真藤順丈のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻のページ数年より大分少ないのもあってか、ノンストップで物語が進んでいった。特に後半の真相に辿り着くシーンは、映画で結末を知っていても、めくるめく展開に、ちむどんどんしながら読んだ。(使い方あってる?)
沖縄戦のことは学生の時とか折あるごとに学んではいたけど、戦後のことってなかなか学校では触れることなかった気がする。
デモのこととか、沖縄人が我慢して溜め込んできたものが解放されたシーンはリアルに熱が伝わってくるようで、冷ややかな観客目線ではいられない感情が湧き上がってきた。
悲しいシーンもあったけど、最後の章では少し救われた気がする。
久々に魂が揺さぶられた読書だったな。
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Posted by ブクログ
レビューを拝読して読みたくなり、手に取った作品。
映画公開までに読み終えたくて…
上巻を読み終えるのにすごく時間がかかってしまったけれど、間に合いました( 'ᵕ' ; )
米軍基地を襲撃した夜、故郷いちばんの英雄が消えた。彼が手にしていたという「戦果」とは?彼が命を懸けた「秘密」とは?
うちなーぐちの語りが、とても心地良い。
所々、単語の隣にうちなーぐちのルビがふってあって、興味深かった。
()を使って語られる、登場人物たちへの共感、ツッコミ、励ましなども思わずクスッとしてしまう箇所もあり、好きだった。
消えた英雄の謎を追う3人と並行して描かれる、米軍統治下の沖縄の2 -
Posted by ブクログ
ー 一九七二年のその日を迎えて、琉球警察は沖縄県警に看板をつけかえて、通貨はドルから円になり
、本土に渡るのにも旅券はいらなくなった。だけどそれがなんだっていうんだろう、アメリカ世からヤマト世になったところで巨大な基地のある暮らしはなにも変わらない。
そのくせ運動の気運は下火になって、ありったけの情熱をたぎらせた民族闘争の隆盛は遠ざかっていった。本土復帰のあとにも、島民たちは夢に見たものだった。
復帰前のあの団結を取り戻せるんじゃないかと。亀さんが首相にな る日が来るんじゃないかと。かつてのような強い宿願がこの島をまたひとつにしてくれるんじゃないかと。だけどそれはまどろみのなかの夢でしかな -
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Posted by ブクログ
異形コレクションのブックマンでハマった著者さん、単著一冊目
この方の物語は、それぞれがとても壮大な歴史観や、伝統、民族精神などのうえに成り立っているのだな、と。一作一作がドラマティックだった
そして、振れ幅…
歴史から芸事まで。
『レディ•フォックス』(アイヌ)『笑いの世紀』(演芸一座)『異文字』(アフリカ虐殺)に共通する戦争への憎悪。犠牲になるのはいつだって庶民、その悲惨さが通底して感じられた
ダントツ好きな二作
①一九三九年の帝国ホテル
ナチスがホテルに潜伏、人質事件
ホテルで働く女性と『最後の侍』が協力し、救出奪還を図る
ドラマか映画にして欲しい完成度!
ホテルの優美さ、上流階級の空 -
Posted by ブクログ
歳を重ねてからの旅行には意味がある。
若い頃は綺麗な景色、美味しい料理を求めて、非日常の空気に浮かれていたが、今回の沖縄旅行では、「土地の意味」みたいなものを考えた。
米兵の犯罪、横暴をどうにもできず、アメリカの言いなりで、おためごかしをしている本土、日本。苦しみを沖縄だけに背負わせてきた日本。そんな中、戦果アギヤーの英雄が残したものは?その答えが導かれる。それがタイトルの「宝島」につながる。
真実の出来事を下敷きに見事な作品を作ってくれた。
しかし、同時に読んでいた新書に、沖縄の反米を中国が煽り、虎視眈々と沖縄進出を狙っていると言う話があった。日本はどうすべきなのか?