真藤順丈のレビュー一覧
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序章ともいうべき「ある寵児」がそれっぽい文体だなあと思ったらそのままだったわけで。
で、本編はじまったら・・なるほど。そういう。文学界のオールスターというかアベンジャーズというか。と、盛り上がってみたら別にその部分はネタバレでもなんでもなくて公式でちゃんと書かれてるんですね。
いいですねえ。お祭り騒ぎというかエンターテイメント色がそれはすごいことに。
まあ竹取物語と源氏物語は別にすると、基本的に日本の近代文学の面々なわけで。半分・・・も読んでないからなあ。読んでいたら「あのあいつがここに!?」とかいろいろ楽しめたんだろうなあ。まあ読んでなくても大体のあらすじやさわりくらいは知っていたりするので -
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錚々たる日本文学の登場人物たちが織り成す冒険活劇譚。大震災による被害に打ちひしがれた帝都でひそかに進められているらしい謎の陰謀。暗躍する怪人たちと、恐るべき感染症。それに立ち向かう竹取の翁率いる「血の恩寵」による一派は、あまりにも有名なあの人たち。個々の能力を駆使し強大な敵と相対する彼らの姿は実に痛快です。特に能力としてはどうなのかと思うけれど、坊ちゃんの「無鉄砲」がひたすらにカッコよかったり。六条院の秘められた能力も凄いなあ。単なる色惚けの公卿ではなかったのか(笑)。
案外と有名だけれど読んでいない文学も多いですが、ざっくりと知っているレベルでも充分に面白い。きちんと注釈がつけられているので -
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死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。
父の七回忌を機に、長男、正太郎のもとに久々に集まる次男の久就と三男の毅巳。
「遺工」で創りだされるのは、櫛や茶碗や箸、財布などなど、日常的に目にする身近な物ばかりだ。
最近では、遺骨をダイヤモンドに加工する技術もあるのだから、近い将来は箸や茶碗に姿を変えていつでも家族を見守ることが出来る、なんてことがあるかも知れないな~。
ある事件をきっかけに三人で最初で最後の仕事をすることになる。
解体シーンは、なかなかのスプラッター激しめでグロだが、グロ以上に三兄弟のキャラクターに愛着がわいてくる。
この感じはグロの巨匠平山夢 -
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コロナ本がたくさん出てきたが、今まで読んだ中で1番コロナ禍という感じだった。
2度見をした。すごいなぁこのママ。
パパがいるのに彼氏がいるの?え?
で、彼のところに行くために
夕ご飯と明日のお弁当を作って、夕方さっさと出かけていく。
SNS上でケンカする友達のお父さんとお母さん。
イーイーさんの友達のお父さんがコロナで死んでお葬式も普通にできなかった。
日本に来んなよって外国人差別をされる。
ママの彼がコロナ陽性になって、ママは濃厚接触者でPCR検査。
で、とりあえず学校休んでと娘に言うママ。
日曜日はバスケの大会なのに。
よその男と遊んで濃厚接触したママのせいで全部ぶち壊される私の気持ちは? -
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著者の小説は以前に「地図男」を読んだ。
地図を小脇に抱え、土地の物語を紡ぐ男の話だった。
本作は地図男を思い出すロードムービーだ。
浮浪者仲間の中年男タイゼンと、若いグンは、最近になって浮浪者の仲間入りをした小学生のマナブの家族を追って、丹沢の施設に潜入した。
そこには、息子を置き去りにした父母と娘が入所しているはずだった。
何も知らないグンは、ここで初めてタイゼンの”歩き手”としての能力を知る。
”歩き手”は、人の人生に続く一本の道を誕生から現在までを追体験して歩く力を持つ。
マナブの父の人生からは、幼少期の虐待を受けたが、それを克服して妻と結婚し、息子と娘が生まれたが、 -
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2015年、6冊目。
真藤順丈初読み作品。
第15回日本ホラー小説大賞受賞作。
遺体を用いて生活用品を創る「遺工士」という架空の職を生業とする「庵堂家」の男三兄弟の物語。
家業を継いだ長男。家を出、東京でサラリーマン生活をおくる次男。知人の葬儀会社で働くも、暴力衝動を抑えきれずにいる三男。三人は先代である父の七回忌を前に、久々に顔を揃える。
コレを
「ホラーか?」と問われれば。
「No!」と答えるでしょう。
「では、何か?」と質問を重ねられたら。
「エンターテイメントなヒューマンドラマだ!」と答えるでしょう。
「遺工士」という職業柄、スプラッター場面は度々出てくるが、ソレがメインで話が展開して -
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公共の場でいきなり読む場合は、注意が必要です。
きをつけてくだちい。
主人公は宇宙飛行士のナガトモ。犯罪者の彼が宇宙で出会ったのは岸本。それをきっかけに、ナガトモはガンツに巻き込まれてしまうのです・・・。
スピンオフということですが、自分は漫画のGANTZも読んでいます。細かい設定は失念していましたが、こちらのEXAでもオリジナルの設定はもちろん踏襲しているわけで。原作を知っているほうが愉しいかと思います。というか、そうじゃないと読まないだろ。
ストーリーはなかなかスピーディーに展開します。
かなり、さらりと読めました。
ちょっと物足りないくらいかな。ぽんぽん進み過ぎて、もう少し丁寧に描写し