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Posted by ブクログ
「居眠り磐音」50巻です。
前巻から5年後の寛政5年(1793)、坂崎空也は14歳。2年前から尚武館での稽古が許されています。尚武館、そして坂崎磐音の後継としての自覚も芽生えてきて、心身ともにかなり頼もしくなってきました。
空也がここまで成長しているということは、周りも等しく歳をとっているわけで、多くの登場人物が家族のように思えるこの物語の中で、加齢による衰えを見せる人物がいると、やっぱり寂しくなっちゃいますね……。
本巻のメイン・イベントは、なんといっても、磐音と空也父子が第11代将軍家斉からの呼び出しを受けてからの一連の出来事でしょう。依田鐘四郎が〈片手で両眼を覆った〉とき、彼の思いがどっと押し寄せてきて、私の目にも涙がにじみました。これぞまさしく、感無量。
それから、尚武館のわんこがなんと3匹に! 小梅が牡を2匹産んだそうで、名前は白山から取ってシロとヤマ。この子たちが登場するたびに、わたくし、もれなくとろけております。
そしてもうひとつ、かつて私が惚れたあのお方が、尚武館に戻ってきてくれてうれしい! こっ、この人は、もしかして……あの方では……? やっぱりーーーーーっ‼︎ とめっちゃテンション上がりました。
長く楽しませてもらった大好きなこの物語も、あと1冊で終わりかぁ……と思うと胸がギュッとして寂しくなるけど、そのあとに、空也を主人公にした「空也十番勝負」というシリーズがあるので(こちらも「決定版」として同じ文春文庫から刊行中)、そっちできっとまたみんなに会えると信じています。