真藤順丈のレビュー一覧
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むく浮腫んだ顔をもた擡げて 怒張する 血煙の立ちのぼる修羅場と化して 教唆や幇助といった人間がこさえた陳腐な概念で私を縛ることは出来ないよ 余暇には殺人を嗜んでいたというのだから規格外の危険人物だ 急激に襲ってきて日常を蹂躙する災禍 ある種の人間にとって知識欲を満たすのは最高の快楽ですから。実際に自分でやってみなくては得られない快楽の虜になって、ラモンは日本に来る度に犯行を重ねてきた。 驚倒きょうとう 説諭せつゆ 「猿から人間になっても、船乗りが新しい大陸を発見して、科学者が色んなものを発明して、宇宙飛行士が月にまで行っちゃった。好奇心を絶やさずに自分の外の暗闇に向かっていけるのは、人間の最も
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絶対音感パーフェクトピッチに恵まれて いたって凡庸な想像力しか持っていなかった彼等は 本能が警鐘を鳴らして 千葉県鎌ヶ谷市の初富ってところ 住居表示インデックス 聴取者オーディエンス ルビコン渡河とか ナンパ誘惑の巧言令色も一緒に踊る どうきん同衾オモチカエリ 上用賀馬事公苑にて プレイヤー選手というよりもコマンダー指揮官として 日の出桟橋を出航した都観光汽船は 太子堂 百人町 流麗な意匠 士気は昂揚 とどのつまり、彼等は〈東京に愛された者〉の称号が欲しいんだ 持続度∞のドラッグめいた恍惚に満たされる 二十三の勝利の楔を打ち込んだ生きるアーカイブとして かるたが国技ならぬ県技といっても過言では
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「GANTZ」が何度も再生を繰り返したために起こった微妙な歪み。
その歪みが引き起こしたと思われる、以前とは違う異世界で起きたもうひとつの「GANTZ」物語である。
意欲的な作品だとは思うけれど、実際この物語を読んだ人はどう感じたのだろう?
もともと「GANTZ」の読者でもある自分にとっては、「ん~、こうきたか」とは思ったけれどやっぱり違和感を感じずにはいられなかった。
逆にまったく「GANTZ」を知らない読者にとっては掴みきれないものがあっただろうと思う。
例えば、終盤に出てくる加藤が弟・歩に寄せる思い。
彼がどんなに弟を大切に思っていたか、彼にとって弟がどんな存在だったのか。
それを知らな -
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ヤクザ組織の総大将の愛人だった母親の死を機に、主人公は組織の懐に入り込み、内部から組織壊滅と父親の抹殺を狙う。
まず暴力描写が過多で、次々と人が殺されていく点で読者の好みが分かれるところ。ただ、私はそれ以上に、主人公の身体の秘密とその葛藤についての描写に対する興味が勝り、途中までは結構テンポ良く読めた。しかしながら、怒涛の展開の中盤からキャラが超人化してきてハチャメチャになってくるし、ラスト、、、。最後の最後で救いのあるものにしたかったのかもしれないけど、私は逆に興ざめだった。ここまで滅茶苦茶に人が殺される残虐な展開をしておいて、最後だけハピエンって何?みたいな。このラストをイイ意味で評価す -
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真夜中に出没する超低金利の闇金融とその借り手の物語。
カバーからちょっとダークな感じを持っていて買ったけどしばらく積んでいたんですけど、そんなことはなく結構ノリの良い作品でした。
同時に何人もの借り手がでて物語が散らかってしまうかと思ったけど、最後はまとまっていって物語として読んでも面白かった半面、笑いが少なく、まとめ方が強引でちょっと納得がいかなかったかな。
これ1巻しかでてないけど、続きがあればもっと世界が広がっていって楽しくなっていきそうな気がします。
でも、2009年に刊行されて今出てないところを見るともうでないのかなぁ。
ちょっと残念な気がします。 -
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ネタバレ第15回ホラー小説大賞受賞作(2008)ですが、少しも怖くないです。三兄弟の<聖職>がグロいのだが、体の解体とかがあるにせよ職業としての作業であり、法医学の解剖と同じ事だ。法医学の解剖はもちろんホラーにはならないし、架空の職業という点で、なんとかホラー小説と呼べるかなというとこ。
もちろん殺戮するだの、暴行するだの派手な話は全く無く、そういうのを求めている人はつまらないと思う。
遺工師という架空の職業の設定は面白いが、いっこうに物語が進展しないので、もしかしてアイデアだけで終わるの? と、危惧したりもした。が、117ページから黒塗りのリムジンとともに物語が動いていく。そしてなかなか熱いド -
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読む前の注意としては、食前食後30分以内は読まない方がいいかも、と
想像力は部分部分使わないで下さい、という事でしょうか?
死体を遺族の意向によって加工する生業を父親に持った三兄弟。
7回忌にようやく全員集まった三兄弟の
14日間…と、おまけ? な日々。
三人兄弟の視点で、くるくると変わっていきます。
とりあえず、長男は父親の職業をついでいるので
そちらの視点に行くと、もう想像力は使わないで下さい状態。
思わず細部を考えてしまって、叫びたい気持ちでした。
そこまで想像してしまった脳内にも叫びたいですがw
兄弟の謎に、仕事の謎に、自分達がどうすればいいのかという謎。
一番切実に困ってそうな -
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ネタバレホラー小説大賞ということと、表紙の見た目に惹かれて購入。
「遺工」という架空の職業のことを書いているのに、リアリティがあって、最初は死者の骨で櫛を作ったりするなんて・・・って思っていたのに、
中盤で登場するお客さん(おじいさん)の台詞で、絶対におかしいことを言っているけど遺族としては凄く真剣で、死んでも一緒にいたい気持ちが伝わってくる。
亡くなった奥さんの骨で作った日用品に囲まれて最後まで一緒にいたいんだな、と。
あとは、汚言症という謎の病気持ちの三男が割りと良いとこ取っているかんじ。
次男は主人公っぽいけど語り部的な役割しかなくて本人の印象は薄い。
長男は一番常人離れしてて“そういうもの