あらすじ
“他人の人生”を歩く青年・グンが見た驚異の風景。
ありえない世界を歩きぬけ! 極限のロードノベル。
人生の大半を路上で過ごしてきた、ろくでなしの青年・グン。
妻・娘ともに施設に入所した檜山優作が、幼い息子だけを置き去りにしたのは何故なのか。
心象風景=〈道〉を歩いたグンは、驚愕の真実に突き当たる……。
古より存在する「歩く者」たちと、世界の壮大な意味。
圧巻のロードノベル登場!
解説・恒川光太郎
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
おもしろかった。想像を超える展開に驚いた。
著者の作品は私の想像を軽く超えてくる。最後にあの一家はどうなった?とか、アイラはどうなった?とか、気になるところはたくさんあるけど、他人の人生を道として歩むという発想、タイゼンが辿った人生のスケール感など、すげぇなぁと心から思った。
他の作品にも触れてみたいと思った。
Posted by ブクログ
落伍者のグン
歩き手のタイゼン
歩き巫女のアイラアイラ
路地裏で出会った少年マナブ
マナブを置き去りにした父親檜山優作
妻と娘とともに檜山優作は貧困者支援団体のコミューンに移り住んでいた
マナブが置き去りにされた理由を探るためタイゼンとグンが檜山優作の心象風景<道>を歩く
Posted by ブクログ
著者の小説は以前に「地図男」を読んだ。
地図を小脇に抱え、土地の物語を紡ぐ男の話だった。
本作は地図男を思い出すロードムービーだ。
浮浪者仲間の中年男タイゼンと、若いグンは、最近になって浮浪者の仲間入りをした小学生のマナブの家族を追って、丹沢の施設に潜入した。
そこには、息子を置き去りにした父母と娘が入所しているはずだった。
何も知らないグンは、ここで初めてタイゼンの”歩き手”としての能力を知る。
”歩き手”は、人の人生に続く一本の道を誕生から現在までを追体験して歩く力を持つ。
マナブの父の人生からは、幼少期の虐待を受けたが、それを克服して妻と結婚し、息子と娘が生まれたが、そのあとで悲劇が訪れてからの人生転落が読みとれた。
歩き手は、ただ人生を読みとるだけではない。
それを、現状にどう活かすかが重要なのだ。
”歩き手”は一体、いつの時代からいるのか。
人の人生を歩く者たちが物語を紡ぐ。