松岡和子のレビュー一覧
-
言わずと知れたシェイクスピアのリア王。最近はハムレットより評価が高いという鵜山さんの解説の通り、ハムレットよりわかりやすく残酷で悲劇的ではある。リアやエドガー、グロスターの落ちぶれかた、エドモンドとゴネリル、リーガンの関係。ラストシーンのリアやコーディリアの悲劇。
本書に関していえば、本書をもとに舞...続きを読むPosted by ブクログ -
アーデンの森で喜劇的なイベントが起こるこの感じは「夏の夜の夢」と似ているし、女性が男装をして思い人(パートナー)をだますという仕組みは「ヴェニスの商人」に似ている。
これらはすべて私が大好きな作品だ。そして本書「お気に召すまま」もその中に加えられた。シェイクスピアの戯曲なら悲劇より断然喜劇。二人の...続きを読むPosted by ブクログ -
ちくま文庫版シェイクスピア全集第15巻。それぞれ事情のある男女たちがアーデンの森の中で繰り広げる恋愛喜劇。
シリアスな事情でアーデンの森に逃げ込んでくる若い貴族の男女と、もともと森に住むカップル未満の男女。男装するヒロインが彼らを煙に巻き、冒頭のシリアスさはどこへやら、スラップスティック・コメディ...続きを読むPosted by ブクログ -
ちくま文庫版シェイクスピア全集第10巻。商業都市ヴェニスと架空の都市ベルモントを舞台に金と愛の取引を描く。
短いにも関わらず、いくつもの要素が混みいった構成になっていて、非常に密度が高い。商人のアントーニオが窮地に陥る「人肉裁判」がメインに思えるが、シャイロックを通してユダヤ教徒とキリスト教徒の関...続きを読むPosted by ブクログ -
シェイクスピア四大悲劇のひとつ。日本人にも馴染みの深いゲーム、リバーシの商品名の由来元。黒と白は肌の色。
テーマは「嫉妬」。シェイクスピアの他作品に比べると物語の構造は比較的単純で、わかりやすい話ではある。あらすじだけ見ても面白くないかもしれない。しかし実際の会話文に触れていくと読者にもドズ黒い感...続きを読むPosted by ブクログ -
シェイクスピア四大悲劇の一つ。リア王と三人の娘たちの話、グロスター伯爵とその二人の息子たちの話が交差する。
冒頭、ちょっと言葉が足りないだけで、いきなり激高するリア王には面食らった。甘言の心地よさに惑わされ、最も愛ある娘の真意を読み取れぬ浅はかさ。切り捨てられても愛と忠誠を貫く娘と家臣の気高さ。親...続きを読むPosted by ブクログ -
2021年に個人での完訳を達成した松岡和子による『ちくま文庫版シェイクスピア全集』第1巻。1996年刊行。
あまりにも有名なタイトルなので、以下ネタバレあり。
王子が復讐を誓うところから物語は始まるが単純な復讐譚とはならず、陰謀や不運が重なってまさかの全滅エンド。そこに至るまでの経緯の複雑さと...続きを読むPosted by ブクログ -
初めてシェイクスピアを読みました。
もともと、海外文学とあまり触れ合ったことがなかったので、少し難しいのかなと思っていました。
初めてで、登場人物の多さや舞台の入れ替わりなど、難しいところもありましたが、登場人物の性格が美しく描かれていて、情景が目に浮かぶようでした。
また、最後の物語が終わりに向か...続きを読むPosted by ブクログ -
シェイクスピアおなじみの「思い込みによる悲劇」の上、
登場人物が少なく企みの中心には
常にイアゴーがいるのでとても読みやすかった。
イアゴーが自身を積極的に悪役としている姿勢はリチャード三世を思い出させる。
誰が見ても立派な軍人であるイアゴーが
鬱屈したものを抱え込んでいるというのが熱い。
四大悲...続きを読むPosted by ブクログ -
複雑なジェンダーの仕掛け、
有名な台詞、密度の濃くなっていく反復や掛け合い等、
ポイントが多く読み応えがある作品。
訳者あとがきに挙げられた反復や掛け合いの台詞読後全て確認。
ほとんどが読めば思い出せるもので、
舞台映えしそうだと感じた。
この部分だけでも他の訳や原文が読みたいと思った。
追放さ...続きを読むPosted by ブクログ -
「体からきっかり一ポンド」「好きな部分を切り取る」裁判以外のことはあまり知らずに読んだ。
シャイロックに娘がいたことや、
箱選びの話が挿入されていること等、
知らないことがたくさんあった。
アントーニオの尽くしっぷりが浮いている感じがしたけど、
元ネタではアントーニオ的な人はバサーニオ的な人の養...続きを読むPosted by ブクログ -
リアの敵対者側の繋ぎ役であるエドマンドの存在が面白かった。
上の姉妹たちの関係を上手く収束させていた。
あれだけ王に付き添っていた道化が
後半に出てこなくなるのが寂しいし不気味。
道化とコーディリアが一人二役の演出はぜひ見てみたい。
コーディリアが言葉足らずなおじさんみたいって考察を
どこかで読...続きを読むPosted by ブクログ -
ハムレット自体が面白いというより、
ハムレットにやんややんや言ってる考察の方が面白い。
ハムレット、30歳なのかぁ。
演じること自体がテーマでもあるので、
演劇人にウケそう。
・演じることができず死ぬオフィーリア
・演じないで生き残るホレイショーPosted by ブクログ -
本屋でたまたま目についた。常々シェイクスピアをコンプリートしたいと思いつつ、いつも他の本の誘惑に負け、シェイクスピアが後回しになってしまうことを気にしていたからか。
シェイクスピアの戯曲のうちの11作について、翻訳者の松岡和子氏が原書での言い回し等を例に出しながら様々な質問を投げかけ、それに対し河...続きを読むPosted by ブクログ -
村岡和子の訳である。シェークスピア全集を全て発行したと新聞に掲載されていた。蜷川のハムレットの脚本もこれを原本にしている、と書いている。
訳はとてもこなれている。関ヶ原の戦いと同じ時代に書いている。だから現代の英語表記と異なり、日本での古文書を読むつもりで原文を読まねばならない苦労を考えると、この...続きを読むPosted by ブクログ -
シェイクスピアの翻訳のなかではちくま文庫の松岡和子訳がいちばん読みやすいと思う。言葉遊びなどの解説もありがたい。Posted by ブクログ
-
ハムレットは三訳目なのですが、拗らせたものでわたしはハムレットとホレイショーの友情物語だと思って読みました。オフィーリアも確かに悲劇のヒロインなんですが、初っ端の「なぜデンマークに」「いつものサボり癖が」「お前に限ってそれは無い」的なくだりからして二人の信頼関係透けて見えすぎ。そんな二人ですが死に別...続きを読むPosted by ブクログ
-
「4大悲劇」にも分類される、シェイクスピアの有名な戯曲。わたしは過去にもシェイクスピア作品をいくつか読んでいるが、本作はバツグンにおもしろく、ひょっとしたらベストかもしれない。内容はイアゴーの謀略によってオセローの人生が狂ってゆく話で、現代の感覚からしてもぜんぜん古びていない。だからこそいまだに世界...続きを読むPosted by ブクログ
-
河合隼雄さんと、松岡和子さんのシェイクスピアの戯曲を読み、その作品の解釈や、合わせ持つ意味などの解説などがあり、たいへん勉強になるお話でした。シェイクスピアに、興味のある方へ、オススメしたい一冊です。Posted by ブクログ
-
著名心理学者と翻訳家の対談でシェイクスピアの名作の数々の登場人物の心を読み解いていく!「ロミオとジュリエット」のジュリエットが14歳、ハムレットが30歳とあるのが、珍しい年齢の表記だそうで、両作品とも元作の年齢をシェイクスピアが変更していることにどんな意味があるのか。心理学的な観点から読み解いていく...続きを読むPosted by ブクログ