真藤順丈のレビュー一覧

  • 宝島(上)

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    真藤順丈の宝島を読みました。
    終戦後、返還前の沖縄が舞台です。
    アメリカの倉庫から物資を盗む戦果アギヤー、ねずみ小僧のように恵まれない人に物資を置いていきます。
    その、英雄がオンちゃんで、そのオンちゃんを慕う三人の物語です。
    オンちゃんが好きなヤマコとレイとグスク
    ヤマコは女給から先生になり、レイはヤクザ、グスクは警官とそれぞれの道を歩んでいきます。
    米軍の兵士の治外法権のような理不尽なことは、当時本土にも伝わってきましたが、ニュースでは傍観者のようでしたが、この本を読むと当事者の憤りが伝わってきました。
    451ページはなかなか読み応えがありました。
    お勧めの本です。

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    2023年05月12日
  • 【無料版】『宝島』試し読み 特別書下ろしエッセイ&著者インタビュー付き

    購入済み

    とにかく勢いがある

    いろいろな問題点も目につくが、とにかく勢いがあって終盤のクライマックスへの盛り上がり、迫力が凄まじい。史実上の実在の人物を交えてリアル感を出しながら、沖縄独特のファンタジー要素を交えた、虚実一体の作りがすばらしい。ただ終結部分、伏線を回収して謎解きをするのはいいが、ファンダジーっぽくなってしまったのは、やや残念である。

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    2023年01月01日
  • 宝島(上)

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    面白くて数日で一気読み。
    物語に引き込まれ、戦後沖縄の歴史(教科書ではなく現地の実状)を知ることもでき、大満足。

    下巻も楽しみ。

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    2022年08月22日
  • 宝島(下)

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    基地問題やアメリカ、日本、沖縄それぞれの関係性から沖縄への想いを強くした。過去を追うもの、未来を作ろうとするもの、今を護ろうとするもの、それぞれがそれぞれに傷つき涙したのは何のためなのか。言葉にできない想いに囚われる一冊。

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    2022年08月17日
  • 宝島(上)

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    この夏1番の熱を感じた作品。動乱の沖縄を生き抜くそれぞれの想いに胸打たれる。沖縄の歴史に考えさせられることも多かった。

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    2022年08月17日
  • 夜の淵をひと廻り

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    「夜の淵をひと廻り」真藤順丈

    うっわ〜〜‼︎ びっくりでした。
    お・も・し・ろ・い〜〜と呟きながら一気読み。本のグループの方からの紹介で手に取った作品です。シンドウジュンジョウさんと読むのですね。もちろん初読み作家さんでした。

    『驚愕のサイコ・ミステリ』って、ネットにはありました。サイコといえばサイコでもあるけど、私自身は、かなりユーモアのある作品だと思いました。もちろん、かなり酷い事件もあり、ブラックではあるのですが。なんといっても語り口が面白い‼︎

    9つの連作短編なのですが、そのうち、4つは書き下ろしです。
    1作目の『蟻塚』も書き下ろしなのですが、ワタクシは、もうこの1作目で、ガシッ

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    2022年02月15日
  • 【無料版】『宝島』試し読み 特別書下ろしエッセイ&著者インタビュー付き

    購入済み

    深い、作品

    激戦を経た沖縄を舞台として、描かれた主人公たちの動きを追っていくことにより、自分達が生きて行くためには何をしなければならないかということを痛感し、考えさせられます。時代背景と状況とその時その場で生きている人間の心の動きが読者として印象に横る作品だと思います。

    #深い

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    2021年12月04日
  • 黄昏旅団

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    おもしろかった。想像を超える展開に驚いた。

    著者の作品は私の想像を軽く超えてくる。最後にあの一家はどうなった?とか、アイラはどうなった?とか、気になるところはたくさんあるけど、他人の人生を道として歩むという発想、タイゼンが辿った人生のスケール感など、すげぇなぁと心から思った。

    他の作品にも触れてみたいと思った。

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    2021年07月23日
  • 七日じゃ映画は撮れません

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    脇にしとくのもったいなー
    バンディットと仲間たちよ。
    プロはかくあるべし。
     
    映画館の片隅、35ミリとの格闘の日々。
    フィルム油が染みついた指先の、黒くて細かな傷。
    まるで、アブドラ・ザ・ブッチャーの額。
    バイトだけど、魂はプロフェッショナルだぜ。
    聴こえてるかい?さくら

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    2021年07月04日
  • しるしなきもの

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    全くどうして、それで死なないの?!と何度思ったことか。
    思いながらも、主人公以外は、ばったばったと殺されて行く爽快さ(笑)
    しるしなきものとは、読めばなるほどです。
    ラストはスッキリで、おすすめ。

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    2019年11月27日
  • 地図男

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    毎年夏、三出版社による文庫まつりをものすごく楽しみにしている。
    今年はどの文庫がエントリーされるのか、6月に入るともうワクワクソワソワしてくる。
    本来は、夏休みに入る高校生を中心とする若い人たちが対象なのだろうが、私にはそんなことは関係ない。
    読んだことのない作家の作品に触れる絶好のチャンスなのだ。

    真藤順丈さんもその一人。
    今まで読んだことがない上に、今年(2019)のカドフェスにエントリーされたのがデビュー作だったので、迷わず購入リストに加えたのだった。

    いやいやいやいや、なんだこれは。
    頭をぶん殴られて目を覚まさせられたような。
    でもずっと夢を見ていたような。

    物語に没入している途

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    2019年07月30日
  • 畦と銃

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    篤農家の老農に憧れながらも離農を考える青年

    山中でのロックフェス開催に向けて感取りウッドマン達の伐採

    牧童ガウチョ達の夜の戦い

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    2019年04月30日
  • 畦と銃

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    「日本の根幹を支える農業・林業・畜産を描く絆と再生の物語」
    などという帯文から堅苦しい内容を想像してたらとんでもない!
    中身はエンターテイメントに徹した、ロック魂炸裂のクライムノベル。
    離農を考える二十代後半の農夫・林野省の役人の若い女性・牧場の手伝いにくる小学生の視点でそれぞれ語られているのだが、一人称視点の文体が全く違い、引き出しの多さに驚かされる。私は特に「第二次間伐闘争」の女性支点の、ニュートラルでポエティックな文体が好みだった。

    キャラクターも立ちまくり!村中から頼りにされる最強の農夫(70目前)をはじめに、後家や古女房にモテまくりの色香匂い立たせる美青年、補聴器の上からヘッドホン

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    2019年04月03日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    ネタバレ

    真藤順丈氏の2008年、第15回日本ホラー小説大賞作を加筆訂正した2010年文庫版。
    とにかく感動的なこの作品がホラー小説とされているのは、手塚治虫先生の『ブラック・ジャック』が少年チャンピオン・コミックスでは当初「恐怖コミックス」とジャンル分けされていたのと同じ理屈でしょうね。
    『ブラック・ジャック』の少年チャンピオン・コミックスでのジャンル分けが内容に即して「ヒューマンコミックス」になったならば、この作品もヒューマン小説でしょうかね。
    この作品をホラー小説とするのは、ホラー小説を期待した人にも不誠実だし、この感動的な作品に対しても不誠実だという気もします。
    ザック・スナイダー監督のホラー映

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    2018年06月02日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    読み終わってから、作品の分類がホラーであることに気づいた。ホラーで胸がしめつけられることがあるとは思わなかった。大好き。

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    2016年11月28日
  • 墓頭

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    ネタバレ

    生まれながらに彼は墓だった。

    失踪した父を探す「僕」は、手がかりとなるボズという男もともに探す。

    新実探偵とともにアジアの無名の島に辿り着き、養蚕家からボズの物語を人生の始まりから聞かされる。

    常に死が纏わり付くボズの人生

    施設で出会った忘れられない人々
    霊感少女アンジュ・サワラ兄弟・天才ヒョウゴ

    九龍城での惨劇

    アンジュとの束の間の蜜月は狂ったヒョウゴとの再会で終わりを告げる

    新実探偵と養蚕家の正体は……

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    2016年01月12日
  • しるしなきもの

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    日本最大の暴力団組織組長の妾腹として生まれた主人公の凄絶な復讐譚。著者らしい骨太ノワールで楽しめました。ただし、ちょっと人が死にすぎかも(笑

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    2015年06月17日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    真藤順丈さん大ファンです!

    この作品はもうすぐ10回目になるくらい読み込んでます!
    妹にも読ませた所、ラストシーンで号泣してました。

    架空の職業を本当に存在しているかのような表現には驚きました。
    ホラー作品というより、ドキュメントに近いです。

    私の出会った中で最高の作品です!

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    2013年01月28日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    2011/11/19。ホラー小説大賞受賞作。遺体の骨や皮や脂肪などを使って遺族のための日用品を作る『遺工師』という架空の職業がでてきます。遺体を解体するとこはスプラッタな、グロい描写。しかしホラーなのは、この職業にまつわる部分くらいで、ストーリーとしては家族愛というか、あたたかみを感じるとこがあり、いい意味で裏切られた作品でした。

    ホラー小説大賞ということで"怖さ期待"を持ってみんな読むと思うから、怖さという意味では評価は低いかも。
    でも興味深いテーマだし、三兄弟のキャラクターとストーリーが良かった。読後感はサッパリとした感じ。すごく印象に残る作品。スプラッタが大丈夫なひ

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    2011年11月20日
  • 庵堂三兄弟の聖職

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    ホラー作品らしくちょっとグロい描写がちらほらある作品。
    でもすんなり読めたし同作者の他の作品と違ってラストもイイ感じ。
    面白かった。

    難しいとは思うけど、映像化したら見てみたい作品だと思った。
    映画か深夜ドラマとかどうだろう?

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    2011年08月02日