中山祐次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本作は、未熟な研修医が医療現場での葛藤を通じて、医師として、そして一人の人間として成長していく過程を描いた物語である。もっとも、一巻時点では成長の「萌芽」が見られる段階に留まっており、劇的な変化や深化については、続編以降の展開に委ねられていると言っていいだろう。
作品全体としては、純文学のような重厚さを追求したものではなく、平易な文体とある種予定調和的なストーリー展開が特徴だ。時に読者の情緒に訴えかける「感動の演出」が透けて見える点は否めないが、それこそがエンターテインメントとしての読みやすさを担保している。
しかし、本作を単なる凡庸な医療小説から引き上げているのは、現役外科医である著者による圧倒的な描写力だ。病院内部の空気感、緊迫した医療行為のディテール、そして現場の冷徹なリアリティ。これらは創作上の想像力だけでは到達し得ない領域であり、本作の真骨頂と言える。
「お涙頂戴」的なプロットの裏側に、現場を知り尽くした者のみが描ける「医療の真実」が横たわっている。一般的な小説とは一線を画す、その独自の切り口こそが、本作を手に取るべき最大の理由である。 -
Posted by ブクログ
子どもの頃の重い戦争体験を抱えた、現代のブラックジャック。
常にメンテナンスを施され、立ち居振る舞いまで徹底管理された《美しい芸能人》という完璧な商品の女性が
身代わりをたて、顔貌を変えるということでその《商品というモノ》の立場から解放される。
末期癌に冒されたボクサーが、タイトルマッチに挑戦するためだけにほんの少し体調を整える。
自分と似た体験をした、重体の腕利きのスナイパーを前にした時のトラウマとフラッシュバック。
登場人物が《平凡な毎日》と引き換えにしているものは過酷だ。
平凡バンザイ!VIVA!!ヘイボン!!!
なんつってる自分は次はどのエンタメを満喫しようかな。