岡本太郎のレビュー一覧
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岡本太郎と、その秘書であり養女であり伴侶だった岡本敏子が、人どうしの愛について語った言葉を方々から集めたもの。「芸術は爆発だ!」よりよっぽどいい言葉がたくさん詰まっている。
総じて、太郎より敏子の言葉のほうが熱くて、そして胸を打つ。愛している自信にあふれている。太郎のことを「好き!好き!好き!」「愛することができて幸せ!」「いとおしい」といった思いがほんの一言からバンバン伝わってくる感じ。それに比べると、太郎の言葉は、どこかで聞いたことがある感じ。ちょっと屈折している感じもするな。
これって、やっぱり女性のほうが気持ちの言語化が上手ってことだろうか。稀代の芸術家といえども、言葉のうえでは女性に -
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あっという間に読んでしまった。岡本さんの著書を読んだのは初めてだったけど、絵画だけではなくて文章も魅力的な方だった。
1章青春回想では特に「妖獣」の表現力が恐ろしかった!思わず就寝前の電気を消す瞬間にせず時が凍ったほど。
2章父母を憶うでは両親の馴れ初め、夫婦を超えた人と人、芸術家と芸術家の関係性が興味深かった。この2人の関係性は私の理想とするところに近い。
3章の女のモラル・性のモラルはイチオシだ。岡本さんの時代から今の日本にみられるモラル問題を感じてられたのは驚き。書いてあることも拳をぽんと打ってしまう。何度も読み返したい本だった。
素直に快活に、聡明に自由に精神を解放して生きたい。 -
Posted by ブクログ
ひさしく鑑定家と批評家が混同されています。今日の批評家のほとんどが、批評でなく鑑定をしている。それが芸術的に関わりがあるようにおのれ自身で錯覚し、一般に押し付けているのです。
縄文土器は弥生土器と比べると、非常にはげしく、するどい特徴を持つ。
縄文土器は、実用的な目的だけで作られている訳ではない。たんに美学的意識によって作り上げられたのではない事も確かです。それは強烈に宗教的、呪術的意味を帯びており、しかがって言い換えれば四次元を指し示しているのです。
庭は原始社会では、集団税対の広場でした。庭では活動的な共同生活がいとなまれていたのです。
日本の庭園では、空間の扱い方は絵画的遠近法で -
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岡本太郎のことばをテーマごとにツギハギしたような本。
小テーマごとにまとめられているような内容だったので、途中で話が終わっているような印象をうけた。
そのために、ちょっと物足りない。
引用元の本を読むしかないのかな。
読んでいるうちに、岡本太郎の教養の深さや知性の高さが垣間見えた気がしました。
知識教養を武器にしていないから、話を聞いていてとても素直になれる。
私自身は、小学校からずっと、教師という人の在り方に疑問をもっていました。
褒められているのに、裏になにかあるような感じがして、素直になれなかった。
もちろん、うれしかったんだけど、作られたような感じがして、どうしても学校という環境 -
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ネタバレ自分を見つめる。
このことについて、芸術家・岡本太郎さんが遺している言葉がありました。
自分の姿をありのまま直視する。
それは強さだ。
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すらすらといくらでも溢れ出てきて、
無限につくれるような気がするときもある。
壁にとじこめられて、ニッチもサッチもいかない、
悩めば悩むほどいきづまってしまう、絶望の季節もある。
そういうとき、どうするか。
焦らない。自分と向きあうチャンスだ、と思って
じっくり腰をすえて、自分は本当に何がしたいのか、
見極めることだね。
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Posted by ブクログ
ネタバレメモ
p22 しかし、誰でも、もう一度、無心に空をふりあおいで見るといい。その色は、かつて見た「青」ではないのだ。生まれてきて、いまはじめて発見する輝き。ひろさ。はじめてぶつかる、一回限りの。すると、ああ空が青かった、ということに驚く。
P51 代用の生き甲斐にうつつをぬかして、自分をごまかしてしまうのは空しい。なま身をぶち込み、賭けるのが、人生レースの本当のルールなのだ。
P87 若い人たちにいいたい。ただのなまぬるいサラリーマンになることは容易だ。しかし、そこでは、ほんとうの自分をごまかして、画一化するよりほかはないのだ。それよりも、自分の目、手だけでふれる、だからこそ危険な、道をき