岡本太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
岡本太郎の青春の原点、フランスでの大学時代のことについて書かれた1章目は本当に印象的だった。
読みながら、若者特有の青春の眩しさ、熱気を感じられるような、そんな作品だった。
個人的には読みながら、まるで映画を見ているように情景が思い浮かび、太郎氏の青春を自分も追体験できるような、なんだか自分もこんな激動の青春を送ってみたいものだと思わず当てられてしまった笑
2章目以降での家族についての描写では、彼のこれまでの家族との関係性について触れられていて、母と父の芸術観の話が、ドライブマイカーを観た際に、とても重ねて見えるように感じられた。
いずれにせよ、岡本太郎の原点を感じられるような作品だった。 -
Posted by ブクログ
芸術家(芸術)と絵描き(職人)の違いの示唆が面白かったし、それが本質なんだと理解した。
貴族のオーダーに応えていたのは職人であって、芸術家ではなかった。その後、貴族制がなくなり、オーダーがなくなり市場になった時に、絵描きはそもそも絵画とは何かと考え、そこに矛盾を抱えながらも表現するようになり、それで初めて絵画は芸術となった。
考え悩むこと、自分自身と対立すること、矛盾を見つけること、この活動自体が芸術なんだと。
人の価値観に迎合したり、ただただ心地よいものを作ろうとしたりすることは、芸術ではない。
「矛盾」「自己批判性」「情熱」この辺りがキーワードだなと。
太郎曰く芸術の原則は「うまく -
Posted by ブクログ
ネタバレ個性的な岡本かのこを母にもつ、「芸術は爆発だ!」の強烈なインパクトの岡本太郎は、理解出来ない遠い人だった。この本を読むまでは。
でも、今は違う。
正直なところ、芸術的な細部は難しいと感じたが、岡本太郎を貫くスジは、カッコいいし、その思いは強いが温かい。とても意外だった。元気と勇気ももらえた。
現代社会の私たちが知らず抱えている空虚感、
『自分の生活と働くことの関係、つくるという初原的なやろこびと現実の労働とのくいちがいからくる一種の絶望感。それが今日の不幸だ。・・・社会生活のなかで自発性を失い、抑えられている創造欲がなんとかして噴出しようとする。だれもがそういう気持ちをもっているはずなのに -
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Posted by ブクログ
正直、「自分の中に毒を持て」の二番煎じ、岡本太郎ファンを釣る作品くらいの気持ちだった。
だから、買わないつもりでいたが、なんとなく気持ちも、弱っていたし買ってみた。
上のように書いたが、とはいえ、やっぱり岡本太郎の文章である。
ただ読んでいるだけで、本当にパワーが湧いてくる。
最後の巻末の言葉
構成社者の平野暁臣さん
「"キミはキミのままでいい。弱いなら弱いまま、誇らかに生きてみろよ"そう言っているだけです。
そうやって生きたのが岡本太郎なのです。」
最後にこの文章を読むと、岡本太郎が、「弱くても、弱い事を分かって我を貫く、そこにパワーがある」という事を言っていた事が思