あらすじ
坂崎磐音の父で豊後関前藩家老の正睦は、日光社参の無事を祝って城中で催された猿楽に異例の招きを受ける。
背景には、磐音と将軍家との秘められた交わりがあった。
数奇な運命を生きる息子の江戸での暮らしに想いを馳せる正睦は、金兵衛とおこん親子との対面も果たしたが、その帰路、何者かに襲われる。
それは、関前藩の新たな病巣を斬るときを意味していた――。
磐音は、父を暗殺の危機から護れるのか!?
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Posted by ブクログ
日光から江戸へ帰ってきても大忙しの磐音。
父正睦から「虚け者」の始末を依頼されたり、幸吉が宮戸川から姿を消した騒動が、11年前の桔梗屋七人惨殺事件と関わりがありそうな状況になってきたり、南町奉行所から頼まれて甲斐の市川陣屋から罪人を江戸まで連れ帰る羽目になったり、今津屋に来ていた虫売りに抱いた違和感がどうにも拭いきれなかったり。
そんな中、当人どうしではまだ直接ハッキリと話していないうちに、磐音とおこんさんがいつの間にかほとんど公認の仲ですわ。
ここまで周りから固められちゃあ、ねぇ。
でも、
(おこんが磐音の手首に爪を立て)
「痛うござる、おこんさん」
「いいの、私が見合いしても」
「それはちと困る」
「ちと困るだけなの」
「大いに困る」
もうこの会話がかわいくてかわいくて。
この2人ホント好き。
てことで本巻もおもしろかった!
ミステリっぽくてハラハラドキドキしたし、船上戦は大迫力で手に汗握ったし、夜盗一味を囲む佐々木道場の猛者たちがめちゃカッコよくてシビれたし、幸吉とおそめちゃんが、磐音とおこんさんをちっちゃくしたようなカップルでかわゆいし、もう、佐伯さん、あっぱれでこざいやす。