐敗した政治、ひいては人類に見切りをつけたテロ行為は、手段としては直接的過ぎるし、「マフティーのやり方、正しくないよ」なんだけど、それだけ地球に残された猶予がないってことなのか。
瞬間的に明るくきらめく光。
そこから枯れることのない水が流れ始め、それが枯れることがないと思えるほどに、救いがない。 -
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クロスボーン・ガンダム2巻。
本拠地の情報を得るために潜入していた基地で、帝国のパイロットのバーンズと接触したトビア。戦いをやめるように訴えるトビアに対し、反論するバーンズのセリフが、どこまで行っても地球圏の争いの本質は変わらないのか、と思ってしまう。
根深い。
木星帝国の本拠地のある衛星イオに突入するクロスボーン・バンガード。敵の防衛戦を突破するための衛星上での戦闘が続きます。
木星帝国のMSやMAの異形さが、Vガンダムを思い起こさせますね。時代的には、こちらの方が先ですが。MAとの戦闘で、ビットの攻撃を掻い潜るという神技をみせるトビア。クロスボーンが誇る2大エースのキンケドゥとザビーネを上回る活躍を見せます。NTの兆しなのか?
そういえば、ザビーネが新生クロスボーンにいることに違和感。コスモ貴族主義の信奉者だよね、彼。隠していた本心も、少しずつあらわになってきてます。 -
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別視点のELS戦
映画で描かれなかった、過去にソレスタルビーイングに関係した人々のお話です。外伝作品の主人公二人が、出てこないのが残念なところです。
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2021年、もうすぐ公開される機動戦士ガンダムの新作映画、「閃光のハサウェイ」の原作本3部作の一本め。富野由悠季御大の筆によるものだけど、初版はなんと平成元年だから、すでに33年前の作品であり、それを令和の今上映するっていうのは、なんとも遠大と言うか、あらためて驚くべきというか、ガンダムの成せる業というべきか。
正直映画の予習にと読み始めたわけだけど、読んでる途中で映画も3部作と知って、そこまでして描く内容とも思えず(面白くないわけじゃなく)、せめて前編後編の2作で映画なら事足りるのではと思わさせられた(まだ1/3しか読んでないわけだけど)。
何より、Zガンダム以降、富野ガンダムに出てくる“ウザい女子キャラ”が、今回もご多分にもれず出ているわけで、それを3話もお金出してみることにすでにうんざりしてしまっていたりする(「逆襲のシャア」でさえ、クェス・パラヤのせいで、一本でうんざりしてあまり観たくないのに!)。
まぁ、とりあえずあと中と下の2冊は読んでみるし、映画もとりあえず観に行くけど、どうなるものやら。。
→その後の映画の感想:モビルスーツの戦闘シーン良かったよ!それだけっとも言えるけど、それで全然OKだった! -
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連邦軍は、一年戦争の混乱で散逸した同時代の資料を収集検討し、編纂と保存を決定。兵器類に関するデータ収集・分析もその一環。連邦軍から任務を託されたFSS。
調査を進める中、シュミレーション中に突然呼びかけられた「ジョニー・ライデン」というメッセージ。
一年戦争時のジオン公国のエースパイロットの1人ジョニー・ライデン。
彼の情報を探ることで、歴史に埋もれた真実を掘り起こしてゆく、のかな?
おそらく、ジョニー・ライデンという名前は個人名でなくて、称号なんでしょうね。
なので、検査すると多くの候補の画像が出てきてしまう、と。
コードネーム「ジョニー・ライデン」の任務を解明してゆくのでしょう。
舞台はU.C.0090。ZZとCCAの間。 -
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上中下まとめてのレビュー
閃光のハサウェイがアニメ化するというので、30年くらいぶりに読んだ。
初めて読んだのは小学生の時で、当時は語彙力もいまほどは無かったので、そんなにちゃんとストーリーは追えてなかったのだろう。全く記憶に残っていなかった。
なので再読といいつつほぼ初見だった。
あらすじはネタバレになりそうだから置いておくとして。
上中下通しての感想は「面白いと言えなくもない」だった。
この物語の世界で扱われているのは、逆襲のシャア以降の世界なわけで、その時点ではアニメ化されていなかった。ということは、ほぼ富野オリジナルと言っていい(その辺の事情は詳しい人がいるだろうからそちらを参照していただきたい)。
執筆当時の作者の憤りや無力感のようなものを感じた。それが社会に対してなのか、若者に対してなのか、政治家連中に対してなのかはわからない。
今の時代にこの小説を読んでそう感じたのだとすると、あの当時と現代とで、大きく変わったところはないということなのかもしれない。
だから富野監督はいつも怒っているんだよなあ。
それはさておき。
全編通して思ったのは、ところどころ非常に読みづらいところがある、ということだ。
これは富野監督独特の言い回しなのか、単に てにをは の使い方が独特なのかわからないが、そのせいで伝わりづらくなっているのだと思う。
また小説的な表現を使って描写しようとしているのだが、急に写実的になったり文学的になったりするが、それが唐突にあらわれてくるので、違和感がある。
監督は文章の人ではないので、それも仕方がない。
監督が関わった作品が面白ければそれで良い。
これ、アニメから見た人は、最後のこの展開にどう思うのか…楽しみだなあ。 -
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MS同士の戦闘シーンが良かった
アデレードでの決戦。
それぞれの思惑や戦略、そしてMSによる白兵戦と、息を飲むシーンが続きます。
結末はとても悲しいですが、UCの最終決戦のような時空を越えて…みたいな感じではなく、物理的なMSや兵器による戦闘シーンは個人的には良かったです。 -
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ネタバレテロリズムと移民の話だった上巻とは打って変わって、中巻は恋愛がテーマに。正規軍のケネス大佐との三角関係なのかと思いきや、妖艶な女性ギギ・アンダルシアに完全に主導権を握られてしまうテロリストの頭目マフティー・ナビーユ・エリンことハサウェイ・ノアの物語。なんとなく付き合ってる恋人とギギの間でどっちつかずながらもギギに主導権を握られてしまう辺り、まるで大瀧詠一の『A LONG VACATION』の主人公のようなうだつの上がらなさを感じる。
「おれたちは、閣僚の粛正で分るとおり、ターゲット以外にはなにもしない」(本書66頁より引用)というテロリスト仁義が語られるが、上巻で見た通り、ハサウェイは自らの組織が行うテロリズムによる民間人の犠牲者に心を痛める心性の持ち主である。上巻のあの描写と本書での恋愛のすれ違いを考えると、物語の行き先は、もうそうなるしかないのが悲しい。