沢木耕太郎のレビュー一覧

  • 深夜特急6―南ヨーロッパ・ロンドン―(新潮文庫)【増補新版】

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    日本から出発してユーラシア大陸を横断、ついに目的地のイギリスはロンドンに到着します。最後の結末に、思わずにやりとしてしまいました。未読の方は是非一読を。あてのない旅に出てしまうかもしれませんが

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    2025年12月21日
  • テロルの決算

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    沢木氏初の長編ノンフィクションということで良い意味で肩に力が入っている。中立的かつ硬派に、浅沼社会党委員長刺殺事件の背景を抉り出す。

    「あとがき」で著者が書いているように、本書は山口二矢とともに、浅沼稲次郎へも焦点を当てたことにより飛躍的に重層感増す作品となっている。戦後混迷期の少年による野党党首殺害というセンセーショナル性だけが現代でも語り継がれているが、山口二矢という極右的思想を持った一途で頑強な極めて稀有な人物がたまたま少年だったという事実と、党内紛と熱量低下でモチーフ化しつつあった浅沼稲次郎が至極不幸な形で交叉したのがあの3党首立会演説会であった。小林日教組委員長でも野坂共産党党首だ

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    2016年06月27日
  • 旅の窓

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    ネタバレ

    プロのカメラマンでない著者が撮つた写真が添えられた文章と一緒になって、ほんわかした気分にさせられる。

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    2016年05月29日
  • テロルの決算

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    沢木耕太郎の傑作と名高いので読んでおかねばと思って読んだ。浅沼稲次郎暗殺の全貌を膨大な取材と正確な筆致で炙り出している。終戦後の日本の政局や当時の右翼・左翼のあり方についてある程度の知識がないとややつらい

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    2016年03月21日
  • 危機の宰相

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    タイトルの危機の宰相とは、池田勇人のことである。
    本作は、彼とそのブレーンであった下村治、田村敏雄の3人に焦点を当てた物語である。
    池田勇人といえば「所得倍増」である。
    著者が戦後最大のコピーというこのキャッチーなコピーもさることながら、実現不可能と言われた経済成長率を彼らは見事に実現させた。
    紆余曲折を経て彼らは出会い、歴史の1ページに名を残した。
    一国の総理ですら挫折を味わったのだと思うと、親近感が湧くと同時に、当時の彼の想いを想像すると切なくなる。
    丹念に取材されていて、読みやすくとても面白かった。

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    2016年02月15日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    沢木耕太郎による、『バーボン・ストリート』(1984年、第1回講談社エッセイ賞受賞作)、『チェーン・スモーキング』(1990年)に次ぐ、2011年発表のエッセイ集。2014年文庫化。
    複数のエピソードの間を魔法の絨毯で飛んでいるような、さり気なくも絶妙かつ緻密な構成は、相変わらずである。
    沢木氏はあとがきで、「『チェーン・スモーキング』を書き終えたとき、このようなスタイルのエッセイ集はもう出せないだろうと思った。「話のタネ」の入っている箱を逆さにしてポンポンとはたいてしまったような感じがしていたからだ。しかし、気がつくと、空っぽになってしまったはずのその箱に、友人や知人に向かってつい酒場で話し

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    2017年12月22日
  • 世界は「使われなかった人生」であふれてる

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    沢木耕太郎が、雑誌「暮らしの手帖」に連載した映画評から30篇を選び、前後に映画にまつわるエッセイを配してまとめた作品集(2001年出版、2007年文庫化)である。
    沢木氏は、代表作の『深夜特急』のほか、『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞(1979年)を受賞しているノンフィクション・ライターであるが、一方、『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞(1985年)を受賞し、辛口の山口瞳をして「エッセイを小説のように書く」と言わしめる類まれなエッセイストでもある。
    本書は、1947年生まれで50歳を越えた沢木氏が、お気に入りの映画を材料に、「有り得たかも知れないもうひとつの人生」という“人

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    2016年01月15日
  • 一瞬の夏(下)

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    ついに生活が逼迫し、仕事を始めてしまう。
    そして練習時間が取れなくなり、体に肉が付く。
    万全では無い状態でリングに上がらざるを得なくなる。
    そして敗北。
    ボクシングとは本当に厳しい世界だと思う。
    実力だけではなく、お金、周りの人の協力、特にひいきにしてくれる力のある人物などが、この世界で成功するためには必要なのだ。

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    2016年01月15日
  • 危機の宰相

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    池田勇人とそのブレーン下村脩、更に後援会の田村敏雄という大蔵省における敗者三人が、所得倍増計画を作って実行していく様子なので、果てしなく地味な話ではあるものの、なかなか皮肉な運命が散見されておっていやはや。

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    2015年11月25日
  • 一瞬の夏(下)

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    ボクサー、カシアス内藤の復活にまつわる人間ドラマ。一度破れた、韓国のボクサー柳に対戦を申し込み、リベンジに挑戦する。

    上巻とかなり話が変わってくる下巻。というのも、作者自身が試合のマッチングやそのための金策をする話が多く、そこでスポーツに関係のない、人間の嫌な部分が、これでもかというくらいに描かれる。

    不謹慎ながら、そこが一番面白かったのは、冷静な筆致ながら、かなり感情が顕になっていたからであろう。

    試合結果は結局ダメで、ダメなりのハッピーエンドというのは予想していたが、グーッと上下2巻で引っ張って、割とあっさりなのは、個人的には好感を持った。こういう作品だと、試合こそ全て、という具合に

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    2015年09月05日
  • 一瞬の夏(下)

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    纏わりつくような粘度の高い人間ドラマ。次から次に起こる問題はノンフィクションを疑わせるほどだが、そこにある結末は残酷であり一抹の希望を感じさせるものである。

    決意と現実に揺れる内藤、柳戦をマッチメイクするためのハードな交渉を担う沢木、内藤とエディとの強い信頼関係の裏にある極度に脆い緊張状態。すべては何のための闘いなのか。そこ先に何があるのか。目指した「いつか」は見つかったのか。

    読む人にとっては内藤たちの格闘は大いなる敗北に映るかもしれない。朴戦に至るまでの1年の行跡は無駄足に映るかもしれない。しかし理亜ちゃんを膝の上に乗せて思い出した沢木氏の本心と、理亜ちゃんの笑顔は、不要なことはない偶

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    2015年08月24日
  • 一瞬の夏(上)

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    本書はルポとはいえないかもしれない。筆者が被写体に入り込み自分の抱える閉塞感や焦燥感を内藤へ重ね託す。才能ある者は湯水の如く湧く才能を浪費し才能が疲弊し喪失しかかったときに取り返しの付かなさに気付き再起を図るのかもしれない。ニューオリンズでのカシアス・クレイ(アリ)の復帰戦はショービジネスと化した何とも言えない物悲しい残骸感が漂う。試合前の計量者やマネージャーの態度は戦う者への敬意が欠如した見世物に成り下がった実情を感じさせられる。

    一方、カシアス内藤や大戸のボクシングへの真摯な姿勢に対して本番でのある種期待はずれの不完全燃焼な出来は弥が上にも現実は常にドラマチックとは限らない現実を突きつけ

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    2015年08月09日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    もう十年以上前「チェーン・スモーキング」、「バーボン・ストリート」を読んでいたのだが、久しぶりに沢木さんのエッセイを読んだ。
    いろいろな体験をしている沢木さんだけあって、さすがに話題は豊富。ただ、話があちらこちらに飛ぶ印象があり、腰の座らない読後感・・・。
    一章をもう少し短くして、焦点をわかりやすくした文章の方が自分の好み。

    ☆4個

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    2015年07月15日
  • 一瞬の夏(下)

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    人生の中で凝縮された時間

    「優しさ」はボクサーにとってはマイナス

    人生にとっては必要なことかも・・・

    最終章のリアでなんか救われた・・・

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    2015年03月27日
  • 一瞬の夏(上)

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    もう40年前の出来事であるのに、全然古めかしい感じはしない。才能があるが今は落ちぶれたボクサーと、不遇なトレーナー、自分の人生に思いを重ねた私が、再起をかけて闘いをいどむ物語。
    私ノンフィクションの金字塔と評価される作品だが、小説としても評価できる作品。

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    2015年01月31日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    以前は普通に沢木さんの文章を読んでいたけれど、いま、改めて読むと、その表現の的確さに驚かされる。端的に分かりやすく、そしてかつカッコいい。こんな文章を書ける人間になりたいものだ。
    沢木さんのエッセイは久しぶりに読んだので、あまりにストレート物言いや経験の豊富さにのめりこんだ。
    良い文章を読むと、良い文章が書ける気がする。やっぱりすごい人なんだなぁ。

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    2014年09月17日
  • ポーカー・フェース(新潮文庫)

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    やっぱり上手いなぁ、と思う。バーで友人と話しているときのように、ある話がまた別のある話につながり、それが全くの自然で何がきっかけで今この話してるんだっけ?というくらい軽やかに流れていく。さすがの貫禄、筆力。チェーン・スモーキングとバーボン・ストリート、もう10年も前に読んだ本だけど、再読してみよう。

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    2014年07月05日
  • 一瞬の夏(上)

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    カシアス内藤という実在するボクサーの再起を描いたノンフィクションの前編。下巻を読み終わってないので細かい感想はまだひかえる。今のところは面白く読めている。

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    2014年06月30日
  • 危機の宰相

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    確かに所得倍増って言われても、
    それは月給のことなのかGDPのことなのか、
    はたまた他の何かなのか、言われてみると良く分からない。
    後の世代に生まれた者としては、
    とにかく「景気の良い時代だったのだ」、
    というだけの印象が大きい。

    そういう曖昧模糊とした「所得倍増」の成立ちを、
    池田勇人、田村敏夫、下村治の生を通して視ていくのは面白い。
    そこには様々な意図、偶然、思想、人が絡んでいたのだ。

    「テロルの決算」もそうだったが、
    読むことで近代史に目を向けたくなると思わせてくれるところが、
    この本の素晴らしいところだと個人的に感じる。

    「未完の六月」は是非書いてほしかったが。

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    2014年05月03日
  • 一瞬の夏(下)

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    大のボクシングファンなので期待して読んだが、期待に応える内容だった。ボクサーの生活や試合を興業として行うまでの過程のリアリティーが素晴らしい。そしてすべてが終わった後の締めくくり方も秀逸で本当に引き込まれた。

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    2014年04月30日