文倉十のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ上下巻の久しぶりの長編である上巻。
前巻で一応両思いになったふたり。
かなり読んでいて甘ったるい。
二人の間での意地の張り合いや駆け引きといったものがなくなり
真っ直ぐな言動が多くなってきた。
ロレンスが今までのような遠慮より
男としてホロに対等に接するようになったし
神と崇められるのが苦手なホロが、口では賢狼と言いつつも嬉しそうで
読んでいて微笑ましくも気恥ずかしくもある。
ミューリの話を聞いてロレンスに抱きついて泣きじゃくるのには
それほどショックだったとも言えるが、それが赦される関係になったのだ
とも思えた。
もしかするとミューリと普通に出会えるのかもしれないと思って読んでいたので
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Posted by ブクログ
ネタバレ本編の続きを期待していたが、今巻も短編集。
ホロ視点と、ノーラの短編が入っていたのは
目新しく面白かった。
が、ノーラの短編はその後のノーラが描かれており
彼女の夢が叶ったわけでもなく、飽くまでその後。
しかも、視点がエネクなのである。
あとがきにもあったが、確かにノーラ視点ではつまらなかったかもしれないが
ちょっとずるい様な気もした。
しかし、エネクの行動をノーラが勘違いして
心外だ、とエネクが思っているのは可愛かった。
人と動物に限らず、大人と子供といった間柄で
上であると思っている側が相手を必要以上に幼く見て
勝手に勘違いしてしまうようなことは
実際よくあるのだろうなと思った。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集。
短編だからというだけではなくて、お話の内容的にも
面白く、とても読みやすかった。
特に、エーブが商人として足を踏み出したばかりの頃のお話は
非常に興味深かった。
彼女の過去に興味はあるけれど、長々と描かれるとうんざりしそうで
これくらいの長さで、駆け出しの頃の事件を少し書いてくれる方が
逆に読者としても想像力をかき立てられて良いと思った。
ちょっと悲しい話ではあったが、彼女が一人ではなかったことや
ミルトンに手酷く裏切られた訳ではなかったのが
少しほっとした。
こうした過去を抱えた彼女がホロたちに出会ったのだと思うと
確かに筆者が仰るように、彼女の登場巻を読み返してみたくなる。 -