佐伯泰英のレビュー一覧
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2004年2月、酔いどれ小籐次シリーズが始まり44巻をもって完結
酔いどれ・赤目小籐次の旧主豊後森藩主の久留島通嘉がこぼした・・・一国の主なれば居城が欲しいのう、の一言で物語は始まる
登城時に大名四家の「城なし大名」との蔑みに森藩下屋敷厩番にすぎぬ赤目小籐次の意趣返し「大名四家の行列から御鑓先を斬った=御鑓拝借」がラストは城持ちを夢見た藩主の心の隙に付け込んだ国家老の策謀で、森藩はお上に隠れて居城道楽、お取り潰しの危機にあった
小籐次がおりょうや新たな娘薫子なる家族と共に次世代の駿太郎に希望を持たせた終わり方になりました
この物語は酔いどれ小藤次のビッグネームが膨れ上がり、事件は何もしなくて -
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文庫書下ろしという時代劇。娯楽小説だ。
新酒を西宮から江戸に運ぶ船のレースを行い、一位の船が販売特権を得るという設定である。本当にそのようなことがあったのかは調べていないが、危険を冒して商業上の権利を競うという考え方は現代に通じる。
主人公は杜氏の次男であり、将来は長男の補佐として生きる運命を持っていた。さらに内心深く想う幼馴染の少女が兄のもとに嫁ぐという事態となり、人生のあり方を考えるようになっていく。そして新酒を運ぶ船に密航する。
この主人公は身体能力が極めて高く、家族の秩序に従順であり、航海への適応力も極めて高い。この小説の魅力であり、また欠点でもあると思われるのはこの主人公の万 -
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新・酔いどれ小藤次シリーズ最終巻、完結。
あの『御槍拝借』の事件の元となった控えの間の騒動。
森藩、藩主の城を持ちたいと言う願望は潰えルコとなく、今の今まで続いていたのだった。
藩領を海から山へと配置換えがあった当時からお留山と呼ばれ、維持管理だけが許されていた場所に、藩主廃止を積み上げ城の基盤を作っていた。
その出費を贖おうと、国家老は御法度の密輸入をしてた大な財産を作り、もはや藩の中で、どちらが藩主だかわからない横暴を重ねていた。
その改革。そして藩主を説き伏せ城を断念させる。
最後の大きなご奉公を成し遂げ、江戸に戻り新兵衛の弔いをする大円団。 -
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「空也十番勝負」の6巻は、五番勝負での中断後、3年ぶりの新作です。
薩摩示現流の武芸者酒匂太郎兵衛との勝負で、空也は瀕死の重傷を負い、意識を失ってしまいました。そんな空也の世話を懸命に続ける長崎会所の高木麻衣のもとに、高麗人の剣術家李遜督が訪ねてきます。二日間空也と二人だけにしてほしいと言われ、不安を抱きつつも受け入れた麻衣。いったい部屋で何が行われるのか。
いやはやこれは、シリーズ再開一発目にふさわしい、驚きの展開。空也のセリフを借りれば、「なんとなんと」ですよ。後半は、まるで映画を見ているようでした。いろいろと語りたい感想はあるのですが、グッとこらえて書かずにおきます。
「終章」