佐伯泰英のレビュー一覧
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ネタバレ佐伯泰英「助太刀家業(ニ) もどき友成」(2024年8月文庫本書き下ろし)
一巻で助太刀家業をしながら武者修行の旅で豊後国(九州の大分あたり)から大坂、京へと渡った神石嘉一郎は目指した江戸を前にして小田原の直心影流長沼道場で稽古をする。滞在を請われたが何か応対が気に掛かったので辞去し、江戸へ向かうと川崎宿で毛利助八郎が待ち構えていた。何と安易な再会である。もっと劇的な再会を想像していたので肩透かしな感じで、自分勝手で横柄な立ち振舞いも変わっていない。
もうこの御仁との関わりには感動的なことは期待出来ないと判り、嘉一郎の前から完全に消えて貰って結構と思いながら読んでいくことにしたのだが、その助八 -
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ネタバレ佐伯泰英「助太刀家業(一) さらば故里よ」(2024年7月文庫本書き下ろし)
時は1820年10月、主人公は九州の佐伯藩毛利家の家臣(神石嘉一郎、23歳)。貧乏侍ながら剣の腕は三神流の遣い手で右に出る者はいない。その神石嘉一郎が藩上役の不正の罪を被せられ、逃れるために脱藩して一人大坂への武者修行の旅に出る。
その嘉一郎を追ってその旅に同行を強いて来たのが、毛利家の妾腹の三男で若様とは呼ばれずに“ワの字”と馬鹿にされて呼ばれる(毛利助八郎、19歳)で、嘉一郎と同じ道場の門弟仲間でもあった。佐伯藩には自分の居場所はないと考えての脱藩だが、路銀の代わりに毛利家の宝である銘刀“古備前友成”を持ち出し -
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ネタバレ感想
居眠り磐音と空也十番勝負が完結し、とても楽しませてもらった。今後は、筆者の感じる老いとリンクさせて、磐音の晩年を書きたいとあったが、これもまた楽しみ。
作中での磐音の役割はもはや代読のみ!?手紙の度に呼び出されるみんなも大変。
最後の勝負の割に、彦次郎との対決は意外に呆気なかった。利次郎はどんだけ休めるねん、眉月は姫様ながらお供を従えず長旅などツッコミどころ満載だが、シリーズが無事終えて良かった。
あらすじ
空也は近江の茶屋で出会った京都の商人と一緒に大和まで行くことにした。その道中、柳生の庄により将軍家師範として名高い正木坂道場に立ち寄る。最初は道場の威勢に圧倒されたが、そこは他