松岡和子のレビュー一覧

  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    シェイクスピアを読んでみたくて、初めて取ったのがこの本です

    翻訳上少し難しい部分はあるが、物語としては概ね読みやすかった
    現代でも親と子は難しい部分は多いが参考にできる部分が多々ある

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    2025年11月17日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    ハムレット観劇のために。ハムレットはちゃんと読んだことがなかった。オフィーリアには憧れてきたけれど。

    「いまの世のなかは関節がはずれている」

    「ことば ことば ことば」

    「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」←生きるべきか死ぬべきかが有名ですが

    これらのセリフもグッときますが、
    ハムレットの魅力のすべてを表現したような…

    「何を言う、俺は胡桃の殻に閉じ込められても、無限の宇宙を支配する王者だとおもっていられる」

    とくに、母である王妃に対しての思いを独白する悩めるハムレットの何気ないひと言、

    「すぐに(と言うだけなら簡単だ。)」
    この短い台詞、舞台で確かめてまた胸にぐぐ

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    2024年12月03日
  • 深読みシェイクスピア

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    この本の最初のテーマは『ハムレット』なのですが、そこで語られる松たか子さんのエピソードはいきなり私の度肝を抜くものでした。著者の松岡さん自身も「血が逆流するって、あるのね。あれは私の翻訳家人生における最大の衝撃のうちのひとつだったと同時に、役者に対する敬意が頂点に達した瞬間です」と本書で述べていました。

    この他にも山﨑努さん、蒼井優さん、唐沢寿明さんのエピソードが出てくるのですがどのお話もとにかく格好良すぎます。超一流の役者さんのすごさにただただ驚くしかありません。

    2023年早々にものすごいショックを受けた作品でした。これはぜひぜひおすすめしたい名著中の名著です

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    2024年08月22日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    シェイクスピア4大悲劇のうち、いちばん悲惨かも知れない。リア王をリア充と読み間違えたが、内容はまったくリア充ではない。悲劇だ。

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    2024年05月06日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    言わずと知れたシェイクスピアのリア王。最近はハムレットより評価が高いという鵜山さんの解説の通り、ハムレットよりわかりやすく残酷で悲劇的ではある。リアやエドガー、グロスターの落ちぶれかた、エドモンドとゴネリル、リーガンの関係。ラストシーンのリアやコーディリアの悲劇。
    本書に関していえば、本書をもとに舞台化された山崎努の役作りの著作を読んでいることもあって、個人的にも思い入れの深い作品である。ぜひ舞台でみたい。

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    2024年03月01日
  • お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)

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    アーデンの森で喜劇的なイベントが起こるこの感じは「夏の夜の夢」と似ているし、女性が男装をして思い人(パートナー)をだますという仕組みは「ヴェニスの商人」に似ている。

    これらはすべて私が大好きな作品だ。そして本書「お気に召すまま」もその中に加えられた。シェイクスピアの戯曲なら悲劇より断然喜劇。二人の男女の恋愛がうまくいく過程が幸せすぎて顔がにやけてしまうのだ。

    「ハッピーエンドよりもバッドエンドが好き」という人は死ぬほど見かけるが、本当か?もちろん私も余韻があったり、考察の余地が多いモヤモヤさせる作品は好きだが、この発言毎回気になってしまう。確かにバッドエンドものは劇的展開が多く、ストーリー

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    2024年02月29日
  • お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)

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    ちくま文庫版シェイクスピア全集第15巻。それぞれ事情のある男女たちがアーデンの森の中で繰り広げる恋愛喜劇。

    シリアスな事情でアーデンの森に逃げ込んでくる若い貴族の男女と、もともと森に住むカップル未満の男女。男装するヒロインが彼らを煙に巻き、冒頭のシリアスさはどこへやら、スラップスティック・コメディ的な楽しさを提供してくれる。会話劇の面白さや、名言・名文句などの魅力が大きく、シェイクスピア作品の中でも原文で読むか舞台で楽しむということの意味合いがより強いタイトルに感じた。とはいえ、本訳はわかりやすい訳注もあるので楽しんで読めた。「この世界すべてが一つの舞台、人はみな男も女も役者にすぎない。……

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    2023年03月29日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    ちくま文庫版シェイクスピア全集第10巻。商業都市ヴェニスと架空の都市ベルモントを舞台に金と愛の取引を描く。

    短いにも関わらず、いくつもの要素が混みいった構成になっていて、非常に密度が高い。商人のアントーニオが窮地に陥る「人肉裁判」がメインに思えるが、シャイロックを通してユダヤ教徒とキリスト教徒の関係性の問題が描かれていたり、「金銀銅の箱選び」や指輪のやり取りで結婚や夫婦関係の問題を扱っていたりなど、奥が深くて一読では消化不良となった。裁判の痛快さと喜劇の余韻を味わったあとは、何度も読み込んだり、他の解説や考察などに触れて思索を必要とする作品だと思う。しかしこの奥さんはちょっと恐いかもなぁ(汗

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    2023年07月09日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

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    ネタバレ

    シェイクスピア四大悲劇のひとつ。日本人にも馴染みの深いゲーム、リバーシの商品名の由来元。黒と白は肌の色。

    テーマは「嫉妬」。シェイクスピアの他作品に比べると物語の構造は比較的単純で、わかりやすい話ではある。あらすじだけ見ても面白くないかもしれない。しかし実際の会話文に触れていくと読者にもドズ黒い感情が喚起され、嫉妬からくる苦悩という恐ろしい体験に巻き込まれてゆくところが、シェイクスピアのすごいところなのだろう。クライマックスに到るまでの盛り上がりが激しく、結末自体はおおよそ予想がつくものの、ラストのセリフでは予期しなかった感動を目の当たりにすることになる。

    天才的な悪知恵であるイアゴーへの

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    2022年09月15日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    ネタバレ

    シェイクスピア四大悲劇の一つ。リア王と三人の娘たちの話、グロスター伯爵とその二人の息子たちの話が交差する。

    冒頭、ちょっと言葉が足りないだけで、いきなり激高するリア王には面食らった。甘言の心地よさに惑わされ、最も愛ある娘の真意を読み取れぬ浅はかさ。切り捨てられても愛と忠誠を貫く娘と家臣の気高さ。親を裏切る息子、勘違いを受けて好機を待つ息子。そういった様々な人間の思惑、言動が胸にしみる重厚な物語だ。単に悲劇的なだけではなく、人間の愚かさと高潔さが、彩り濃く描かれていることが非常に印象深い。全滅エンドではなく、これだけの悲劇がありながら、わずかに希望を感じさせる終わり方をするのがすごく良かった。

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    2022年08月08日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    ネタバレ

    2021年に個人での完訳を達成した松岡和子による『ちくま文庫版シェイクスピア全集』第1巻。1996年刊行。

    あまりにも有名なタイトルなので、以下ネタバレあり。


    王子が復讐を誓うところから物語は始まるが単純な復讐譚とはならず、陰謀や不運が重なってまさかの全滅エンド。そこに至るまでの経緯の複雑さと謎の多さ、結末の絶望感のインパクトが深く心に残る。格言めいたセリフが多く、それらを単発で抜き出しても味わい深い。日本語訳ではどうやってもわかりづらい言葉遊びなどもこの翻訳では注釈が詳しいので助かる。

    1600年頃に書かれて以後繰り返し上演され続け、日本での翻訳も多数である文学史上の傑作『ハムレット

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    2022年07月27日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    初めてシェイクスピアを読みました。
    もともと、海外文学とあまり触れ合ったことがなかったので、少し難しいのかなと思っていました。
    初めてで、登場人物の多さや舞台の入れ替わりなど、難しいところもありましたが、登場人物の性格が美しく描かれていて、情景が目に浮かぶようでした。
    また、最後の物語が終わりに向かう疾走感がとてもたまらなかったです。
    話が緻密で複雑なので、1回読んだだけでは全貌はつかめなかったため、また読んでみようと思える作品でした。

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    2022年03月07日
  • お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)

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    ネタバレ

    複雑なジェンダーの仕掛け、
    有名な台詞、密度の濃くなっていく反復や掛け合い等、
    ポイントが多く読み応えがある作品。

    訳者あとがきに挙げられた反復や掛け合いの台詞読後全て確認。
    ほとんどが読めば思い出せるもので、
    舞台映えしそうだと感じた。
    この部分だけでも他の訳や原文が読みたいと思った。

    追放された兄弟、男装するヒロイン等
    おなじみのモチーフの数々は実家のような安心感。

    シーリアのお相手は誰になるのだろう?と読み進めていたら
    まさかの人物で笑ってしまう。これはずるい(笑)

    男装する前からジェンダーの垣根を越えるように
    生き生きとしているロザリンドが大好き。

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    2022年02月17日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

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    ネタバレ

    シェイクスピアおなじみの「思い込みによる悲劇」の上、
    登場人物が少なく企みの中心には
    常にイアゴーがいるのでとても読みやすかった。

    イアゴーが自身を積極的に悪役としている姿勢はリチャード三世を思い出させる。
    誰が見ても立派な軍人であるイアゴーが
    鬱屈したものを抱え込んでいるというのが熱い。
    四大悲劇の中では『オセロー』が一番好きかな。

    ハンカチを盗むのに関与していなければ、
    エミリアを純粋にデズデモーナの忠臣として見ることができたのだが……
    自分のした事が主人の災いになるというのが
    悲劇性を増すのだろうか?

    ともかく、オセローはじめ主要な登場人物が顛末を把握した上で終幕となる展開は好み。

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    2022年02月17日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    ネタバレ

    「体からきっかり一ポンド」「好きな部分を切り取る」裁判以外のことはあまり知らずに読んだ。

    シャイロックに娘がいたことや、
    箱選びの話が挿入されていること等、
    知らないことがたくさんあった。

    アントーニオの尽くしっぷりが浮いている感じがしたけど、
    元ネタではアントーニオ的な人はバサーニオ的な人の養父なのね。

    シャイロックがひたすら可哀想。

    リアルで周りにいたら絶対敬遠するであろう
    バサーニオをどうも憎めないのが不思議。

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    2022年02月17日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    ネタバレ

    リアの敵対者側の繋ぎ役であるエドマンドの存在が面白かった。
    上の姉妹たちの関係を上手く収束させていた。

    あれだけ王に付き添っていた道化が
    後半に出てこなくなるのが寂しいし不気味。
    道化とコーディリアが一人二役の演出はぜひ見てみたい。

    コーディリアが言葉足らずなおじさんみたいって考察を
    どこかで読んだことがあって、
    確かに読んでいて「もっと身の潔白を話しなさいよ!」
    とも思ってしまう(笑)

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    2022年02月17日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    ネタバレ

    ハムレット自体が面白いというより、
    ハムレットにやんややんや言ってる考察の方が面白い。
    ハムレット、30歳なのかぁ。

    演じること自体がテーマでもあるので、
    演劇人にウケそう。
    ・演じることができず死ぬオフィーリア
    ・演じないで生き残るホレイショー

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    2022年02月17日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    本屋でたまたま目についた。常々シェイクスピアをコンプリートしたいと思いつつ、いつも他の本の誘惑に負け、シェイクスピアが後回しになってしまうことを気にしていたからか。

    シェイクスピアの戯曲のうちの11作について、翻訳者の松岡和子氏が原書での言い回し等を例に出しながら様々な質問を投げかけ、それに対し河合隼雄氏が登場人物の心情等を心理学的に説明する等々…とてもバラエティにとんだ対談集。

    まず、各戯曲がうろ覚えの私は、河合祥一郎氏「あらすじで読むシェイクスピア全作品」で各戯曲の流れや登場人物を再度頭にいれてから、各章に突入。シェイクスピアの裏話ではないが「そういった見方もあるのね‼︎」というような

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    2022年01月28日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    村岡和子の訳である。シェークスピア全集を全て発行したと新聞に掲載されていた。蜷川のハムレットの脚本もこれを原本にしている、と書いている。
     訳はとてもこなれている。関ヶ原の戦いと同じ時代に書いている。だから現代の英語表記と異なり、日本での古文書を読むつもりで原文を読まねばならない苦労を考えると、この翻訳はありがたい。

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    2021年06月29日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    シェイクスピアの翻訳のなかではちくま文庫の松岡和子訳がいちばん読みやすいと思う。言葉遊びなどの解説もありがたい。

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    2020年09月19日