砂原糖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シリアスサイドの砂原センセでした。
小さい頃兄弟で懐いていた近所の爺がひき逃げされて死んでしまった事件が、物語の発端です。
爺が死んだのは、兄弟の兄である真岸悟が大学生になっていた10年後のこと。その裁判で真岸は颯爽として身なりもいい税理士の志田を知り、彼に対して復讐することを胸に誓います。
そして5年後、志田の事務所にバイトとして入り込んだ真岸が目にしたのは、想像していたのとはまったく違う志田の実像で。
復讐劇というよりは、もっと独りよがりな思いから志田を懲らしめようとしている気がする真岸です。
その手段として、志田が大切にしている人なり物なりを奪ってしまおうと考えた真岸ですが、蓋を開けたら志田はそんなのはとっくの昔に失っていて、だったら自分が彼の「たいせつなもの」になって、それから全てをぶち壊してやろうと思いつき、実行することに。
この二人どうなるんだろう?と事の始まりを思い返すと非常に気を揉みました。
憎い相手が果たして愛する相手になりえるのか、愛されていると思っていた相手が実は自分を憎んでいたことを許容できるのか、現実的に考えるとシビアです。
しかしながら、そこは物語ならではの鮮やかな展開で感動できる決着のつけ方になっていて、うるっときてしまいました。
憎いけれど、いとしい。そういう真岸の気持ちがただ、いとしいだけに変化していく様がとても自然に受け入れることができました。
それは、やはり志田のキャラが大きく影響しているといえるでしょうね。彼は、とても砂原センセらしい受キャラだと思いました。
無垢で、自分に正直で、ひどく不器用に生きている男。そして、淋しい男です。
だからこそ、高潔であり続けていることができるのかもしれません。
ほんとに、真岸でなくても側にいてあげたくなるくらいさびしい生き方をしているんです…
真岸も、およそ他人である爺のために5年の間復讐しようなどと思い続けていたのがまた律儀だし、ちょっとありえないかな?とも思っちゃいましたが彼もまたそういう意味では高潔なのかもしれません。
弟の感覚の方が普通なんですよね。真岸も実はそのことに気付きながら、正義に忠実であろうと努力してあがいていたようで、痛かったです。
切なくなったけど、甘い結末に癒されました。エロ的には、ちょっとSな真岸の攻め方に萌え。エロの描き方がうまい作家さんです。 -
Posted by ブクログ
雑誌で既読。
水名瀬センセのイラストで、ガテン系な設定。作業服萌え。
後輩大型わんこの浦木×ヘビースモーカーで口の悪いクールビューティーの名久井。王道中の王道で、年下ワンコ好きなら楽しく読めるストーリーです。
ただ、定番でありきたりすぎて肝心の砂原センセらしいカラーが埋没してしまっている気がしました。
他の作家さんの作品と言われても、素直に納得してしまいそう。
自分がゲイであることをひた隠して、いい先輩であろうと努力しているのに「ホモが嫌い」「胸がムカムカする」という、後輩の言葉に激しく傷ついている実は繊細な心の持ち主の名久井。キツイことを口にしますが、臆病でネガティブなんです。浦木はそんなつもりで言ってないのに、へんに誤解してしまうのは、浦木のことをずっと心密かに想っているから。
浦木はノーマルで、好きになっても無駄だと判っているので、名久井は先輩らしくふるまうよう努力しているのです。
そんな気持ちに気付かない浦木に恋の相談を持ちかけられて、本音では辛い思いをしているのですが。
名久井の恋心が切ないのですが、浦木が思ったより男前なわんこで救われます。ノーマルゆえの鈍さはあるものの可愛げもあるし、母性本能をくすぐられるところもあります。
どちらかと言うと、ふらふらぐるぐる危なっかしいのは名久井ですね。一見、先輩らしくクールで気丈に見えるのですが、タバコに頼らないと崩れてしまいそうな弱さを内包していてほっとけません。
そんな二人がセフレ?から恋人へと進展していく様子はごく自然で、心理面がきちんと描写されていてすんなり受け入れられました。
書き下ろしがプラスされて、雑誌掲載時よりはぐっと良くなったと思います。西脇がいい味出していて面白かった。もう少したくらみキャラでもよかったけど、浦木がさらに奮闘できたという功績は大きいです。
禁煙ネタも面白かったし印象的だったところです。
エロはやっぱり上手いなと思わせる描写力で、好みでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高校三年生の千野純直は、成績優秀な生徒会長でテニス部のエース。
しかし、本当は内気な性格――どころか、乙女ちっくに好きな人を思い続ける少年だった。
見た目にそぐわぬその容貌のせいで、クールで渋いと女の子に大人気を誇っているが、純直自身が自分のその内面とのギャップに苦しんでいた。
そんな純直の恋のお相手は、一学年下の有坂和志。
陸上大会での勇姿に一目惚れしたという彼は、有坂を一目見ることが毎日の楽しみだという、夢見る乙女状態。
話しかけるなんてもってのほか、ましてや付き合ってもらおうなんて考えることもない。
けれど、想いは募るばかりで、ファンレターを書いたつもりがラブレターになってしまったり、思わず星占いの本を読みふけってしまったり。
そんな純直は、ある出来事をきっかけに有坂のバイト先へと訪れるようになる。
そこから少しずつ、有坂と話をするようになった純直は自分の気持ちが膨らんでいくのを止められずにいた。
一方の有坂は、当初はほとんど表情の動かない純直の顔のせいで、「感じの悪い先輩」という認識しかなかった純直が、実は外見とは大きなギャップがあることに気づき始める。
些細なことで喜んだり照れたりするその姿が次第に「かわいく」思えてきたのだった――
という感じの話でした。
何もかくにも、見た目にそぐわず純直がピュアすぎてすてきでした。
おまけに、自分の人もうらやむくらい育ちすぎた体にコンプレックスを抱いてるところなんて、ものすごくかわいかったです。
表題作の他に、二人がくっついた後の話も入っているんですが、それの有坂がめちゃくちゃかっこいい。
まさに、純直の理想どおりの「ザ・王子様」になっている……。すごい。
有坂は、純直のロマンチストが移ったのかな? なんていってますが、いや、それはそんなもんじゃない。
基本的には、何の不満も抱かず、純直のペースにあわせて、寸止めくらってもさらっと我慢しちゃうし、「いきなりだったらびっくりすると思って」とか言っちゃって、いい雰囲気になってもあっさり引こうとしちゃえるし。
挙句、純直がどんなに情けないことを言っても怒らない。
すごく王子様……。
そんな感じで、ものすごーく純直を優先しているのに、自分が風邪を引いたらきっちり弱音メールを送ってくるところなんて、お主策士だな――のレベルですよね。すごい。
そんな、王子様な攻めと乙女チックな受け(ただしどちらも体格はいい方)の話がお好きな方にはぜひ、オススメします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ触手でエロラブストーリー。
砂原先生の作品と、喋る触手が大好きだったので購入しました。
表紙にも口絵にも触手が描かれているのが逃げがなく素晴らしいと思います。
読む前に挿絵だけ見てしまったのですが、南野先生のイラストがとっても可愛くて、どんなお話でも受け入れよう!という気持ちになりました。
ある日スライム状の生き物がやってきて同居することに…というお話も文章もライトノベルっぽい感じ。
最初は軽すぎるかな?と思っていたのですが、触手の行動がだんだん可愛く思えてきて、気づけば読み切っていました。
触手ならではのプレイの描き方も、気持ち悪くはなく、エロ可愛かったです。
続編も攻のヘタレっぷりが見られて◎
宇宙人といった設定や、触手に拒否感がなければ軽く面白く読めると思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大好物の年の差もの。しかも年下攻め。
砂原さんのデビュー作だそうですが、面白かったです。
特に目新しい感じもなく、些細な日常をひたすら繰り返すという手法ですが、それゆえに緻密な心理描写に作品世界に惹き込まれる。
同じありがち設定でも、心の揺れ動きで差が出るというか、個性が出るもんだなぁ……と。
年の差にぐるぐる悩んだり、諦め癖がついてる受の懊悩もいいですが、対照的な攻の底抜けな明るさもいい。
しかもこの攻の家庭環境は複雑なんですが、そんなことは表に出さないのがまたいい。
そのくせ受以上に愛情に飢えてて、心の底では「帰る場所」を必至に求めてあがいてる姿に身もだえしました。
年上受相手に、大人ぶろうと一生懸命なところもきゅんきゅんします。
ドラマチックな展開があるわけではないです。
まるでタイトルの「シンプル・イメージ」のように、無駄を省いたゆえに浮き上がってきた、キラリとした心の動きに注目です。