松岡和子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シェイクスピア全集 (10) ヴェニスの商人
(和書)2009年04月16日 19:11
2002 筑摩書房 W. シェイクスピア, William Shakespeare, 松岡 和子
学者としての翻訳、原文の性的表現の指摘などいろいろ註があって参考にはなります。詩的霊感としての表現についてもうちょっと追求したら面白いのになと思った。
一切の諸関係をくつがえそうとする姿勢がここにもみられる。シェイクスピアの世界性・普遍性・世界市民という認識がここにも良く現れている。ここがなければ元になった作品と同じ道を歩むだろう。
彼の作品が今でも読まれるのはこの為かもしれない。
岩井克人の「ベニ -
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Posted by ブクログ
シェイクスピア全集 (1) ハムレット
(和書)2009年04月04日 16:39
1996 筑摩書房 W. シェイクスピア, William Shakespeare, 松岡 和子
松岡和子さんの翻訳を読み始めた理由は拓殖大学で「セミゼミ シェイクスピア入門」を取ったからだ。先生は富田爽子さんだった。様々な映画と英国ドラマと原文と様々な翻訳について学んだ。ロマンポランスキーの「マクベス」やロシアの映画の古い「リア王」も良かった。黒沢明映画ではマクベスの「蜘蛛の巣城」であり「乱」のリア王だった。ただ乱の「毛利元就の三本の矢」の男の三兄弟はは面白くない。やはり三姉妹の争いが面白い。親戚の叔母さん -
Posted by ブクログ
この前読んだ「夏の夜の夢」と同じ動機、河合隼雄先生とシェークスピアの翻訳家松岡和子さん対談本「快読シェークスピア」をより面白く読みたいという衝動から読んだシェークスピアの2作め。
あまりにも有名な本書だが、これまでは読もうという気持ちはゼロだった。きっかけはどうあれ、こうして名作を体験できたのだから良かった。
4大悲劇の一つだというのだが、正直のところ悲惨さはあまり伝わってこなかった。登場人物全員が次々と死んでいく。
話の筋としては、主人公のハムレットの復讐劇だが、ハムレットが次々と殺していくというのではない。登場人物は、それぞれに、予想外の形で死んでいく。
皆あまりにあっけなく死んで -
Posted by ブクログ
ちくま文庫からシェイクスピアの訳書をたくさん出している松岡さんの話を、演劇評論家の小森収という人が聞く、という本。蜷川幸雄の「彩の国シェイクスピア・シリーズ」に関わっている経験から、始めの翻訳が、稽古場でどんどん変っていき、原文に新たな解釈が与えられるという面白さについて語っている。
メインは上で述べたようなことだが、当然、作品そのものの解説も含まれているところがあり、特に『ヘンリー六世』の解説のところで、「征服王ウィリアムとか、ヘンリー二世とか言ってるけれど、彼らは今でいえばフランス人で、ウィリアムはノルマンディーのギヨームだし、中世イングランドのブランタジネット王朝の始祖とされるヘンリ -
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Posted by ブクログ
よく引用もされ筋もよく知られている戯曲で、ハムレットとかよりずっとわかりやすいと思っていたのだが、逆に面白さが理解しづらかった。
読者に見えるイアーゴーは最初から裏表のある男、ずるい男、なのに、作中人物誰もが終盤まで「彼は善良だ、彼は信頼できる」と言う。これで戯曲でなかったら、作中で「うわあ、これは裏の顔を知らなかったらだまされるわ」と読者に思わせないとだめだと思うし、むしろ最初は善良な役柄として出しておいて話の途中で読者の度肝を抜くべきだと思うが、戯曲なので舞台ではそれを演技で見せられる、ということなのだと思う。
イアーゴーがどうしてそんなにもオセローを陥れたいのかはっきりは語られないが、黒 -
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Posted by ブクログ
福田恒存、河合祥一郎訳で読んだが、松岡和子訳で再読。読みやすい訳だが、なんかそっけない気もする。やはり難しい文学だなと思う。ハムレットが佯狂なのか、そうでないのか。エディプスコンプレックスなのか、そうでないのか。いろいろとあるが、剣に覚えがあるなら、もっと直線的に行動して、さっさとクローディアスを問い詰めて復讐すればいいのに、オフィーリアを罵り、ポローニアスを殺すところは八つ当たりそのもの。母ガートルートをいびる所も痴話げんかのようであり、母ちゃんも威厳がなさすぎる。勝者に嫁ぐなど世の東西にはよくあることである。とにかく、ハムレットは煮え切らない男である。生き残るホレイショーにだけは正直だが、
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