砂原糖子のレビュー一覧
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高校生もの。未熟さと無謀さが何とも言えず胸キュンでした!
恋かと思って付き合ってみたら、どうも恋じゃなかった…!男子校の図書室で儚げな美形の先輩が画集を眺めていたら、それはまるで一枚の絵のようで。
ところが、ひと目惚れしてしまった抱井の雪野に対するイメージは、実際にお付き合いすることになって徐々に崩壊していきます。
抱井の気持ちもわかるけど、完全に美化しすぎですよね~
きれいだけど雪野は男だし、経験ありそうに見えてもまだ高校生なんで!そこらへんがわかっていない、こちらもまたかなりウブな抱井が、いきなり乗っかられて誘われてドン引く様子が面白かったです。
雪野の天然な大胆行動に、どうしていいかわからず逃げるところがいかにもヘタレなかんじです。抱井は意外にもすごいロマンティストなんですよね。
最初は雪野の心情がわからなくて、どう受け止めればいいのかわからず抱井と同じ気持ちになりましたが、読み進むうちに雪野のストレートな感情表現と天然行動に、身悶えするほど胸キュンになってしまいました。
お掃除がんばるけど、できていないところとか、もうキュンキュンです。
そんな二人が不器用ながらもお付き合いを進め、人間的にも成長していく様子に、大丈夫かとあれこれ心配させられながらも最後はちゃんと安堵させられました。
恋ですよ、しっかり恋です。
砂原センセのHシーンはとても萌えるものがあります。今回もツボど真ん中の絡みでエロ的にも満足でした。青いのに、エロいです。
あとがきショートもよかったです。「俺は取説にでもなる!」に爆笑。「お部屋」も天然らしくて笑いました。
雪野とお父さんとのエピにうるっとくるものがあって、ラブコメながらもハートフルで心があたたかくなるお話でした。 -
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ネタバレドーナツ店店長とちょっと無気力な高校生の話。
年下がっつき攻めが可愛くて可愛くて♡
最初は無気力だった彼も、店長に対する気持ちに気づいてからは若さからのまっすぐさで突き進む感じに、大人としての分別や元彼・・・元彼との思い出から動けない店長が揺り動かされる過程がとても素敵に書かれていました!
「ドーナツの穴」の解釈、なるほどです。
そして「絶対」って言葉は、ホント若いから出る言葉だなぁとしみじみ。
10代と30手前の時間の流れの速度の違いに足を踏み出せない倉林に、それでもまっすぐな心で向かい合う凜生の態度は、そう思えば最初から片鱗は見えていたんだなぁと。
ホンワカだけじゃない、大人のずるさや若者の青さも加わってとてもいいお話でした!
しかし、宝井先生の高校生は本当に神です(真顔 -
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ドーナツの穴は果たしてただの空白なのか、それとも存在するものなのか??
「無」ではないな…と思う今日この頃。
ドーナツ屋チェーン店のバイト高校生と雇われ店長との、甘酸っぱい年の差ラブです。ごくごくありふれた恋物語だけど、高校生の凜生に並外れた特技が備わっているところが、砂原センセらしかったです。
凜生は外見は今どきの高校生なんですが、趣味が超難度の「鉛筆削り」だったり、母親に優しくなれないことに悩んだりしていて、意外に内向的。大人っぽく見えていても素顔は真面目でかわいいところもあって、カッコいいようでまだまだ発展途上なギャップにキュンとさせられます。
第一印象で使えなさそうだと思った凜生をうっかり雇ってしまった店長の倉林。彼もなぜ都会での生活をやめて「夢も希望もない」ドーナツ屋の店長をやっているのか、そこが分かってくるとやるせない気持ちにさせられると同時に急に色気を感じてしまいました。
そんな倉林に凜生がかかわることで微妙に変化が生じてくるのですが、自分の年齢や相手が高校生というこだわりで、簡単には相手の好意にこたえられません。どうせすぐダメになると後ろ向きで臆病な倉林の気持ちがすごくリアルに伝わってきます。それもこれも園田。許せないですね。凜生のおかげで少し溜飲が下がりましたが。
凜生は倉林の素直になれない気持ちにも敏感で、好きという想いをまっすぐ届けていて、そんな彼だからこそ振り向かせることができたんだなと思わせます。
倉林はネガティブに考えていたみたいですが、イチャコラしている二人の未来しか思い浮かばないのは確定です。
なんてことないストーリーなのに読んでいるうちにどんどん引き込まれるのは、ただのほんわかラブじゃなくて、恋愛の苦しさや痛みもしっかり描ききってあるからなんですよね。
とてもいい話でした! -
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10年以上前の作品に書下ろしがついて、新装文庫化。
砂原作品の原点のような話でした。研修医×ホストとか、無骨で一途な攻とか、強がってる寂しがり屋の受とか。
センセの作品での大好きな要素がいっぱいつまってるかんじです。
改稿されているんだろうけど、どことなく古臭さを覚えるのもまたよかったりしました。
ホストで稼いで荒んだ生活を送っている志上は、仕事帰りに車に撥ねられてしまいます。加害者は中学時代の同級生だった保高で、ずっと嫌っていた相手。今は研修医として働いている保高は超がつくほど善人で、腕を骨折した志上を自分のアパートへ連れ帰りあれこれ世話を焼くのですが、志上はそんな彼に素直に感謝できずに酷い態度を取ってしまいます。
昔マジメで正義漢だった男は、今もマジメで、それが志上の心を逆撫でします。
だんだん、明かされていく志上の背負うもの。単にやさぐれてしまったわけじゃないのが切ないです。
そして、保高もまたずっと隠してきた気持ちがあります。
二人とも、とっても不器用!
不思議なことに読んでるうちに、無骨で気の利いたところなんてない、ちょっとダサい保高がどんどん、とてつもなく優しくカッコよく見えてきます。
そして、素直じゃなくてひねくれ美人の志上の寂しい人生にも泣けてしまいます。
見えないところに、優しさがいっぱい隠れていて、じわじわやられてしまいました。
「夜明けには好きと言って」と「真夜中に降る光」は、ホストものとして大好きで思い入れの激しい作品なんですが、このストーリーはその前身とも思えます。砂原作品らしさにあふれています。心に響く良作。 -
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ネタバレ本編は、雑誌掲載時に読んでいて、文庫化を心待ちにしていました。
砂原センセの刑事モノということで興味津々になりました。一体どんな話になるかと思ったら、地味に毒がきいてるいつもの砂原節健在ww
シリアスと見せかけて、実はラブコメだというのは、面白いタイトルからもさりげなく匂ってきます…
大サービスなのは、イラストが北上れんセンセというところ。表紙見ただけでクラクラきました。北上センセのイラストとくれば、シリアスハードかと思っちゃいますよね…いい肩透かしくらいました。カッコいいcpにクラクラしながら、終始ニヤつきまくることになってしまいました。
警視庁組対課の食えない後輩刑事×天才的に鈍ちんな先輩刑事。
職務に専心する本名は、ガサツで大雑把な後輩の塚原が気に入りません。二人一緒で捜査に当たっているのに一向に溝が埋まらない中、麻薬の一斉摘発で関係者の一人を取り逃がしてしまいます。
手がかりをつかむため、本名は男の恋人を取り調べることに。
そして、その取調べ中、相手の女性に「女に興味ないの?」と言われてしまうのですが、本名はさっぱり理解できません。ガサツでかわいげがないのにマメに女の子とはつきあっているふうな塚原からも、本名は「実は係長が好きなのでは?」と言われてしまいます。でも、経験値に乏しく女性にあまり興味の無い本名はとっさに言い返すことができず、自分でもゲイなのでは?と不安に。「じゃあ、試してみるってのは?」とどう見ても下心丸出しの塚原に言われるまま、何も気付かずまんまと流されてしまうのです。
そんなことを仕掛ける塚原も相当ですが、でもそこからの展開が彼の思惑とは逆方向へ!本名の鈍さがまさかのとんでもない方向へ。
あのまま、廣永に特攻していたらもっと笑えたと思うんだけど、それはナシだったんでしょうか?
一応、塚原の彼シャツ願望作戦は成功していましたね~
その時の塚原のエロ目線と、その後の不機嫌さの意味がつかめてない本名の鈍感ぶりが最高でした!
書き下ろしの「キスさえできない仕事なんです」は、捜査のため和歌山まで出向き張り込みを続ける塚原と本名のじれったい関係が描かれています。
そこで、かつて本名が世話になった先輩刑事皆川と再会することになって、いっそうコトはややこしくめんどくさくなっていくのです…
下着の色を知ってるとか、そんなしょうもないことで張り合っている塚原が面白かったですww
イラストがカッコよすぎで、だからよけいにおかしさが倍増でした!
刑事モノとしてもテレビの2時間ドラマにできそうなほど、人情に訴えるいい出来。
出版社封入特典のSSペーパー「恋愛できない休日なんです」は、相変わらず仕事でラブラブもままならない二人の姿が描かれています。
仲よさそうです。
そして、同じ場所に居合わせた「言ノ葉ノ花」cp、長谷部と余村の相変わらず仲良さそうな姿もオマケのSSに!うれしかったです。 -
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十年愛。幼馴染みものでシリアスよりの話でした。
主人公は、かつて一世を風靡するような人気の子役だった束井艶。しかし、人気絶頂だった時に悪意の策略で天窓から真っ逆さまに落ちて大けがを負ってしまい、そのことで汚名を着せられ、仕事も失い、親にも失望されて、一気に奈落の底へ突き落とされてしまった過去の持ち主です。
子供の悪魔な一面にズキッとさせられます。
ずっと天使でいたかった艶ですが、運命の歯車が狂いはじめます。
馴染めない学校生活を送る艶にとって、唯一の友人なのが嘉博です。痴呆気味の祖母のために亡くなった母親のワンピースを着てあげるような男の子。
直截的には決して言いませんが、嘉博の言葉の端々から祖母や艶に対する思いやりが滲み出ているのがわかります。
そんな嘉博から「好きだ」と告白された艶。でも、あまりにもお子ちゃまだった艶はどうしていいか分からず放置してしまい、そのせいで二人の関係もだんだん疎遠になってしまいます。
そして年月が経って、二人が再会した時天使だった艶はアコギな賃金業を営む身となり果てていて。
艶の今までの人生を考えると苦い気持ちがこみ上げてきます。
自ら好んで歩いてきた道のりではないけれど、実は自分が選んできたものに他なりません。
大瀬良をはっきり責めなかったのも、嘉博に本心を伝えなかったのも、親の仕事を継いだのも、すべて艶自身の決めたことなんですよね。
ちょっと歯痒かったですが、こんな風にその時には決断できないことって誰でも身に覚えがありそうです。
妻田や紅男への責任を考えると、仕事から逃げ出すわけにもいかなかっただろうし。
かなり過酷な人生を背負っていた艶。でも、離れていても拠り所となっていたのが、嘉博でした。
強がっている艶も、心が折れそうになった時には嘉博という存在に救われているんですよね。
嘉博はずーっと艶一筋だけど、そんな自分の恋心を押し殺して、いざという時に大切な人を守ろうとする包容力ある男です。ステキでした。
二人の関係はくるくると追いかけ追いかけられ消えたと思ったらまた現れる…まさにタイトルのようです。
恋愛面もじんわりくるものがありますが、何よりストーリー展開が光っていました。意外な展開にはっとさせられ、溜飲が下がり、ぐっときます…
薄暗い夜の世界から、二人で再スタートする姿に希望がほんのり見えるラストがよかったです。どんよりした味わいの話だったのに、意外に読後感がすっきりとして、甘い感じ。
Hシーンは少ないけど、萌えは充分。脇キャラが明るく盛り上げてくれるのにほっとさせられます。
イラストもぴったりです。