砂原糖子のレビュー一覧
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図書委員の抱井優が一目惚れした先輩・雪野千星は、恋の不毛地帯(笑)である男子校でも一際目立つ存在。誰もが魅了される極上の美貌、深窓の令嬢のような佇まい……だが、彼にはとんでもない秘密があった!友人・益本の計らいで雪野の彼氏になった優は、知らない方が幸せだったであろう事をいろいろと知ってしまい、雪野の問題点を矯正するべく奔走する事に。
本来ならば攻めであろう優が受け、受けであろう雪野が攻めに回るという衝撃の下剋上展開(ただし初回は未遂)ながら、意外と常識人な優が多くの時間を雪野と共有していくうち、次第に雪野の内面を真正面から受けとめていく様子に、人間的成長を見てとる事ができる。なかなかの問題児だ -
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定番王道キラキラBL学園モノ!というテーマが全面的に満ち溢れたストーリー。
古きよき時代のBLお約束がてんこ盛り!全寮制の英国風男子校、白い学生服、全生徒憧れの姫、そして次々と起こる嫌がらせ、イジワルな敵役。
そうそう、これこれ!的な懐かしいセッティングに喜びました。大仰すぎて笑えるけれど、ストーリー自体は切なさと砂原センセらしい青春の劣情が際立っていてとても胸キュンになりました。
夏目イサクセンセのイラストがストーリーにぴったりでした。雑誌掲載時の夏目センセのあとがきに、ベルバラ風イラストで描いてあったのが忘れられません。
昔はこんなすごい設定に何のツッコミも入れずに、うるうるしながら読ん -
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「夜明けには…」のスピンオフ。あの嫌なやつの新二が主人公とあってちょっと不安がありましたが、それはすぐ杞憂に。嫌なやつである新二が、恋に揺れ懊悩し自暴自棄になっていく姿が丁寧に書かれていて、自然と引き込まれてしまいました。新二、嫌なやつなのにどこか哀れで幸せになってと思わずにはいられないキャラでした。そんな新二を愛しながら傷を癒していく津久井がまた、いい男なのに普通っぽくて良かったなー。
萌えではないけど文章にところどころ読み手をぐっとさせるフレーズがあって、砂原さんは本当に上手い。それに加えて秀逸な人物描写に唸りながら、話を夢中で追っていました。
前作キャラとのからみも、今作の世界観を壊さず -
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温泉の女将!高身長美人女将攻。表紙もなかなか良い感じです。
ひなびた温泉町に取材にやって来た穂積は、苦労人でしっかり者だけど大人しい性格。そんな穂積がとても心惹かれるようになってしまったのが、老舗旅館を切り盛りする女将の朱川です。
…美人だし。…力持ちだし。…前にどこかで会ったような気がするし。
穂積は、頑張り屋さんで真面目だけかと思ったら、嗅覚は鋭いです。
勝手にラブコメだと思い込んで手に取ったけど、実はじわじわと切なくさせられるシリアスものでした。
話の先がとても気になる展開です。
朱川がミステリアスで魅力的なので、彼(彼女?)のことをもっともっと知りたくさせられてしまうんです。
朱川 -
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なんだか切ない
なんだか心暖まるお話でした。
知的障害とまではいかないけれど…という設定の睦と、政治家の父をもつクルちゃん。
障害を題材にしているので、登場人物が睦を中傷するシーンもあり、苦手な人は苦手かと思います。
お話は、高校生の時と再開した時と、くっついた後に別れてて、登場人物達も年をとっていきます。
いくつになっても変わらない睦と大人になって、嘘とかを覚えて変わってしまったクルちゃん。
クルちゃんが睦に再開して今の自分を省みるところが切なくて、いっぱい泣きました。
正直、萌えという言葉とかキュンキュンするとかはあんまりなかったんですが、
そういうんじゃなくて『純愛』という言葉がしっくりくるお話でし -
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高校生もの。未熟さと無謀さが何とも言えず胸キュンでした!
恋かと思って付き合ってみたら、どうも恋じゃなかった…!男子校の図書室で儚げな美形の先輩が画集を眺めていたら、それはまるで一枚の絵のようで。
ところが、ひと目惚れしてしまった抱井の雪野に対するイメージは、実際にお付き合いすることになって徐々に崩壊していきます。
抱井の気持ちもわかるけど、完全に美化しすぎですよね~
きれいだけど雪野は男だし、経験ありそうに見えてもまだ高校生なんで!そこらへんがわかっていない、こちらもまたかなりウブな抱井が、いきなり乗っかられて誘われてドン引く様子が面白かったです。
雪野の天然な大胆行動に、どうしていいかわか -
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ネタバレドーナツ店店長とちょっと無気力な高校生の話。
年下がっつき攻めが可愛くて可愛くて♡
最初は無気力だった彼も、店長に対する気持ちに気づいてからは若さからのまっすぐさで突き進む感じに、大人としての分別や元彼・・・元彼との思い出から動けない店長が揺り動かされる過程がとても素敵に書かれていました!
「ドーナツの穴」の解釈、なるほどです。
そして「絶対」って言葉は、ホント若いから出る言葉だなぁとしみじみ。
10代と30手前の時間の流れの速度の違いに足を踏み出せない倉林に、それでもまっすぐな心で向かい合う凜生の態度は、そう思えば最初から片鱗は見えていたんだなぁと。
ホンワカだけじゃない、大人のずる -
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ドーナツの穴は果たしてただの空白なのか、それとも存在するものなのか??
「無」ではないな…と思う今日この頃。
ドーナツ屋チェーン店のバイト高校生と雇われ店長との、甘酸っぱい年の差ラブです。ごくごくありふれた恋物語だけど、高校生の凜生に並外れた特技が備わっているところが、砂原センセらしかったです。
凜生は外見は今どきの高校生なんですが、趣味が超難度の「鉛筆削り」だったり、母親に優しくなれないことに悩んだりしていて、意外に内向的。大人っぽく見えていても素顔は真面目でかわいいところもあって、カッコいいようでまだまだ発展途上なギャップにキュンとさせられます。
第一印象で使えなさそうだと思った凜生をう