大山誠一郎のレビュー一覧
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「夜半のちぎり/岡崎琢磨」
シンガポールの新婚旅行で奥さんが殺される。そこで元カノも結婚していて、彼と来ている。その彼が実は今の奥さんとも付き合っていて犯人というだけの話。
「透明人間は密室に潜む/阿津川辰海」
これは力作ですね。なぜか肌が透明になる人たちが現れてきて、そうなると透明人間は不便。人とぶつかるし、食べ物は見えるし、病院で患部の診察もできない。それでメイクを施すことになる。透明であることを利用して殺人事件を試みるのが出足。倒叙ということになる。身体に吸収したものは老廃物でも透明だがそれ以外は見えてしまうので爪の間の垢、歩いた時についた泥なども危ない。人通りの少ないところを探すのに数日をかける。殺す相手は透明化を直す薬を発見した博士。それなら助かるんではないかと思うが。慎重の上にも慎重に殺害を実行するが、夫にはバレバレで後をつけられている。殺人は成功するが、犯人がどこにいるか分からない。ガラスをばらまいたり、指し棒を無秩序に振り回すがいない。実は、死体の上に横たわってたいというアイデアが面白い。さらに動機。実は透明を利用して他の人になりかわっていたので、透明でなくなるとそれがばれてしまうというもの。透明人間のディテイルから、透明人間の殺害のあれこれ、動機まで腹いっぱいのアイデアが詰まってました。
「顔のない死体はなぜ顔がないのか/大山誠一郎」
顔のない死体とクビのない死体は違う。ともに通常は別人に思わせるためのトリックというのが定石だがそれを覆すアイデア。顔がないと身元が判明しないので、歯型から歯医者を探すことになる。どこの歯医者にかかっていたのか分からないので近くの病院に照会をかける。実は死体の女性はその歯科医と不倫していて、元夫の犯人は、自分の子がその歯科医の子どもなのではないかと疑い、彼のDNAを採取したくて企んだもの。なかなか面白い。
「首無館の殺人 白井智之」
これはひどい。殺人後雪が降っていたが足跡がないことから密室状態。本館から別館に移るのにロープはない。死体の腸をひっぱりだしつないでロープにしたというもの。
「袋小路の猫探偵 松尾由美」
袋小路で女性モノのハンドバックを持った泥棒の若者とそれを追いかける警官と会うが警官だけが消えてしまう。いかなるトリック?泥棒は警官姿で、警官が若者の格好だった。袋小路は泥棒の家があるところだった。シンプルなディスミレクション。
「葬式がえり 法月綸太郎」
ある場所で「杜若」を謳っている悪霊が出るという噂を逆手にとって悪霊のせいにして殺人を行う。
「カープレッドよりも真っ赤な嘘 東川篤哉」
カープのCのマークは外国の球団に同じものがあり、カープファンではなく、外国の球団だったというオチ。それがマニアックなチームの話で分かるというのもので、無知のワタシには面白くないが、そういうトリックもあるんだというところでは面白かった。
「使い勝手のいい女 水生大海」
元彼を殺したと錯覚する描写をさせて、実は違ってたというミスディレクション。文章表現のトリックが面白い。
山麓オーベルジュ『ゆきどけ』 西尾維新」
動機について、全く動機のない殺人がある。成績が下がって試験に落ちるのが嫌で、弟を殺す。その用事のために替え玉受験をさせる。替え玉受験のための殺人。
「ヌシの大蛇は聞いていた 城平京」
沼に死体をすてた犯人。どういう意図があったのか。警察にその沼をさらってもらいかった。沼の主、大蛇とのやりとり。
評論
「吠えた犬の問題 有栖川有栖」
出来不出来が激しい。これが今年のベストとは到底思えない。本格ミステリ作家クラブ選ということで限られたものだからかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ蝦蟇倉市で起こる不可解な事件の数々を題材としたアンソロジー。
まさかまさかの展開に驚いたのは、やっぱり道尾さんと伊坂さんの作品ですかね。
微妙にお話が繋がっている所もよかったといいますか。
<以下、ネタバレです。>
で。
道尾さんのラストについて。
車にはねられたのは、一体、誰なのか?
心情的には、ひき逃げ犯の彼であって欲しいんだけど、ネットでネタバレを検索すると、私的には考えもしなかった刑事さん説が。←
部屋の位置、車の進行方向を考えると、そうなる…んだろうか?
でも、あの刑事さん、別のお話でも出てくるんですよねー。
時系列でいうと、道尾さんのお話直後だと思われますし?
うーん。 -
Posted by ブクログ
企画物ってむずかしいんだろうなぁ。
っていうのがまず最初の感想。
"がまくら市"という架空の都市を舞台に5名の作家が寄稿した作品。
ちなみにこの世界、鎌倉市はちゃんと別に存在している模様(笑)
風光明媚で情緒あるがまくら市の名物は"不可能犯罪"が頻発すること。
1作目(道尾秀介)はさすが、よく出来ている。が、ちょっとサイコロジカルで不可能犯罪…?という感じもするけれど。
2作目(伊坂幸太郎)は少し短くて残念。
らしさはありつつ即興で仕上げたかのような印象。
と思ったら、実際あとからの参加でおそらくわりと短期間で書き上げた模様。
でもやっぱり上手いよな。
ラストがね、私は"そう"だと思いたいな。
3作目(大山誠一郎)個人的見解ではありますが、正直ガッカリ。
1番素直に不可能犯罪を主題に据えているけどトリックのこじつけ方に萎えた。
と、モチベーションが下がりきった所で
4作目(福田栄一)、
この話、好き!不可能犯罪がどこにあったかはこの際どうでもいいや。
ありがちではあるけどほんのりミステリアスな始まりからあったかくって軽快に展開していって…ラスト靖美ちゃんの職業に「おぉ」と納得。この方の他の作品も気になります。
5作目(伯方雪日)、これもわりと素直に不可能犯罪。面白い!てほどじゃないけど悪くない。こういうのもアリだなーっと。
そんなワケで☆は3.6くらいかなー。
半端がないので3にしたけど。
そして、
さすがにこれは伊坂さんの単独の本には収録されないだろうから、購入に後悔はありません。