あらすじ
旅の空にある磐音らの無事を祈りながら暮らす江戸の面々。
御典医の桂川甫周を妻のお有とともに訪ねた品川柳次郎は、磐音から書状が届いたことを聞かされる。
しかし、その帰路、尚武館佐々木道場が取り壊される現場を目の当たりにするのだった。
姥捨の郷で空也の成長を見守る磐音。
江戸帰還を決意し、その大きな障壁である田沼一派の唐人刺客を倒すため、迫る戦いに備えるが……。
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Posted by ブクログ
「居眠り磐音」37巻、いよいよ打倒ラスボスに向けての準備が始まりました。
江戸では、品川柳次郎の妻お有が懐妊し、さらなるおめでたに喜んでいたら、尚武館佐々木道場の建物が取り壊しに。
たくさんの人たちの協力で立派に増改築された経緯や、その道場(と母屋、離れ屋)で起こった様々な出来事を思い出すと、もう悲しくて切なくてやりきれない。
一方、磐音一行が身を寄せる姥捨の郷では田植えの季節。
空也は日々成長し、辰平と利次郎も仲間入りして、わいわい楽しそう。
空也ちゃんがもうかわいいのなんの!
利次郎のことを「とじろさん」とたどたどしく呼ぶのがたまらんです。
そんなのどかなところに、田沼が放った唐人系図屋雹田平一味が、ひたひたと忍び寄ってくるのです。
磐音は、逃げてばかりもいられないと、江戸に戻ることを決意。
その磐音の「一矢報いる秋(とき)が参った」の宣告にはシビれました。
そりゃタイトルにもなりますわ。
今回は、品川柳次郎の意外な一面を見て呆れ、小田平助の活躍に歓喜し、磐音たちの「これぞ“ONE TEAM”」な戦いっぷりに血がたぎった一冊でございました。