大村大次郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった。読んですぐ感想書かなかったせいで結構忘れてるけど…。
古代のあたりは資料が少ないこともあって、日本に優れた会計システムがあった、のエビデンスが弱めに感じた。近代〜現代のあたりの方がより面白かった。
徴税官の不正によって税収が減り、国家の国力が下がり、国が衰えてくのが典型的な歴史パターン。というのが繰り返されてて面白い。この作者の書いた会計の世界史の本にも通じるものがある。
田中角栄の脱税術、汚い金は現金で受け取り記録を残すな
パソナの竹中平蔵の方針。企業は内部留保を増やして賃金をケチり、労働ではなく投資で儲ける社会へ。この構想が練られたのは思ったより昔だったけど、今の給料が上がらなくて国が投資を推奨しまくってる状況に繋がってて、源流はここなのか…!と学びになった -
Posted by ブクログ
トランプ氏が米国大統領に復帰してから3ヶ月後の、2025年4月に突如、全ての国に大して関税を引き上げると一方的に宣言しました、貿易赤字額の多い国に対して、高い関税を課すというものでした。日本企業の輸出が減って困るとか、最終的には米国民が負担することになるなど、様々なコメントを見てきました。
しかし、この本で書かれていたコメント「今まで自由貿易をすることで米国を発展させてきたのに、それと全く反対のことを実施した」という内容には驚きました、さらに関税を上げることは、昔なら宣戦布告に近い手段であることも記されていました。
なぜ、ドイツや日本が戦争を引き起こす手段をとったのかも、説明されていました、関税が大きく関わっている様です。アメリカが各国に対して高関税を要求していることで、米国および日本国債市場、ゴールド価格に影響しているのでしょう。やはり時代の変わり目に差し掛かっているのだと感じました。
以下は気になったポイントです。
・モンゴル帝国は 現在の 関税の原型のような「先駆的な関税」の導入にすでに成功していた 、関税が1回しか課せられなければ交易は ダイナミックに発展する、ものの値段を安くすることができるので 商人にとっても民衆にとっても喜ばしいことであった、 そして世界的な流通革命が起きた(p32)
・ スペイン や ポルトガルは、どうにかして オスマン・トルコを経ずにアジアと交易する方法を模索した、 そして 行き着いたのが、オスマン・トルコを回避して、アジアと直接貿易をする「大航海」であった(p37)
・スペインとポルトガルのルート開拓を目にしたオスマントルコ も新たな手を打ってきた、1535年に フランスと提携関係を結び 通商特権を与えた。 これはフランス人 商人がオスマントルコで商売をする場合には、 治外法権・領事裁判権・個人税 免除・財産 住居 通行の自由を認めるというものであった。キリスト教国のフランスがオスマン・トルコと提携した理由は 、フランスは当時 スペインと敵対していたから。 同様の条約をイギリス オランダとも結んだ、この結果 フランス・イギリス・オランダはスペイン や ポルトガルよりもはるかに 安価に香料を入手できるようになった(p39)
・ 商人に対する裁判権は オスマン側にはない、オスマン側は関税を勝手に変えない、という オスマン側の配慮は、欧米列強の「治外法権を認め」「関税自主権を認めない」ことにつながっていった(p40)
・世界中に植民地を持ち アメリカ大陸から膨大な 金銀を持ち込んでいた スペインが、なぜそこまで 財政悪化したのか、 大きな理由として、戦争と宗教がある。 スペインはイスラム世界と接する地域にあり、 キリスト教の砦を自認していた、 そのため イスラム圏とは常に 小競り合いを繰り返していた。 無敵艦隊を維持するだけでも相当の費用がかかっていた(p51)
・ スペインは常習的な財政難を解決するために「 アルカ バラ」 という 税金に依存する。 これがスペインを衰退させた最大の要因だとみられる、アルカバラは、関税と消費税を組み合わせたような 税金で、中世の頃 イスラム圏 から 持ち込まれた。 ある物品が国外から持ち込まれると 課税され、その持ち込まれた物品が国内で取引されるたびに、さらに課税される仕組みになっていた、 つまり 1つの 物品に対して何度も税金が課せられた(p52) その結果 物価が上がり景気は低迷した、 この物価上昇は 定率的にはアメリカ大陸から大量の銀が 流入したためとされるが、実は 銀流入の前から始まっている、 物価上昇すると商品が他の国に比べて 割高になり 輸出しにくくなりその一方で 安い 輸入品が国内で出回ることになり 国際収支が悪化した(p57)
・ 17世紀に流行った「 重商主義」 は、金銀 ばかり貯めろ、というものである。 この思想は エスカレートして金銀で消費財を購入することはばかばかしいという主張さえ出てきた、 金銀 は将来にわたって価値があるけれど 消費財は価値が減ってしまうという理由からである 、フランスでは この思想をもとに関税を大幅に引き上げた。 関税が引き上げられると相手国は怒る その分 輸出ができなくなるからである、オランダとの関係悪化を招き 1672年の仏蘭戦争に繋がった(p64)
・アメリカがイギリスの植民地だった時代 税金はほとんど 課せられなかった、 それは当時の北アメリカが植民地としてそれほど重要ではなかったからである。 金銀の大鉱山があった 南米、 貴重な 香料が採れた 東アジアに比べて 重要度は低かった(p70)
・アメリカ連邦政府は 独立戦争に勝利した後 関税を主な財源としていた、 関税を高い水準にし アメリカの工業を守るとともに 税収を確保したいと考えていた、アメリカは 建国から100年間は 財源の9割以上を 関税が担っていた、ただし 南部 諸州 の多くの農家では 綿花のイギリスへの輸出を主要な収入源としていた、アメリカが関税を引き上げると イギリスも 報復的な関税 値上げを行い 農家は打撃を受けることになるので 南部は関税の引き上げに猛反対した、ついには1861年 南部11州がアメリカ合衆国からの離脱を宣言した(p84)
・清は、 アヘン戦争以降 欧米から多額の借金をするようになり その借金の担保として上海の税関を欧米に明け渡すことになった(p91) 税関を英仏 米に明け渡してしまってからは、帰って真の政府関税収入が増えた、 英仏米の役人は、借款の返済や治療 経費を差し引いた残額をきっちり 清朝の中央政府に払った、中央政府にとってはありがたい面が多かった(p93)
・ 19世紀までのタイの領土は、カンボジア・ ラオス・ マレーシアにも及んでいたが、 イギリスやフランスからかなり侵食される。 タイは1909年までに支配地域を 46万 km2も割譲しており 、以前は倍の国土があった。 当時のアジア諸国は植民地になるか 領土を侵食されるかという状況であった(p94)
・関税自主権がない国には欧米は輸出のし放題となっていた、 その代金が払えなくなると列強は様々な利権を要求した。上海の関税を欧米に差し押さえられたように、 アジア諸国では関税の他にも 鉱山・ 港湾の 権利、領土の割譲 などを要求されることがあった(p104)
・日本は関税自主権がなかったので 関税によって輸入を抑えることはできなかったが、 輸入に見合うくらいの輸出ができた、 つまり 日本は 開国 当初から強い 輸出力を持っていた、それは 生糸であった(p195)
・タイが 関税自主権を持てたのは第一次世界大戦後であり、 中国の場合は1928年 である。 その他のアジア諸国が本当の意味で 関税自主権を持てたのは第二次世界大戦後である。アジア諸国のほとんどは 第二次世界大戦までは 欧米の植民地だったり、 事実上、 欧米列強の勢力圏に組み込まれていて、まともな 交易 はされていなかった(p112)
・戦前はアメリカ製の自動車が 日本の市場を席巻したので、 日本は輸入自動車に高い関税を設定していた。アメリカの自動車メーカーは日本に 組み立て工場を作るなどして日本の自動車市場はずっとアメリカ車が独占していた。業を 煮やした日本政府は、関税をさらに引き上げ 日本での組み立て工場を事実上 禁止するなどして強引にアメリカ 車を締め出した、それが 日米関係が悪化する要因の一つになった(p119)
・ 日本は国内メーカーを育成するために 昭和11年に自動車製造事業法という法律を作った、 この法律は事実上「 国内の自動車会社しか日本で製造販売できない」というものであった、 現在のアメリカの関税政策などよりもはるかに強力な締め出し 政策であった、 さらに関税を引き上げることで フォード や GM は 現地生産の旨味が大きく損なわれて 相次いで撤退した (p126)
・ 日本では 幕末の開国 以来 絹の原料である 生糸が輸出の主力であった、そのうち 日本の産業界は 生糸を売るよりも 絹・麺を製造して売った方が儲けが大きいことに気づき、次第に紡績業が発展していく(p133)
・イギリスはインドにおいて 綿製品の市場を日本に奪われた、 これに 慌てたイギリスは強硬手段として輸入規制=ブロック経済化を行った、インドはイギリス政府の要望に応える形で 昭和5年(1930) 4月に、免許を保護法を 施行、 綿製品に対してイギリス製品は15%、 その他の国の製品には20%の関税を課した(p138)インド市場から締め出された日本は、そのはけ口を満州に求めることになった(p140)
・ 収入のほとんどを消費してしまう 貧乏人ほど 関税の負担割合が高くなる、そのため 関税は貧富の差が広がるということで、 関税を減らし 金持ちを中心に課せられる「 所得税」を創設した(p152)
・ 第一次世界大戦でアメリカは 大儲けしたが 戦争が終結すると軍需が急になくなった、 ヨーロッパ諸国は、 商社も敗者も戦争で疲弊しこれまでのように アメリカ製品を大量に輸入することはできなかった、 これに危機感を覚えたアメリカは自国の製品を自国で消費するために外国からの輸入を締め出す 方針「 高関税政策」を打ち出した、世界一金持ちになったアメリカにたくさん物を買ってもらわなくてはならないのに、アメリカが輸入を閉ざしたので ヨーロッパ諸国はどこも 経済状態が非常に悪化した(p155)
・アメリカは金が流入してるにもかかわらず 通貨量を増やさなかった、1922年8月以降流入した金は連邦準備銀行の金準備に含めないようにした、 すると アメリカは金が大量に入ってくるにもかかわらず 国際競争力は落ちなかった、アメリカの貿易黒字はますます増え 金がますます 流入してくることになった(p157)
・世界を 大恐慌に陥れたアメリカは さらにその被害を甚大にする政策を行った、スムート・ホーリー法を成立させた、アメリカの輸入に関して約2万 品目の関税を大幅に引き上げるというものであった、アメリカに輸出をしていた国々は大きな打撃を受けた。 これに対処するため 世界各国が関税を引き上げた、このため世界貿易は大きく 縮小し世界中の国々の経済が混乱 疲弊した(p161)
・英仏 が宣戦布告する前 までの ナチスの領土拡大政策のほとんどは、 旧ドイツ帝国の国土回復か、 ドイツ語圏 地域の併合であった、ナチスのこの政策は当時は国際的な避難をそれほど受けていなかった(p172) ドイツがこのようなことを行ったのは、 英仏のブロック経済に対抗するためであった(p176) 当時の ナチスドイツは、実は、東欧・中欧 ・中南米窓からはそれなりに指示されていた、 当時の国際経済においてはナチスは「持たざるもの」の代弁者的な性格を持っていた(p181)
・世界 大恐慌以降、 イギリスやフランスがブロック経済を敷いたため 大量の失業者を生んでしまった、 だからアメリカは自由貿易を推進した、第二次世界対戦 終戦の年 の 1945年 イギリスはアメリカに対して38億ドルの融資を求めた。アメリカはその融資の見返りとして イギリスのブロック経済の解体を求めた、 フランスも同様であった(p195)
・第二次世界対戦後の国際経済は「関税はゼロに近づくほどいい」という理念のもとに アメリカが肝いりとなって、GATTという国際条約が作られた、 これは現在は WTO の基本ルール として 引き継がれている。 このルールの神話、1) 関税はなるべく 低、2) 1つの品目に関しては一つの関税しか設定してはならない、相手 国によって 関税率を変えてはならない、3)理由なく 輸出の規制をしてはならない(P196)
・ 1971年にアメリカはドルと金の打感の約束を崩壊させた、アメリカの貿易赤字により金の流出が続き金との兌換の約束が守れなくなった、 その最大の原因は日本であった。 輸入を減らすために 輸入品に対して一律10%の課徴金を課した、 これは事実上の関税と言えるものである(P207)
・ドイツのルール工業地帯は第二次世界大戦後、 連合国とドイツ 周辺国 によって共同管理されることになった、そういう時に フランスから持ちかけられたのが 欧州共同体 計画である。 フランス・西ドイツ・イタリア・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクの6カ国の鉄鋼業・石炭業を統合しようという提案であった、 そしてこの6か国でドイツのルール工業地帯 も共同管理しようというものであった。フランスとドイツが「今後は自分たちで 共同管理する」と言ってきたので 、英米は、関与する 道義はなく手を引かざるを得なかった(P233)
・アメリカが貿易赤字を削減しようとすれば アメリカドルを世界から回収することになる、世界中で 貿易量が拡大しており その決済通貨である アメリカドルの需要は非常に大きい、 そのドルの流通量が減れば世界貿易が収縮してしまう(P259)
・貿易黒字という と聞こえはいいが 要は自国の富は持ち出しであり、 その代価としての他国の通貨がたまっていくに過ぎない、 他国の通貨がたまっていく ことは 自国を豊かにするのでなく、自国の物価を押し上げるだけである、日本の輸出企業は 代価として受け取った ドルを円に交換するので日本円が増えてその分だけ 物価が上がり 国民には何の得もない(P265)
2026年2月4日読破
2026年2月5日作成 -
Posted by ブクログ
日本の絶望的観点を整理すると、キャリア官僚と開業医(精神科病院等)などの既得権益が国民経済の最大の税負担となっている、と言う。20歳そこらで国家1種試験で合格し手にしたキャリア官僚の天下り先、一つの例としては日本高速道路での半官半民での複雑な天下り組織(特殊法人、独立行政法人などと建設業界)は税金の無駄使い、と指摘している。また、日本の病院は世界と比較しても多いが国立病院の収支は厳しい、その理由は開業医などへの医療界の組織的配慮と税金補填にあると言う。日本での低賃金の要因は安易な海外進出移転(国内空洞化=労働生産性低下=GDP低減)などで一気に所得増した超富裕層(個人資産家・経営者層・政治家等)と1989年に導入された消費税増額だ、と言う。少子化、結婚できない層が増えた要因はその消費税がガンであり、年々額を増やすことで一番多く負担する若い層に貧困層が広がったことだ、と言う。政治政策の視点は多くの既得権益などを一斉に見直しすること、天下り先などの半官半民組織の見直し、解散などから消費税減税に繋げ、次世代への人材育成投資などが目先の改革になる。
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Posted by ブクログ
客観的なデータを示したうえで、著者が分析を加えており、問題のありかを示している点で読みごたえあった。それだけに、タイトルがネガティブなのはもったいないと思う。
日本の公共事業費がGDPに占める割合は3.7%で、主要先進国の中で最も高い。しかし、環状道路の整備率は、海外の主要都市では100%近いのに対して、東京は47%。下水道普及率は地方の県で低く、徳島県は19%、和歌山県は29%。電柱は先進国にはほとんどなく、地中に埋められているが、東京の無電柱化率は8%、大阪でも6%。
政治家は、自分を支持する建設土木業者のために公共事業を誘致しようとするため、その業者が得意な公共事業ばかりが予算化される。不備のあるインフラを整備しようという発想は全く無いため、偏った公共事業ばかりが行われることになる。
竹下登や青木幹雄などの島根県出身の国会議員は、こぞって地元に公共事業を誘致し、自らの政治権力をアピールしてきた。県民一人あたりに使われる公共事業費は、常に全国で5位以内に入り、北海道や沖縄県に匹敵するほどの公共事業を受注してきたため、島根県の経済は公共事業に全く頼り切った体質になった。それほどの税金を使いながら、島根県は数十年の間、人口流出でワースト10に入るほどの過疎県となっている。
1990年、海部首相がアメリカに対する公約として、今後10年間で430兆円の公共事業を行うと明言した。その後、村山内閣の時に、この公約は630兆円に上方修正された。現在の国の借金が1000兆円を超えているは、この公共事業に端を発すると著者は主張する。
※実際の公共事業関係費は、多くても年20〜30兆円程度で、現在では年5〜6兆円程度。社会保障費は現在36兆円。
医療費はすべて社会保険で賄われているのではなく、税金から補填されており、社会保障費の中で一番大きい。病床の約80%は民間病院にあるが、民間病院では手間がかかる上にリスクが大きい重症患者などは受け入れたがらないため、集中治療室などはあまり設置されていない。そのため、日本の人口当たりの病床数は世界一だが、集中治療室の数はOECDでワースト4位という状況になっている。他の先進国では病床の半分以上が公立病院にある。
開業医には、同じ治療をしても公立病院よりも多くの診療報酬を得られたり、高血圧や糖尿病の健康管理をすれば報酬を得られるなどの特権がたくさんある。開業医の平均年収は国立病院の院長よりも高く、勤務医の2倍にもなる。その理由は、開業医は日本医師会という強力な圧力団体を持っているため。
※政治団体である日本医師連盟を通して、2021~2023年の3年間で6億5000万円を自民党へ献金しており、その額は業界団体・政治団体で最大(会社四季報オンライン)。国会議員への献金やパーティー券購入もしており、年間総額は5億2000万円に上る(東京新聞)。
人口当たりの医師の数は、OECDでワースト5位。人口当たりの新卒の医師数は、OECDの中で最下位。日本医師会は、自分たちの収入が下がらないようにするために、医学部の新設に強硬に反対してきた。日本で寝たきりの老人数が世界一なのは、延命治療で儲かっている民間病院が多いため。民間病院は、圧力をかけて現状の終末医療を変更させていない。先進国では、自力で生きることができなくなったら、無理な延命治療はしないことがスタンダードになっている。
※高齢者が病院に長期入院しているのは、公的保険で医療が安価に受けられることや、介護施設の数が不足している点も指摘されている。
日本は国内での設備投資は伸びていないが、海外には盛んに設備投資を行っており、その直接投資残高は外国から日本への投資残高の5倍以上になっている。日本の経常収支の黒字が続いているのは、この対外投資によるものが多く、特に2010年代以降にその割合が拡大した。国内の工場が海外に移転していることも、この数値に表れている。
欧米の企業は国内の工場を簡単に海外に移転することは少なく、工場労働者や下請け企業などとの折衝を行い、なるべくダメージを受けないような方策がとられる。ドイツの法律では、大企業の経営を監査する監査役会の人員の半分は労働者代表が占めることになっているため、安易な人員削減はできない。
現在の税制では、企業が外国の子会社から配当を受け取った場合に、その95%は課税対象から外される(外国子会社配当益金不算入制度)。これは、現地国と日本で二重に課税されるのを防ぐことが建前だが、配当に対する税金は世界的に10%前後であるのに対して、法人税は20~30%のため、結果的に企業が得をしているケースが多い。結果的に、政府は企業のグローバル化を後押ししており、日本経済を蝕んでいる。
日本の官僚たちは、全国に特殊法人や半公的団体を作り、官僚の天下り先にしている。そして、莫大な税金を投入したり、法的な独占特権を与えたりして、日本の財政を悪化させている最大の要因になっている。
※天下り法人は一般法人と比べて補助金受給額が7倍にも及ぶ(会計検査院調べ)
少子化の原因の一つは非正規雇用である。30~34歳の男性では、正社員の既婚率は約60%だが、非正規社員の既婚率は20%。 現在、日本で働く人の約4割が非正規雇用で、その中で男性が700万人近くを占め、20年前より倍増している。バブル崩壊後、財界は「雇用の流動化」と称して非正規雇用を増やす方針を打ち出した。政府は1999年に労働者派遣法改正し、それまで26業種に限定されていた派遣労働可能業種を一部を除いて全面解禁した。さらに、2004年には除外となっていた製造業でも解禁し、ほとんどの産業で派遣労働が可能になった。その結果、90年代半ばまでは20%程度だった非正規雇用の割合が98年から急激に上昇し、現在では30%を大きく超えている。また、高等教育費の財政負担率はOECDでワースト2位の32%で、家計の負担が大きい。 -
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100円で買った本。世界史の出来事で、あれは脱税が原因だったんだよ、と説明してくれる本。
すぐに思い出せるのだけで言うと、中世ヨーロッパは国の徴税権よりも、キリスト教会への納税の方が権力が大きいので、納税者を集めるために、海外へ布教しに行ったとか。
イギリスには古い家には窓が無いのは、窓に税金がかかってたからとか。ビートルズは収入の90%を税金で持ってかれてたとか。ボストンお茶会事件は、もともとアメリカが宗主国の英国への脱税してた原因だったとか。アメリカ人は今でも紅茶よりコーヒーが好きなのはそれが理由だとかね。
なんか、、、面白い本だった。この著者の本他にも読んでみたいかな。 -
Posted by ブクログ
確定申告の基礎と、様々な節税テクニックを紹介する本。
著者が元国税調査官だけあって、非常に実践的、かつ分かりやすい。
直近の事例にも対応していて、とても質の高い本だった。
中でも最も大切だと思うのは、
「税務署の言う事を鵜呑みにするな」
ということ。
税務署員は必要最低限のことしか教えてくれない。
「こうすればもっと税金が安くなるよ」といったアドバイスはありえない。
なぜなら彼らの仕事は、より多く税金を取ることだから。
なので税金を下げたければ、自分で調べて、自分で権利を行使する必要がある。
これが日本の仕組みである。
他にも
・青色申告のメリットとデメリット
・減価償却
・消費税とインボイス
など、基本的なことは一通り解説してくれている。
これを読んでおけば、確定申告の際にとても役立つだろう。
強くおすすめできる一冊。 -
Posted by ブクログ
「財務省が日本の政権を握ってる」、「お金持ちほど税金を納めていない」というような言葉は耳にしたことがあるが、実際にデータを用いられると説得力がマシとても現実味を帯びた。
一見、貧富の差を減らす目的に見える相続税だが、それ自体にも抜け穴があり、貧富の差を是正するという本来の意味は果たせてない。やってることは、大金持ち達を除いた、中所得層と低所得層の間の少しばかりの貧富の差の是正。そして、貧富の差の拡大に拍車をかける消費税。
どの税金も恐ろしいと感じるほど、多くの知識を得られたのは大きいが、それと同時にこの制度は一生続くんだろうなーという不安は募った。
サラリーマンとしては、少しでも節税を心がけることしか出来ないと感じた。 -
Posted by ブクログ
本書は有史以来の「経済危機」をピックアップし、詳述し、その対応と結果を学ぶことで今後起こりうる経済危機にいかに対応すべきかを検討するものである。取り上げられた「経済危機」は災害から、戦争、疫病に至るまであらゆる原因で起こったものを対象としている。昨今、コロナ危機やロシアによるウクライナ侵攻を起因とする物価高、物流網の混乱、エネルギー価格の高騰などあらゆる経済危機が押し寄せている。その中で歴史を学ぶことによって世界は経済危機をどのように克服し、どのような結果に至るのか予見可能性を高めようと手に取った。そのような中で人類は度重なる危機に接し、知恵を振り絞り対応してきたことが見て取れた。一方、現在進行中の経済危機を仮にも脱却したと言える日はまだ先であることも実感した。各国の帰趨を見守るとともに個人レベルの生活にどのような影響が出てくるのか今以上に中止すべきだと強く感じた。