佐伯泰英のレビュー一覧
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内容
文政11年暮れ。雪の降る中、18で男と駆け落ちした鼻緒屋の娘・佳乃が三年ぶりに照降町に戻ってきた。
懐かしい荒布橋(あらめばし)を渡り、町の入り口に立つ梅の木を、万感の思いで見上げる佳乃。
実家の鼻緒屋では、父が病に伏せっており、九州の小藩の脱藩武士・周五郎を見習いとして受け入れていた。
父にかわり、職人として鼻緒挿げの腕を磨く佳乃は、
新鮮なアイデアを出して老舗の下駄問屋の宮田屋に認められ、吉原の花魁・梅香からも注文を受ける。
自分を受け入れてくれた町に恩返しをすべく、日々を懸命に生きる佳乃だったが、駆け落ちの相手・三郎次が
あとを追ってきて――
令和3年5月19日~21日 -
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「居眠り磐音」38巻。
磐音たちが江戸に戻ってきた!
いきなりおこんさんのお腹に2人目が宿っていてビックリです。
帰着早々、両国橋で土子順桂吉成と名乗る武芸者に将来の戦いを予告されたと思ったら、今津屋からの粋なサプライズにより、かつての門弟たちと再会。
その後も、江戸の仲間たちとの再会が待っていて、あちらこちらへ挨拶まわりに大忙し。
おこんさんが生き生きしておりますね。
金兵衛さんに孫を抱かせることができてホッとしたのもあるでしょうが、やはり江戸で生まれ育ったお方、水が合うのでしょう。
久々に啖呵も聞けてうれしかったわ。
おこんさんはこうでなくちゃ!
弥助さんの正体が(姓も)明らかにな -
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「居眠り磐音」37巻、いよいよ打倒ラスボスに向けての準備が始まりました。
江戸では、品川柳次郎の妻お有が懐妊し、さらなるおめでたに喜んでいたら、尚武館佐々木道場の建物が取り壊しに。
たくさんの人たちの協力で立派に増改築された経緯や、その道場(と母屋、離れ屋)で起こった様々な出来事を思い出すと、もう悲しくて切なくてやりきれない。
一方、磐音一行が身を寄せる姥捨の郷では田植えの季節。
空也は日々成長し、辰平と利次郎も仲間入りして、わいわい楽しそう。
空也ちゃんがもうかわいいのなんの!
利次郎のことを「とじろさん」とたどたどしく呼ぶのがたまらんです。
そんなのどかなところに、田沼が放った唐人系 -
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ぬあぁぁぁおもしろすぎるよ「居眠り磐音」ぇぇぇ。
この35巻はまた格別!
星5つじゃ足りないよーぅ。
いろんな種類の涙がにじみました。
哀しみの涙、うれし涙、感動の涙……。
だいぶ笑いもしたけど。
江戸では、御側御用取次だった速水左近が甲府勤番支配に転じるとの話を聞いた由蔵が速水家の屋敷を訪れたり、今津屋に磐音関連の用事で次々と人が訪ねてきたりで、あっちにこっちにと由蔵さん大忙し。
そして金兵衛の大山参りに、幸吉となぜか竹村武左衛門が同道して出発。
この3人だからもう道中は大騒ぎ。
武左衛門のめんどくささが際立つ一方、幸吉の頼もしいこと!
当の磐音たちは、ついに尾張にも田沼の刺客が送り -
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眼科通いも終わり、コンタクトレンズを装着できるようになりました。
普通に目が見えるということがどんなにありがたいことか、わたくし今回改めて痛感しましたよ。
読書好きにはなおさらです。
皆さまもくれぐれも目を大切に。
さて、居眠り磐音34巻。
尾張でひっそりと束の間の生活を始めた磐音たち4人。
合間に江戸の様子も語られます。
幸吉とおそめちゃんも、着実に大人の階段を上っておりますな。
尾張徳川家の細作の家柄である中島氏、尾州茶屋家の営む呉服屋が、いろいろと磐音たちの世話を焼いてくれる。
とくに大番頭の中島三郎清定が良くしてくれて、磐音もお店のトラブル解決を親身に手伝い、ぐんぐん磐音の信用度が -
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「居眠り磐音」31巻と32巻は、「更衣ノ鷹」というタイトルの上下巻になっている。
のが、これまでと違うからドキドキ。
いったい何が起こるのかと。
29巻にて盲目の老剣客の手を引いて現れた孫娘、丸目歌女の妖気が、この31巻全体に漂っている。
いよいよ来てますよ。
田の字の魔の手が。
小田平助も、歌女の放つ夢か現か判然としない刺客たちと2度も戦うことに。
そんな中、かつて父親が尚武館の門弟だったという羽根村金次郎が入門してきたが、本来の力を出し切っていないと感じる磐音と平助。
何かいわくがあるのか。
一方、剣術修行の旅に出ている松平辰平、福岡へ。
すると磐音とおこんの名を耳にし、感激する -
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「居眠り磐音」、30巻!
気がつけばもう半分過ぎてる。
あと21冊読むと終わりかぁ……。
あっという間だなぁ。
父とともに旅に出た利次郎、ついに高知入り。
父の帰国には実は密命があり、それが元で利次郎も藩の騒動に巻き込まれてゆく。
だが、尚武館での厳しい稽古と磐音の教えが役に立ち、利次郎、大活躍。
年末、尚武館では餅つきが行われた。
そこへ、旅の武芸者、槍折れの小田平助が現れる。
棒術の腕前はもちろん、餅つきや薪割りの腕前も良く、人柄も良い。
そこで磐音が願い、このまま尚武館に居候することになった。
金兵衛、風邪で発熱。
磐音とおこんが看護に行くと、かつて磐音が住んでいた部屋に浪人夫婦が -
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江戸から長い船旅を経て関前に着いた磐音とおこん、プラス痩せ軍鶏辰平。
以外とこの辰平の存在が心強くて、かわいらしくもあり、今回かなりポイント上がりました。
磐音の両親、妹伊代と嫁ぎ先の井筒家(源太郎&遼次郎兄弟が良き!)、中戸道場の面々といった懐かしい顔との再会、そして今は亡き幼なじみ3人の墓参り……。
今津屋夫妻の心遣いにじんわりし、ちと江戸が恋しくなったりしながらも、目の前には関前の海が広がり、白鶴城が聳え、白萩が咲く。
こんなに素晴らしいところでも、悪だくみする輩はいるもんで、過去の「宍戸文六騒乱」と「利高もの狂い」に並ぶ藩騒動が起こってしまう。
もう、この1冊を読む間、何 -
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いろんな意味で激動の20巻。
磐音が宮戸川を辞し、豊後関前から到着した千石船で父正睦からの返書が届き、19巻で襲われた場所で再び刺客が現れ斬り合いになり、その刺客の調べを進めていた木下一郎太に危機が迫り、江戸の荷を積んで関前へ戻る御用船に乗っておこんさんも連れて帰省することになった磐音。
濃い! 1冊が濃すぎる!
でもするすると自然に話が進んでいくから、始めから終わりまでの時間の経過が半端なくて、読み終えてふっと現実に戻ると呆然としてしまう。
いやぁ……おもしろい。
なんでこうも次々とアイディアが浮かぶのか、本当にすごいです、佐伯さん。
江戸から瀬戸内までの船旅は、もう一気読み。
グイ -
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読み始めたときと読み終えたときの感情がこんなにも違う一冊は初めてかも。
始め、磐音は今津屋の祝言やら佐々木道場の改築話(とそれにまつわるひと騒動)やらでいつもの面々と忙しく駆け回りつつも、心の奥では前巻からの哀しみがまだ色濃く残っているのが伝わってきて、こちらも胸が痛むほどだったのだが、読み終えた今、もう、幸福感であふれております。
ほんっとに美しい光景。
二人の幸せがこんなに私をも幸せな気分にしてくれるとは。
あぁぁ良かったなぁ。
16巻の感想に書いたことは、やはりそのとおりだったと確信。
今後がまた改めて楽しみになってきた!
ところで、本巻の竹村武左衛門、良かったわ。
涙を流して磐音 -
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いよいよ出発、日光社参!
将軍家治組、隠密旅の家基組、由蔵も奮闘する出納方、悪事を企む田沼組、陸奥黒石藩の行列に雇われた竹村武左衛門、それに、品川柳次郎はじめ佐々木道場の面々も詰める江戸の今津屋と、もうあっちもこっちも気になって。
そうそう、奈緒を追って旅した長崎で出会った、富山の薬売りの弥助と再会し、磐音の機転で道中の情報集めに走り回ってもらったりも。
いやぁ、やっぱりいい話だなぁ。
福坂実高と坂崎正睦の、将軍家治との奇跡のご対面、それと、磐音と家基の心の触れ合いに、もう胸が熱くなってしまい、じーんと涙ぐんでしまった。
そしてそして、外伝『武士の賦』で読んだ雑賀衆霧子が、やっと登場! -
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うぅぅぅ、今回はいろいろと泣かせられた。
居眠り磐音、最高。
この素晴らしいシリーズを読むことができて、本っ当に幸せ。
先日夜に読んだときには、幸福感で満ち足りた気持ちで眠りについた。
最近ではあまりに入りすぎて、気づくと「今ごろ磐音は……今津屋では……」とか想像していて、ハッと我に返り「あぁそうか今は江戸時代じゃなかった」と思って寂しくなるくらい、現実が揺らめくときがある。
ええ、重症です。
谷中日暮里界隈の隠居所を狙う強請り事件、おそめちゃんの奉公先探し、長崎の阿蘭陀商館長フェイトとツュンベリー医師の上府、将軍家の日光社参の準備、おこんを連れての父正睦との再会など、本巻も夢中で読んだ