真藤順丈のレビュー一覧

  • ものがたりの賊

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    序章ともいうべき「ある寵児」がそれっぽい文体だなあと思ったらそのままだったわけで。
    で、本編はじまったら・・なるほど。そういう。文学界のオールスターというかアベンジャーズというか。と、盛り上がってみたら別にその部分はネタバレでもなんでもなくて公式でちゃんと書かれてるんですね。
    いいですねえ。お祭り騒ぎというかエンターテイメント色がそれはすごいことに。
    まあ竹取物語と源氏物語は別にすると、基本的に日本の近代文学の面々なわけで。半分・・・も読んでないからなあ。読んでいたら「あのあいつがここに!?」とかいろいろ楽しめたんだろうなあ。まあ読んでなくても大体のあらすじやさわりくらいは知っていたりするので

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    2022年03月10日
  • ものがたりの賊

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    錚々たる日本文学の登場人物たちが織り成す冒険活劇譚。大震災による被害に打ちひしがれた帝都でひそかに進められているらしい謎の陰謀。暗躍する怪人たちと、恐るべき感染症。それに立ち向かう竹取の翁率いる「血の恩寵」による一派は、あまりにも有名なあの人たち。個々の能力を駆使し強大な敵と相対する彼らの姿は実に痛快です。特に能力としてはどうなのかと思うけれど、坊ちゃんの「無鉄砲」がひたすらにカッコよかったり。六条院の秘められた能力も凄いなあ。単なる色惚けの公卿ではなかったのか(笑)。
    案外と有名だけれど読んでいない文学も多いですが、ざっくりと知っているレベルでも充分に面白い。きちんと注釈がつけられているので

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    2021年12月28日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    死者の弔いのため、遺体を解体し様々な製品を創り出す「遺工」を家業とする庵堂家。
    父の七回忌を機に、長男、正太郎のもとに久々に集まる次男の久就と三男の毅巳。
    「遺工」で創りだされるのは、櫛や茶碗や箸、財布などなど、日常的に目にする身近な物ばかりだ。
    最近では、遺骨をダイヤモンドに加工する技術もあるのだから、近い将来は箸や茶碗に姿を変えていつでも家族を見守ることが出来る、なんてことがあるかも知れないな~。
    ある事件をきっかけに三人で最初で最後の仕事をすることになる。
    解体シーンは、なかなかのスプラッター激しめでグロだが、グロ以上に三兄弟のキャラクターに愛着がわいてくる。
    この感じはグロの巨匠平山夢

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    2021年09月11日
  • われらの世紀~真藤順丈作品集~

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    短編集。戦時中の物語もあり、全体的に陰湿で薄暗い話が多いから低評価なのかな。

    個人的には好き。多様な言葉で紡がれる独創性の高い世界観にいつのまにか夢中にさせられる。真藤順丈という人間が全く掴めないし、飽きない。

    明るく幸せでハッピーエンドな話なんて読みたくない私にはどストライク。

    この一冊で著者の高い能力と著者が生み出す独特の空気感を感じることができる。おどろおどろしていて触りにくいが、一度触ると中毒性が高い。また他の著書にも、おそるおそる触りに行きたくなる。

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    2021年08月28日
  • われらの世紀~真藤順丈作品集~

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    レディ・フォックスがわかりやすい。難解だが放り出せない作品ばかり。正直言って疲れた。
    宝島のような爽快感を味わいたいわ。

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    2021年08月16日
  • 地図男

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    本の中で紡がれるまた別のストーリー。地図男の謎。引き込まれて読み進めた。

    地図男が結局何者であるかは分からずじまい。「俺」も誰かわからない。唐突に始まるまた別のストーリー。

    これまで読んだどんな本とも異なるストーリーが紡がれていく。

    ああ、この作者すげぇなぁと思う。よくわかんないけど、おもしろい。この独特な世界観にもっと浸かっていたい。

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    2021年08月02日
  • 緊急事態下の物語

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    コロナ本がたくさん出てきたが、今まで読んだ中で1番コロナ禍という感じだった。
    2度見をした。すごいなぁこのママ。
    パパがいるのに彼氏がいるの?え?
    で、彼のところに行くために
    夕ご飯と明日のお弁当を作って、夕方さっさと出かけていく。
    SNS上でケンカする友達のお父さんとお母さん。
    イーイーさんの友達のお父さんがコロナで死んでお葬式も普通にできなかった。
    日本に来んなよって外国人差別をされる。
    ママの彼がコロナ陽性になって、ママは濃厚接触者でPCR検査。
    で、とりあえず学校休んでと娘に言うママ。
    日曜日はバスケの大会なのに。
    よその男と遊んで濃厚接触したママのせいで全部ぶち壊される私の気持ちは?

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    2021年07月10日
  • 夜の淵をひと廻り

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    クセ強めだけど、私は かなーり好き。シド巡査にもう会えなくなるのかと思うと、読み終わるのがさみしかった。

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    2020年11月05日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    いまや直木賞作家となった著者の手による初期作。ホラー大賞受賞だから、それなりのクォリティは期待できるけど、本作もなかなか。読み始め、死体損壊のグロいだけの物語かと思ったら、なかなかそうは問屋が卸しません。さすがというべきか、読み始めの印象とは違う展開を見せ、何だか芸術の域にまで上っていく。グロテスクだけど不思議な印象の佳作。

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    2020年07月28日
  • 黄昏旅団

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     著者の小説は以前に「地図男」を読んだ。
     地図を小脇に抱え、土地の物語を紡ぐ男の話だった。

     本作は地図男を思い出すロードムービーだ。
     浮浪者仲間の中年男タイゼンと、若いグンは、最近になって浮浪者の仲間入りをした小学生のマナブの家族を追って、丹沢の施設に潜入した。
     そこには、息子を置き去りにした父母と娘が入所しているはずだった。
     何も知らないグンは、ここで初めてタイゼンの”歩き手”としての能力を知る。

     ”歩き手”は、人の人生に続く一本の道を誕生から現在までを追体験して歩く力を持つ。
     マナブの父の人生からは、幼少期の虐待を受けたが、それを克服して妻と結婚し、息子と娘が生まれたが、

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    2020年05月24日
  • 地図男

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    地図を片手に街を歩く放浪者。
    その中に書き込まれた壮絶な物語たち。
    もっともっと地図の中の物語を読みたい気持ちでいっぱい。
    そして、何者だろうか???
    あとがきに書いてあったけど…地図男自身のエピソードも入れたかったそう。
    ぜひぜひ読みたかった。

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    2019年10月30日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    少なくとも私の基準の中では、"ホラー"、という要素は微塵も感じられないので、受賞に限って言えば、それがふさわしいかと訊かれると甚だ疑問だが、とても"上手い"小説であることは間違いない。
    "遺工師"なる架空の職業を創り上げ、出てくるキャラクターはブッ飛びまくり、そして思わず顔をしかめてしまうドぎついスプラッター描写がてんこ盛り、と、これだけ見ればどこにも着地できない迷い子になってしまってもおかしくない設定だが、そこにきっちり家族の絆といったベタなドラマも放り込みながら、作品として見事に昇華させている。
    死体をバラしていく工程のディテール

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    2019年04月12日
  • 墓頭

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    物凄く奇妙な物語。死んだ双子の兄弟を頭のこぶの中に持つ墓頭。墓頭の孫が自分のルーツを辿るため、怪しい探偵・新実に墓頭の捜索を依頼する。

    紡ぎ出される墓頭の数奇な運命とグロテスクな描写。読後のスッキリ感は無いが、兎に角、奇妙な物語。

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    2015年12月12日
  • しるしなきもの

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     しるしなきものに、何処まで連れて行かれるんだろうか。

     最初のページからの疾走感はすごい。出てくる登場人物が大抵濃い。こんなに濃い人を使い捨てか!と叫びたくなる油断できなさである。贅沢だ。

     そうして最後まで読み終えると、うわーってなる。しるしなきものに着いてきてよかったと。

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    2015年06月20日
  • 畦と銃

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    ミナギというあるド田舎を舞台にした物語。農業、林業、牧畜業をテーマにした3編とおまけから成る。

    方言丸出しの文章で大半を占め、バイオレンスな表現が多々あるので、好みは大きく分かれそう。私も最初は読みにくかったんだけど、、、途中からその生命力溢れる文章にやられてのめり込んでしまった。ミナギという舞台が同じなだけで、3編それぞれ独立した話なのだが、ゆる~く繋がっているのがまた良し。実はこの人が、というのが途中で分かって、キュンとした。私の一番好きな話は林業。最後、泣けてしまった。

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    2015年06月03日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    2015年、6冊目。
    真藤順丈初読み作品。
    第15回日本ホラー小説大賞受賞作。
    遺体を用いて生活用品を創る「遺工士」という架空の職を生業とする「庵堂家」の男三兄弟の物語。
    家業を継いだ長男。家を出、東京でサラリーマン生活をおくる次男。知人の葬儀会社で働くも、暴力衝動を抑えきれずにいる三男。三人は先代である父の七回忌を前に、久々に顔を揃える。
    コレを
    「ホラーか?」と問われれば。
    「No!」と答えるでしょう。
    「では、何か?」と質問を重ねられたら。
    「エンターテイメントなヒューマンドラマだ!」と答えるでしょう。
    「遺工士」という職業柄、スプラッター場面は度々出てくるが、ソレがメインで話が展開して

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    2015年02月09日
  • 東京ヴァンパイア・ファイナンス

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    ネタバレ

    抹茶ゼリーが何度もちゅるるるんと舌のうえをサーフィン!真夜中の情報交換という名のスイーツ会が良いなあ。ニトベさんが女の子らしくて可愛いなぁと思っていたら、まさかの小夜。ヴァンパイアは、そういう意味で使われたのね。

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    2014年08月23日
  • 畦と銃

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    こんなとてつもなく面白い本を今まで知らなかったことを恥じ入りたい。架空の山村ミナギを舞台に語られる荒々しいクロニクル。百姓が
    杣びとが、幼い牧童たちが破天荒な物語を繰り広げてくれる。なのに読んでいるあいだは、この身も間違いなくミナギの畔や山や牧場に生きている気にさせられる。誰かれなく勧めてしまいたくなる一冊。

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    2014年06月07日
  • 東京ヴァンパイア・ファイナンス

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    面白かった。
    「ヴァンパイア・ファイナンス」というネーミングなど、伏線の張り方がやっぱり上手いと思った。
    地図男のときと同じでラストがふわっとした感じだったけど良作だと思う。

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    2011年07月27日
  • GANTZ/EXA

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    公共の場でいきなり読む場合は、注意が必要です。
    きをつけてくだちい。

    主人公は宇宙飛行士のナガトモ。犯罪者の彼が宇宙で出会ったのは岸本。それをきっかけに、ナガトモはガンツに巻き込まれてしまうのです・・・。
    スピンオフということですが、自分は漫画のGANTZも読んでいます。細かい設定は失念していましたが、こちらのEXAでもオリジナルの設定はもちろん踏襲しているわけで。原作を知っているほうが愉しいかと思います。というか、そうじゃないと読まないだろ。
    ストーリーはなかなかスピーディーに展開します。
    かなり、さらりと読めました。
    ちょっと物足りないくらいかな。ぽんぽん進み過ぎて、もう少し丁寧に描写し

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    2011年02月08日