岡本太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古代ローマの哲学者エピクテトスは哲学を医療に例え、人生で立ち止まったり、心に傷を負った時の「哲学」の有用性を訴えました。
本書を哲学書と例えるならば、人生において立ち止まった時や迷った時の治療になりうる作品なのではないかと感じました。
特に「幸せ」に対する本書の考え方は白眉です。
私には二人の子供がいますが、子供達にはどうしても「幸せになって欲しい」「苦労なく過ごしてほしい」と思ってしまします。そのような考え方を本書で岡本太郎は真っ向から否定します。
読んだ当初は共感できませんでしたが、その後我が子に重度の障害があることが分かり、本書の考え方が必要となりました。それは、先に述べたエピ -
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Posted by ブクログ
新潮文庫 岡本太郎 美の世界旅行
インド、スペイン、メキシコ、韓国の旅の記録
「宇宙」という著者の感性を理解するのは難しい。とりあえず「宇宙」は 生命や神秘につながる 空間と解釈した
その空間においては、生命が流動化し、生と死が循環し、永遠に輪廻が続き、世界旅行は そのような空間との出会いだった、というふうに読んだ
「宇宙と合体する眼」という言葉は 眼を通して(色や形を通して)、生命や神秘につながると読めるが、「顔は宇宙だ」という言葉は、何度読んでも わからないので 理解を諦めた
著者が宇宙を感じた対象
*インド〜エレファンタ島のシヴァ神、エローラの石窟、ガンジス川。タン -
Posted by ブクログ
ネタバレ沖縄事前読書週間3冊目、この後少し間は開くかもしれないですが、次は柳田国男や折口信夫の『沖縄文化論集』を読もうと画策中。その後はネフスキーの『月と不死』かなあワクワク。
本エッセイは1959年の11〜12月の沖縄滞在をベースに書かれ、その後にイザイホーを見に行った1966年、本土復帰の1972年の増補も収録している。全編面白かったし、楽しく読めた。岡本太郎の文章読みやすい。あとがきの…沖縄の魅力にひきこまれ、私はほとんど一年近くもこの仕事にうちこんでしまった。それは私にとって、一つの恋のようなものだった…という熱量がしっかり伝わってくる。
「何もないこと」の眩暈
…この世界では物として残る