安藤ゆきのレビュー一覧

こういう物語は好きです。
兄と比べられて息苦しい生き方の少年と
天才といわれたバレイの女性が出会って、
地図にない場所　「イズコ」を探す物語。
雲を掴むようで哲学的なセリフが楽しめる。
濃厚なヒューマンドラマでもあって、面白い。

この作品に出会うまでは、安藤先生の作品には関心がなかったけれど、町田くんをきっかけに、昏倒少女や、とってあったザマーガレットの古い切り抜きの連載作品なんかを読み返したくなった。
安藤先生の絵柄の魅力に『町田くん』で気がついた。下町っぽい世界観を感じさせ、居心地がいい。
町田くんの存在をけなす人もいて...続きを読む、その反面、
良さにハッとさせられハートをぶち抜かれる人もいて、
悪い人と良い人の両方が描かれてる所が好きです。

ついにイズコの正体が明らかになりますが、イズコはコハクさんと一緒にいるための大事な理由だからと思っている悠人はコハクさんに伝えられません。

またコハクさんに恋する青石さんも登場し、コハクさんとの時間で見つけた安心できる居場所がいつ無くなってもおかしくないと気づく悠人。

イズコの繋がりがな...続きを読むくても、悠人の素敵な部分をコハクさんはちゃんとわかってるよ〜と言いたくなります。

イズコはどんな場所？コハクさんは、自分は空っぽだから何も思い浮かばないという。悠人は彼女がたくさんのことを犠牲にバレエをしていたことを痛感する。

イズコを探す中で悠人は、自分はダメな人間、コハクさんはできる側のトップなのになんで同じ「人生終わった者同士」と思っていたんだろうと自己嫌悪になる。そ...続きを読むんな悠人にコハクさんが言葉をかける。

優しい優しい物語。

兄は成績優秀、弟はイケメン、どちらとも比較され自分は終わってると思う主人公の悠人。

天才バレリーナと称されるが、全てと引き換えに母親のために才能以上のことをしてきたという琥珀さん。30歳で身寄りも仕事も無くした、一般的には終わってる彼女ですが全然凹みません。

対照的な2人が地図にない場所...続きを読む「イズコ」探しを始めます。家も学校もなんとなく息苦しそうな悠人は、琥珀さんといるとそこに居場所を見つけたような気持ちになります。

2人には自分を見てもらえない苦しさを経験しており、後ろ向きな悠人と前向きな琥珀さんの交流に心温まります。

町田くんの周りの人たちを通して、昔の町田くんが徐々に見え始める巻です。

町田くん家の第六子が誕生。兄弟が多いと不仲にもなりますが、町田くんが兄弟を大事にできるのは母親の妹カズミちゃんの存在があったから。カズミちゃんありがとうと言いたくなります。

また、町田くんに近付くブリっ子女子さくらの...続きを読む出現で、猪原さんとクラスの女子栄さんの距離が近づいていきます。

どの話も優しくて安心して読めます。

優しい物語です。
大きなことは起こらないけど、人との心の交流が暖かくて、読むと安心します。

得意なことがないというけど、人を愛し人からも愛されている町田くん。育ちが良いタイプの子です。

1巻では、人嫌いでほとんど教室に居ないクラスメイト猪原さんが町田くんと出会い、少しずつ変わっていきま...続きを読むす。

町田くんではなく、その影響を受けた人達目線のお話が多いです。
卑屈になった時、町田くんの言葉や行動で自分を振り返り、変えて行ける人達。

愛、ある生活 は読み切りです。
家出した男子を女子が拾うというベタな展開ですが、繊細な心の動きを大切に描けるのが作者の魅力です。

猪原さんの過去が出てきます。切ない。

町田くんが猪原さんは自分とは何の保証もない関係だと気付きます。恋とは何か考え始める巻。

そして新キャラの氷室くんが登場します。外見も良く何でもできるけど、人の心がわからない人で、町田くんと触れることでどう変わるのか見所です。

猪原さんに恋している自分に気づき、嫌われるのが怖いと思う一方で猪原さんの心が欲しいと思う町田くん。

話の最後に猪原さんの名前の秘密もわかります。

読み終わるとささやかな幸せに包まれ、平和だなーと思える作品です。

無能なのになんでみんなに受け入れられるんだ！と言われた町田くん。

町田くんと関わることで、こんな自分なんて…と思っていた人達が徐々に柔らかくなってきます。

猪原さんは妹とは違い気軽に触ってはいけないんだと気づく町田くん。遅い！笑

自分の感情を徐々に理解していきます。