真藤順丈のレビュー一覧

  • 夜の淵をひと廻り

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    短編で読みやすく、どの話も面白い。どんでん返し系の展開が好きなので、そうした話も入っていたのが嬉しい。目を背けたくなる暴力的描写もしばしばあったが、そこはさっと読み飛ばした。
    独特の文体、主人公・シド巡査の独特の話し方から、最初シド巡査をちょっと頭がアレな感じのヤバい人だと思っていた。実際ヤバい人ではあるのだが、人情味のある優秀な警官だった。他の登場人物のキャラも立っていてgood。

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    2023年07月17日
  • 地図男

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    関東の至る所に出没する、物語を語りながら地図帳の至る所にそれを書き込んでいく謎の男の話。

    とにかく読ませる勢いのとてつもなく「強い」本。なんてパワフルな語り口なのだろう。

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    2023年05月24日
  • 墓頭

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    ☆4.0

    生まれながらに頭に大きな瘤を持つ男は、戦後のアジア各地で都市伝説のように「墓頭(ボズ)」の名を裏社会に刻みながら時代を駆け抜けた。
    その瘤は産まれそこねた双子の兄弟の体を包含し、その死体を墓として呪いのようにボズを"自ら以外の周囲の死"に呪縛し続ける。
    彼の人生は瘤の死体を取り除くという命題に縣けられていた。
    周囲の人物たちに死をもたらすのは、自分が墓である―頭の瘤に死体がある―ためだと考えていたからだ。

    死んだ友人の伯父に支援され、異能を持つ子どもが集まる「白鳥塾」に滞在した間も、子どもたちからでさえ特殊な存在として捉えられていた。
    この白鳥塾でのいくつもの

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    2023年04月07日
  • 宝島(上)

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    当時の沖縄にいた戦果アギャー、グスク、レイ、ヤマコ、そしてコザの英雄オンちゃんを中心としたミステリー。実際あった事件や人物も登場し、語り部(ユンター)を通した第三者目線から語られるストーリーは非常に新鮮に感じた。本土と沖縄の人の間にある意識の差など、沖縄問題に揺れる今だからこそ読むべき一冊だと感じた。

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    2022年09月18日
  • 宝島(上)

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    沖縄の方言や独特の言い回しが多く、読みにくい
    シナリオも正直微妙
    沖縄の戦後史を知るという意味では非常に良い作品だと思う

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    2022年09月04日
  • 畦と銃

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    「おれらの朝はばか早い。」

    のっけの一文でもう心を掴まれた。
    ミナギという村に暮らす人々の話である。

    タイトルと表紙からすると銃をぶっぱなして戦う西部チックな物語のようだが、想像とは全然違うものだった。
    鮮やかに輝く田園風景や、山を包み込む木々の青さ。
    ミナギで暮らす人々の顔が映画のように頭に浮かぶ。
    心温まる農業の話とも取れるが、想像とは違うものの物騒である事には変わりはなかった。

    何章かに分かれていてそれぞれの主人公は違うものの、読み進めていくとすべてが繋がる気持ち良さ。
    オチも無理矢理感がなく心地よく読み終える事が出来た。
    少し難点なのがミナギの人達の言葉がかなり訛っており会話文が

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    2022年06月26日
  • ものがたりの賊

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    序章ともいうべき「ある寵児」がそれっぽい文体だなあと思ったらそのままだったわけで。
    で、本編はじまったら・・なるほど。そういう。文学界のオールスターというかアベンジャーズというか。と、盛り上がってみたら別にその部分はネタバレでもなんでもなくて公式でちゃんと書かれてるんですね。
    いいですねえ。お祭り騒ぎというかエンターテイメント色がそれはすごいことに。
    まあ竹取物語と源氏物語は別にすると、基本的に日本の近代文学の面々なわけで。半分・・・も読んでないからなあ。読んでいたら「あのあいつがここに!?」とかいろいろ楽しめたんだろうなあ。まあ読んでなくても大体のあらすじやさわりくらいは知っていたりするので

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    2022年03月10日
  • ものがたりの賊

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    錚々たる日本文学の登場人物たちが織り成す冒険活劇譚。大震災による被害に打ちひしがれた帝都でひそかに進められているらしい謎の陰謀。暗躍する怪人たちと、恐るべき感染症。それに立ち向かう竹取の翁率いる「血の恩寵」による一派は、あまりにも有名なあの人たち。個々の能力を駆使し強大な敵と相対する彼らの姿は実に痛快です。特に能力としてはどうなのかと思うけれど、坊ちゃんの「無鉄砲」がひたすらにカッコよかったり。六条院の秘められた能力も凄いなあ。単なる色惚けの公卿ではなかったのか(笑)。
    案外と有名だけれど読んでいない文学も多いですが、ざっくりと知っているレベルでも充分に面白い。きちんと注釈がつけられているので

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    2021年12月28日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。
    父の七回忌を機に、長男、正太郎のもとに久々に集まる次男の久就と三男の毅巳。
    「遺工」で創りだされるのは、櫛や茶碗や箸、財布などなど、日常的に目にする身近な物ばかりだ。
    最近では、遺骨をダイヤモンドに加工する技術もあるのだから、近い将来は箸や茶碗に姿を変えていつでも家族を見守ることが出来る、なんてことがあるかも知れないな~。
    ある事件をきっかけに三人で最初で最後の仕事をすることになる。
    解体シーンは、なかなかのスプラッター激しめでグロだが、グロ以上に三兄弟のキャラクターに愛着がわいてくる。
    この感じはグロの巨匠平山夢

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    2021年09月11日
  • われらの世紀~真藤順丈作品集~

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    短編集。戦時中の物語もあり、全体的に陰湿で薄暗い話が多いから低評価なのかな。

    個人的には好き。多様な言葉で紡がれる独創性の高い世界観にいつのまにか夢中にさせられる。真藤順丈という人間が全く掴めないし、飽きない。

    明るく幸せでハッピーエンドな話なんて読みたくない私にはどストライク。

    この一冊で著者の高い能力と著者が生み出す独特の空気感を感じることができる。おどろおどろしていて触りにくいが、一度触ると中毒性が高い。また他の著書にも、おそるおそる触りに行きたくなる。

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    2021年08月28日
  • われらの世紀~真藤順丈作品集~

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    レディ・フォックスがわかりやすい。難解だが放り出せない作品ばかり。正直言って疲れた。
    宝島のような爽快感を味わいたいわ。

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    2021年08月16日
  • 地図男

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    本の中で紡がれるまた別のストーリー。地図男の謎。引き込まれて読み進めた。

    地図男が結局何者であるかは分からずじまい。「俺」も誰かわからない。唐突に始まるまた別のストーリー。

    これまで読んだどんな本とも異なるストーリーが紡がれていく。

    ああ、この作者すげぇなぁと思う。よくわかんないけど、おもしろい。この独特な世界観にもっと浸かっていたい。

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    2021年08月02日
  • 緊急事態下の物語

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    コロナ本がたくさん出てきたが、今まで読んだ中で1番コロナ禍という感じだった。
    2度見をした。すごいなぁこのママ。
    パパがいるのに彼氏がいるの?え?
    で、彼のところに行くために
    夕ご飯と明日のお弁当を作って、夕方さっさと出かけていく。
    SNS上でケンカする友達のお父さんとお母さん。
    イーイーさんの友達のお父さんがコロナで死んでお葬式も普通にできなかった。
    日本に来んなよって外国人差別をされる。
    ママの彼がコロナ陽性になって、ママは濃厚接触者でPCR検査。
    で、とりあえず学校休んでと娘に言うママ。
    日曜日はバスケの大会なのに。
    よその男と遊んで濃厚接触したママのせいで全部ぶち壊される私の気持ちは?

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    2021年07月10日
  • 夜の淵をひと廻り

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    クセ強めだけど、私は かなーり好き。シド巡査にもう会えなくなるのかと思うと、読み終わるのがさみしかった。

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    2020年11月05日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    いまや直木賞作家となった著者の手による初期作。ホラー大賞受賞だから、それなりのクォリティは期待できるけど、本作もなかなか。読み始め、死体損壊のグロいだけの物語かと思ったら、なかなかそうは問屋が卸しません。さすがというべきか、読み始めの印象とは違う展開を見せ、何だか芸術の域にまで上っていく。グロテスクだけど不思議な印象の佳作。

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    2020年07月28日
  • 黄昏旅団

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     著者の小説は以前に「地図男」を読んだ。
     地図を小脇に抱え、土地の物語を紡ぐ男の話だった。

     本作は地図男を思い出すロードムービーだ。
     浮浪者仲間の中年男タイゼンと、若いグンは、最近になって浮浪者の仲間入りをした小学生のマナブの家族を追って、丹沢の施設に潜入した。
     そこには、息子を置き去りにした父母と娘が入所しているはずだった。
     何も知らないグンは、ここで初めてタイゼンの”歩き手”としての能力を知る。

     ”歩き手”は、人の人生に続く一本の道を誕生から現在までを追体験して歩く力を持つ。
     マナブの父の人生からは、幼少期の虐待を受けたが、それを克服して妻と結婚し、息子と娘が生まれたが、

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    2020年05月24日
  • 地図男

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    地図を片手に街を歩く放浪者。
    その中に書き込まれた壮絶な物語たち。
    もっともっと地図の中の物語を読みたい気持ちでいっぱい。
    そして、何者だろうか???
    あとがきに書いてあったけど…地図男自身のエピソードも入れたかったそう。
    ぜひぜひ読みたかった。

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    2019年10月30日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    少なくとも私の基準の中では、"ホラー"、という要素は微塵も感じられないので、受賞に限って言えば、それがふさわしいかと訊かれると甚だ疑問だが、とても"上手い"小説であることは間違いない。
    "遺工師"なる架空の職業を創り上げ、出てくるキャラクターはブッ飛びまくり、そして思わず顔をしかめてしまうドぎついスプラッター描写がてんこ盛り、と、これだけ見ればどこにも着地できない迷い子になってしまってもおかしくない設定だが、そこにきっちり家族の絆といったベタなドラマも放り込みながら、作品として見事に昇華させている。
    死体をバラしていく工程のディテール

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    2019年04月12日
  • 墓頭

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    物凄く奇妙な物語。死んだ双子の兄弟を頭のこぶの中に持つ墓頭。墓頭の孫が自分のルーツを辿るため、怪しい探偵・新実に墓頭の捜索を依頼する。

    紡ぎ出される墓頭の数奇な運命とグロテスクな描写。読後のスッキリ感は無いが、兎に角、奇妙な物語。

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    2015年12月12日
  • しるしなきもの

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     しるしなきものに、何処まで連れて行かれるんだろうか。

     最初のページからの疾走感はすごい。出てくる登場人物が大抵濃い。こんなに濃い人を使い捨てか!と叫びたくなる油断できなさである。贅沢だ。

     そうして最後まで読み終えると、うわーってなる。しるしなきものに着いてきてよかったと。

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    2015年06月20日