岡本太郎のレビュー一覧
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この本を読んで、多くのことにはっとさせられる。
いろいろな物事に対して、まっすぐに、開けっぴろげに自分の考えを述べていく。時には強烈な言葉で。
ただ、それは芸術家の極端な思想などではなく、私には妙に腑に落ちた。
岡本太郎は『法律、常識、風俗、しきたり。人間世界は譲歩しなければならない約束事ばかりだ。それは誰でもがまもる。しかしそんなもの、永遠の眼から見れば非本質的であり、皮相なアクシデントだ。』という。
今の世の中、岡本太郎が言うように、自分の感じたことをストレートに表現し、誰とも馴れ合わず、不合理とぶつかり合っていくと非常に生きにくい。
少なくとも私には無理だ。
ただ、いろいろなものごとに接 -
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現代アートは好きですし、岡本さんの著作は「今日の芸術」も読んでいたんですが、この本がこれほど魅力的だったとは思いもよりませんでした。
眼を剥いてオカシナ事を口走るオジサン、としか思っていない方は、一読、この文章の水準に驚くのではないでしょうか。
感心したのは、この本、沖縄文化の魅惑を語りながら、単なる沖縄論に留まることなく、普遍的な文明論として素晴らしく、芸術一般を語る論考としても優れていることです。
さらに沖縄の風を語る時は、一流の抒情的エッセイとしても読める。
時に確かに納得出来ない論証、賛成しかねる描写もありますが、その考察の鋭さは、文化、文明の深い本質を覗かせ、わずかなそよぎとし -
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最近、岡本太郎氏の本を何冊か続けて読んだ。
その中で、なぜこの本のレビューを書くことにしたかというと、この本は、悩んでいる人に一読を勧めるのに、最適な本だから。
読もうと思えば、30分ほどで読むことができる。
とても落ち込んでいる人にとっては、本を読むことすら、おっくうであることは私もよくわかる。
そういう人に、「とにかく、ページを開いて、そこにある言葉を読んでみて。」と伝える。
開いたページには、必ず心にぐっとくる言葉がある。
そして、その言葉に感動すると、次々にページをめくってくれるようになる。
そして、必ず悩んでいる人は、笑顔を取り戻す。
そんな力のある言葉がたくさん詰ま -
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岡本太郎が米軍統治下の沖縄を訪れて書いた、名高いエッセイ集。そもそも沖縄にひかれたきっかけが料亭で見た琉球古典舞踊だったというだけあって(124頁)、とくに「踊る島」と題された章はダンス論としても秀逸。日本舞踊ともバレエとも異なる琉球舞踊の特徴を言葉で書き起こした部分は描写の見事さにゾクゾクしてしまう。
「情感がもり上り、せまる。そのみちひきのリズムの浮動の中に、私はとけ込んでしまう。目で見ている、観賞している、なんて意識はもうない。一体なのだ。しかし、にもかかわらず、踊り手はまるでこちらを意識していないかのようである。見る者ばかりではない。世界に、身体が踊ってるということの外には何もないとい -
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岡本太郎氏の発言を集めたイースト・プレス社発行の作品は、
本作の「壁を破る言葉」の他に
「強く生きる言葉」「愛する言葉」があるが、
この「壁を破る言葉」は、他の二作が万人に向けて
放っているメッセージであるのに比べて、
モノ作りをする人(クリエイター)を
ターゲットに絞ったメッセージを集めたものである。
しかし、そうでない人に対しても、
本作で発せられているメッセージは、
容赦なく心を掴み、叩きつけてくるだろう。
生きている人全てに、岡本太郎は
己の持つ何某かのエネルギーをぶつけてくる人なのだ。
ある意味「芸術は爆発の無差別攻撃」である。
その事からも、岡本太郎という人は、
「創る事が生 -
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「今日の芸術」岡本太郎著をやっと読み終わりました。
ただいま私の中に岡本太郎ブーム到来という感じです。
実はこの本、ちょっとショックなことに文庫版の再販を買えば500円前後らしいのに、廃刊と勘違いして、中古のしかも文庫版初版を入手。マニア的には価値がありかもですが倍の値段を出して買ってしまいました。でもまあそれを補えるほどの内容なので、良し。としましょう。
この本は1954年にはじめて出版され、その10年後1964年に新版、さらに9年後の1973年に文庫版が出ているのですが、文庫版の序文に岡本太郎氏自身が「この本は、十年、二十年と、ますます若返ってくるようです。」と書いているいう言葉通り -
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日本返還前の、パスポートに代わる身分証明書を使って行く時代の話。日本国の沖縄ではなくアメリカとなるので、車は右車線通行だったりと生活も異なる点も多かったのであろう。
沖縄には十数年前に会社に休みをもらい一週間ほど滞在したことがある。本島のみであったが各地を周って見たことが懐かしい。ひめゆりの塔、ガマ、平和記念公園と戦争に関するものから、首里城(当時は焼失する前)や美ら海水族館、斎場御嶽なども周ったが、どこも観光地という印象が強かった。
本著”本土復帰にあたって”という章に、「復帰が実現した今こそ、沖縄はあくまでも沖縄であるべきだ。沖縄の独自性を貫く覚悟をすべきだ。」というくだりがあるのだが