真藤順丈のレビュー一覧

  • 宝島(上)
    直木賞受賞のニュースを見てから、ずっと読みたかったけど全然古本屋に出回らず後回しになっていた作品。
    大好きな沖縄の暑さ、湿気までも伝わるとともに、知らぬふりをしていた戦後の沖縄の状況が痛いほど伝わった。
    アメリカ人と結婚してアメリカに住んでいる私に出来ることはなにか考えさせられた。
  • 宝島(下)
    歳を重ねてからの旅行には意味がある。
    若い頃は綺麗な景色、美味しい料理を求めて、非日常の空気に浮かれていたが、今回の沖縄旅行では、「土地の意味」みたいなものを考えた。
    米兵の犯罪、横暴をどうにもできず、アメリカの言いなりで、おためごかしをしている本土、日本。苦しみを沖縄だけに背負わせてきた日本。そん...続きを読む
  • 宝島(上)
    先日、沖縄に行ったこともあり贔屓目があるかもしれないが、非常に面白い上巻だった。沖縄の地理も頭に入っていたので地名が出ても、あのあたりかなと想像ができ、絵が浮かんできた。
    戦果アギヤーと言われる戦後沖縄の英雄たち。オンちゃんを中心に、グスク、ヤマコ、レイの生き様が描かれる。アメリカの占領下での厳しい...続きを読む
  • 宝島(上)
    真藤順丈の宝島を読みました。
    終戦後、返還前の沖縄が舞台です。
    アメリカの倉庫から物資を盗む戦果アギヤー、ねずみ小僧のように恵まれない人に物資を置いていきます。
    その、英雄がオンちゃんで、そのオンちゃんを慕う三人の物語です。
    オンちゃんが好きなヤマコとレイとグスク
    ヤマコは女給から先生になり、レイは...続きを読む
  • 【無料版】『宝島』試し読み 特別書下ろしエッセイ&著者インタビュー付き

    とにかく勢いがある

    いろいろな問題点も目につくが、とにかく勢いがあって終盤のクライマックスへの盛り上がり、迫力が凄まじい。史実上の実在の人物を交えてリアル感を出しながら、沖縄独特のファンタジー要素を交えた、虚実一体の作りがすばらしい。ただ終結部分、伏線を回収して謎解きをするのはいいが、ファンダジーっぽくなってしまったの...続きを読む
  • 宝島(上)
    面白くて数日で一気読み。
    物語に引き込まれ、戦後沖縄の歴史(教科書ではなく現地の実状)を知ることもでき、大満足。

    下巻も楽しみ。
  • 宝島(下)
    基地問題やアメリカ、日本、沖縄それぞれの関係性から沖縄への想いを強くした。過去を追うもの、未来を作ろうとするもの、今を護ろうとするもの、それぞれがそれぞれに傷つき涙したのは何のためなのか。言葉にできない想いに囚われる一冊。
  • 宝島(上)
    この夏1番の熱を感じた作品。動乱の沖縄を生き抜くそれぞれの想いに胸打たれる。沖縄の歴史に考えさせられることも多かった。
  • 畦と銃
    「おれらの朝はばか早い。」

    のっけの一文でもう心を掴まれた。
    ミナギという村に暮らす人々の話である。

    タイトルと表紙からすると銃をぶっぱなして戦う西部チックな物語のようだが、想像とは全然違うものだった。
    鮮やかに輝く田園風景や、山を包み込む木々の青さ。
    ミナギで暮らす人々の顔が映画のように頭に浮...続きを読む
  • 宝島(下)
    図らずも復帰50年の時期に読むことになって,いっそう味わい深かった。コザの雰囲気とか,今とはだいぶ違うんだろうけど,最初に読んだ時より具体的にイメージできた気がする。
    キヨとウタはつらいけど,良い話だなと改めて思う。続編が書かれてるそうで期待。
  • 夜の淵をひと廻り
    「夜の淵をひと廻り」真藤順丈

    うっわ〜〜‼︎ びっくりでした。
    お・も・し・ろ・い〜〜と呟きながら一気読み。本のグループの方からの紹介で手に取った作品です。シンドウジュンジョウさんと読むのですね。もちろん初読み作家さんでした。

    『驚愕のサイコ・ミステリ』って、ネットにはありました。サイコといえば...続きを読む
  • 宝島(下)
    上巻から下巻まで一気に読み終わった。これまで自分が沖縄の歴史を全然理解していなかったことを痛感。この本をきっかけに沖縄がどんな辛い歴史を歩んできたのか知ることができ、読み終えた後もっともっと知りたいと思った。どんなに辛くても必死に生き、取り戻そうとし、今もなお戦っている沖縄。同じ日本人として、みんな...続きを読む
  • 【無料版】『宝島』試し読み 特別書下ろしエッセイ&著者インタビュー付き

    深い、作品

    激戦を経た沖縄を舞台として、描かれた主人公たちの動きを追っていくことにより、自分達が生きて行くためには何をしなければならないかということを痛感し、考えさせられます。時代背景と状況とその時その場で生きている人間の心の動きが読者として印象に横る作品だと思います。
  • 宝島(下)
    星5をつけるか迷いましたが、上巻より良かったので5にしました。

    「予定にない戦果」が手元にあったにも関わらず、結局失ってしまったという事実に、絶望感が込み上げますが、登場人物たちはそれでも受け入れて走り続けます。どこまでも理不尽は迫ってきて、それでもなお、走り続ける強さばかりを求めなくてはいけない...続きを読む
  • 宝島(上)
    面白かったです。戦後の沖縄の様子が目に浮かびました(フィクションなのかもしれないけど…)。レビューにもあったように、たまに入ってくる作者の括弧書きコメントはたしかにいらなかったかもしれない…
  • 宝島(上)
    グスク
    レイ
    ヤマコ
    オンちゃん
    そして、ウタ

    オンちゃんの行方は?
    グスク、レイ、ヤマコの思いとストーリー!
    そして、予定にない戦果とは?
  • 宝島(下)
    沖縄人の立場だったら、アメリカでも、日本でもなく、独立を望むな。

    予定にない戦果の存在がポイントだったね。ドラマだった。
  • 黄昏旅団
    おもしろかった。想像を超える展開に驚いた。

    著者の作品は私の想像を軽く超えてくる。最後にあの一家はどうなった?とか、アイラはどうなった?とか、気になるところはたくさんあるけど、他人の人生を道として歩むという発想、タイゼンが辿った人生のスケール感など、すげぇなぁと心から思った。

    他の作品にも触れて...続きを読む
  • 七日じゃ映画は撮れません
    脇にしとくのもったいなー
    バンディットと仲間たちよ。
    プロはかくあるべし。
     
    映画館の片隅、35ミリとの格闘の日々。
    フィルム油が染みついた指先の、黒くて細かな傷。
    まるで、アブドラ・ザ・ブッチャーの額。
    バイトだけど、魂はプロフェッショナルだぜ。
    聴こえてるかい?さくら
  • しるしなきもの
    全くどうして、それで死なないの?!と何度思ったことか。
    思いながらも、主人公以外は、ばったばったと殺されて行く爽快さ(笑)
    しるしなきものとは、読めばなるほどです。
    ラストはスッキリで、おすすめ。