岡本太郎のレビュー一覧
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あなたはあなたのままで良いと強く背中を押してくれる本だった。10代や20代のうちに読んでおいて心の隅にでも岡本太郎さんの言葉がストックできていれば、その後の人生の至る所で素敵な考えや想いにぶち当たることができるような気がする。
この本では周りを気にせず、心のままに絵を描く大切さを説いている。読んでいて保育所のお絵描きの時間に「見たまま真似して描かなくても良い」「感じたまま描きたい色で描けば良い」と先生が教えてくれた事を思い出した。その教えが自分の自信となり、気持ちを素直にぶつける心地よさを教えてくれたのだと今にして思う。先生には感謝したい。 -
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川端康成「この本はいいねえ、沖縄に行きたくなった」
三島由紀夫「内容といい、文章といい、これこそ文学だ」
大阪万博の太陽の塔で有名な岡本太郎が本土復帰前の1959年に沖縄を訪れ、沖縄の持つ魅力と潜在的課題を見事に予見した「沖縄文化論」。
本土に何かを要求する前に、自分たちはこうなりたいという強い思い無くして、沖縄の豊かな未来像は描かれない。(「本土復帰に当たって」1972年)
沖縄戦:大日本帝国軍人の神懸った軍人精神の虚勢に自らを縛り、惨憺たる無意味な破局を眺めながら、虚栄の中に、反省もなく、「帝国軍人らしく」自刃した。旧日本軍の救いがたい愚劣さ、非人間性、その恥と屈辱を、私は嫌悪する。島民 -
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Posted by ブクログ
岡本太郎の見た時代の日本と、現在の日本のあり方があまりにも経年して(60年程度だが)変わっただけに、岡本太郎の言い分をそのまま飲み込むには難しかった。
当時は当時なりに、まだ原初の生活芸術みたようなものの痕跡が見出されたのではないかと想像するが、現在のあまりに画一化された上にも新たに画一化され続けている私たちの生活圏では、岡本太郎の見出した芸術も古典に近い。
今に残る民芸も、実生活から遠のいた懐古的な芸術やセンスの良い趣味になりつつある。
しかし、だからこそ現代における「第一級の芸術」は何か、そんなものあるのか、と見回してみるのも面白いかもしれない。 -
Posted by ブクログ
岡本太郎の文章って、よくわかんないんだけど、なんかパワフル。読み終わってから頭の中で反芻しても、けっきょく何だったっけ?となる。 でもその熱だけは胸に残る。
巻末の解説によると、岡本太郎は「芸術はうまくあってはならない、きれいであってはならない、心地よくあってはならない」という三原則を唱えていたらしい。
そんなものを凡人は芸術とは呼ばない。天才は感受性が違うらしい。
冒頭は70年代のインドの旅からはじまる。この章が太郎の感性がもっとも敏感になり、躍動している。彼の美意識がよくわかる。静的できれいなものには目が向かない。暴れまくって猥雑なものに生命力を感じている。ガンジス河の川