松岡和子のレビュー一覧

  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    シェイクスピア翻訳者と松岡和子と心理学者の河合隼雄がシェイクスピア作品をネタに語る対談。主に松岡が物語上の問題的をし、河合がそこに心理学者としての分析を加えるという形。人物の心理や行動の分析が「腑に落ち過ぎて」逆にこじつけっぽく感じられる部分もあるが、大部分はなるほどと納得のいくもの。中でも『リチャード三世』の「善人は反省しない」という指摘や、『タイタス・アンドロニカス』の「命令形と疑問形」問題は、特に刺激的で面白かった。最近ずつと読んでいなかった河合隼雄の本また読みたくなった。

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    2018年08月09日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    いつか読もうと思っていたシェイクスピア悲劇。主要人物が皆倒れるという終わり方には少なからず驚いたが、目的のために狂気を装うハムレットのしたたかさや、頭の回転のよさと同時に会話の筋をそらす応答などは面白く感じた。加えて、慎重なのか抜けてるのか紙一重な登場人物たちが、悲劇的なストーリーの中でアクセントのようで、通して楽しめた。

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    2018年02月14日
  • お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)

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    ロザリンドの二役。同じ言葉を繰り返して印象を高める手法、タッチストーンに対するロザリンドの言葉使いが印象的。ただ、から騒ぎなどとストーリーが混ざりがちで、やっぱり4大悲劇と比べるとインパクトは弱い。

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    2016年06月11日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    台本というのは以外と読みやすいもので(逆だと思っていた)、あっという間に読み終わった。

    それにしても、なんという結末。まさに、悲劇というに相応しいお話。

    人間ってやつは…と思わせる。

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    2013年07月21日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    今より簡単に人が死ぬんだなぁと感じます。絶妙なプロットがすべて悲劇に繋がっているのですが…
    不謹慎にも現代に置き換えたら、悲劇は起きないだろうな、などと考えてしまいました…

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    2013年04月30日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    四大悲劇だけあり、悲劇的結末で人もたくさん死ぬが、当時は人の命など儚いものだったのだろう。陰謀、親への不義、不貞、裏切りなど時代を越えても通じる要素ばかり。さすが偉大なシェイクスピア!

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    2013年04月28日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

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    大嫌いなシェイクスピア悲劇を読み返そう第二弾!
    やっぱりムカツク、オセロー。お前が一番バカモノだ。は20年経っても変わらなかった。
    が、イアゴーの悪っぷりがステキすぎる。舞台で観たいなぁ。演じる役者、演出でいろいろなイアゴーが観られそうだ。

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    2009年10月04日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    父王を亡くし、悲嘆に暮れるハムレット王子の前に父王の幽霊が現れた。幽霊は、現国王に暗殺されたことを明かす。
    ハムレットは復讐を誓うが悩む。
    to be or not to be

    ハムレットの舞台ってデンマークだったんだねえ。

    戯曲なだけに話が登場人物のセリフで進んでいく。人物像や景色については基本的に書かれていないので想像するしかない。イメージをふくらませる作業は楽しいけどやっぱり何が起きているのかわかりづらい。
    シェイクスピア関連では研究書がたくさん出ているのもわかる。
    これを舞台化、映像化する人たちは大変だな。

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    2025年12月04日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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     シェイクスピアの翻訳家・松岡和子と、心理学者の河合隼雄が対談しながら、それぞれの作品とその登場人物について、意味や解釈、文化的背景について意見を述べ合う、というもの。取り上げられている作品は、『ロミオとジュリエット』、『間違いの喜劇』、『夏の夜の夢』、『十二夜』、『ハムレット』、『リチャード三世』に加えて、改訂版・決定版の増補として『リア王』、『マクベス』、『ウィンザーの陽気な女房たち』、『お気に召すまま』、『タイタス・アンドロニカス』。
     シェイクスピアで河合、って言ったら河合祥一郎だから、翻訳者2人の対談かと思ったら、河合って河合隼雄だったの、という。国語の大学入試とかで取り上げられる人

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    2025年10月02日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    これを読むとユダヤ人がなぜどのように欧州で差別されるようになったのかを少しわかる。中世における欧州ですでにこうだったのか、という視点が得られる。

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    2025年06月03日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    シェイクスピアの作品を河合隼雄さんが心理学的見地からその魅力を説明してくれる。訳者の松岡さんも心理学に造詣がありそうで話が噛み合う。ただ、本書を読むにあたっては、先に該当するシェイクスピアの作品を読んで内容を覚えておく方がよい。2025.5.11

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    2025年05月11日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    シェイクスピアを初めてちゃんと読んだ。
    さすが、四大悲劇の一つというだけあって、救いがない。
    悪党だらけ、たまに忠義にあつい者もいるがひどい目に遭う、そして何よりも主人公のリア王は耄碌ジジイ……。
    歳をとって偏屈になったりボケたりした結果の自業自得の物語、とも言えるような。
    ミソジニーも透けて見え、下ネタもたっぷり。
    なるほどなぁ……。

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    2024年09月21日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    シャイロックを悪役とするなら勧善懲悪ど真ん中の作品だが、ユダヤ人をはじめとする非キリスト教徒に対する差別的な表現や、メランコリー(中野氏の解説によれば本作が上演されていた当時のイングランドは史上稀に見る不況で、登場人物と同じように鬱になる人が多かったかもしれないらしい)等、痛快な逆転劇ではない面があり、考察しがいがある。

    聖書の引用や逸話を用いたウィットに富んだやりとりが多いが、当時の人はどのくらい理解できてたのかが気になった。博識な人はより楽しめるが、聖書の知識がなくとも、ワクワクできる展開だった。

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    2024年08月29日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    勉強のつもりで読み始めたが存外面白かった。(世界中で愛される戯曲なんだからそりゃそう)
    色んな翻訳を比較したり、原文を読んだりもしてみたい。
    翻訳で読んだのでシェイクスピアの表現の流麗さを100%理解できたわけではないが、ところどころに解説や注が付いていたので、わかりやすくなっていた。

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    2024年08月05日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    なんと言うか、この時代はえらくユダヤ人差別がキツかったのだなと感じた。

    もう一つは、欲をかきすぎたらしっぺ返しを受けると言うことかと思った。

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    2024年04月26日
  • はじめて話すけど…… 小森収インタビュー集

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     本書の元版は2002年刊行の『はじめて話すけど…』(フリースタイル)で、文庫のボーナストラックとして北村薫との記事が新たに収録されている。聞き手の小森氏は「短編ミステリの二百年」の編著者であるから、そのご縁での創元推理文庫入りだろうか。

     〇各務三郎さん、懐かしいお名前。各務さんもミステリマガジンの編集長をされているのか。田村隆一、生島治郎、都筑道夫、常盤新平など錚々たる人たちが早川書房の草創期に働いていたのだな。
     〇皆川博子さん、皆川さんには濃いファンが多いと聞いたことはあるが、残念ながらその著作を一冊も読んでいない。子どものころに読んだ本のことをこんなにも覚えているものなのか。巻末付

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    2023年12月18日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

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    四大悲劇のうち、これだけが未読でした。
    これはご存知将軍オセローが部下のイアーゴによって妻を疑い殺害する悲劇です。しかし、こんな簡単に騙されるものだろうか…と素朴な疑問。

    そもそも事の起こりオセローが副官にイアーゴではなくてイケメン青年を抜擢したこと。それで嫉妬したイアーゴが画策して事件に至る。イアーゴはシェークスピア作品中最も腹黒い人物なのに他の登場人物はこぞって彼を「正直だ」と言う。一見正直で人当たりのいい人ほど腹の中はわからない…という事なんだけど…いい人って実は軽く見られてしまう。

    オセローもイアーゴを都合よく使っておきながら、彼の中の野望や出世欲に気付けなかった。いい人だから野望

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    2023年09月29日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    ネタバレ

    悲劇ではある。
    なにが悲劇か、それは登場人物それぞれに救いがないこともそうだが、この物語の観客の心が救われないところが悲劇だ。

    当時ハムレットは正義として捉えられただろうか。クローディアスにも正義があるという悲劇、こういうことはどの国、どの時代にもあるということそれ自体は正面から見据えなければいけない。

    それにしてもハムレットはクローディアスをさっさと殺せばいいのに、グズグズしてローゼンクランツ、ギルデンスターン、ボローニアスらは殺されるほど悪いことはしていないにも関わらず、無慈悲に殺されてまう。

    クローディアスをハムレットに殺させないことにこの物語の味わいがあると思う。

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    2023年06月28日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    数年前、大学の授業で「ハムレットの幻覚」という論文から示される「実はハムレットが先王殺害犯」説に衝撃を受け、それ以来、シェイクスピアを心理学的に読んでみたかった。
    本書は、日本における臨床心理学、ユング心理学の大家である河合隼雄先生と翻訳家の松岡和子さんの対談形式の作品批評。「~幻覚」ほど斬新で鋭い見方はなく、日本的にほんわかムードで語られていくが、ロミオとジュリエットが青少年の発達心理学的見地、マクベスが臨床心理学的見地、そしてリチャードⅢ世がなんとアドラー理論に合致と教示され、改めてシェイクスピアの才能に驚かされた。これらの根拠は、舞台構成や台詞の中に密かに散りばめられており、素人がボーッ

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    2023年05月22日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    最後、どうしようもなくごちゃごちゃで笑ってしまった(爆笑、とかでなく、鼻で笑ってしまうというのかなんかそういう感じの…)。あらすじ読んだ時に「喜劇なの!?」となったけれど、読み終わった今、「喜劇ってこういうこと……?!」となったりした。
    シャイロックがもっとこうなんかするのかと思っていたよ。


    「いっそ大酒くらって肝臓をほてらせたい、
    命を削る溜め息で心臓を凍らすのはまっぴらだ」
    グラシアーノのこの台詞はなんか好き。

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    2022年12月12日