松岡和子のレビュー一覧

  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    ハムレットは三訳目なのですが、拗らせたものでわたしはハムレットとホレイショーの友情物語だと思って読みました。オフィーリアも確かに悲劇のヒロインなんですが、初っ端の「なぜデンマークに」「いつものサボり癖が」「お前に限ってそれは無い」的なくだりからして二人の信頼関係透けて見えすぎ。そんな二人ですが死に別れ、ホレイショーも後追いを考えたものの「正しく歴史を語り継ぐ」使命を与えられて一人生き残る。ヒロインムーヴが凄い。このテーマだけで読書感想文10枚かける。解釈違い上等ですがこの二人の信頼関係だけで翻訳者ローラーする価値あるよなーと思って今後も読み漁る所存です。

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    2020年06月14日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

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    「4大悲劇」にも分類される、シェイクスピアの有名な戯曲。わたしは過去にもシェイクスピア作品をいくつか読んでいるが、本作はバツグンにおもしろく、ひょっとしたらベストかもしれない。内容はイアゴーの謀略によってオセローの人生が狂ってゆく話で、現代の感覚からしてもぜんぜん古びていない。だからこそいまだに世界各地で上演され続けているのだろう。一般的に本作のキイワードとしては「嫉妬」が挙げられるが、しかし登場人物たちの心情は、単なる「嫉妬」のひとことでは片付けられないところがあり、それこそがキモではないかと思う。オセローは被害者とはいえ、キャシオーの言葉を単純に受け容れてしまい最愛の人を信じてやれなかった

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    2019年06月04日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    河合隼雄さんと、松岡和子さんのシェイクスピアの戯曲を読み、その作品の解釈や、合わせ持つ意味などの解説などがあり、たいへん勉強になるお話でした。シェイクスピアに、興味のある方へ、オススメしたい一冊です。

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    2018年08月06日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

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    著名心理学者と翻訳家の対談でシェイクスピアの名作の数々の登場人物の心を読み解いていく!「ロミオとジュリエット」のジュリエットが14歳、ハムレットが30歳とあるのが、珍しい年齢の表記だそうで、両作品とも元作の年齢をシェイクスピアが変更していることにどんな意味があるのか。心理学的な観点から読み解いていく中で、シェイクスピアは凄い!ということを痛感させる2人の観察力に驚き。「ロミオとジュリエット」「ハムレット」の他、「真夏の夜の夢」「十二夜」「リチャード3世」。そして書名に「決定版」がつくのは、「リア王」「マクベス」「ウィンザーの陽気な女房たち」「お気に召すまま」に加え、最期に「タイタス・アンドロニ

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    2018年05月08日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    やはりハムレットがシェイクスピアの最高傑作なんだろう、そう思わせる作品だった。
    内容はかなり不思議で理解しがたい部分があり色々と想像することが必要。
    巻末の解説が充実している。

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    2018年01月13日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    とても有名な作品だけど「シェイクスピアの四大悲劇」「デンマークの復讐劇」「to be or not ti be」ぐらいしか知らなかった。ので読みました。
    こんなにたくさんの人が死ぬんだねぇ。死ななくてもいい人まで死んで、それがそのあとの伏線かなぁ、と思ったら、やっぱりそうで。セリフは詩的で難解。でも、クライマックスは圧巻ですね。
    それにしても、なぜハムレットはちゃっちゃっと復習しないのかねぇ。絶好の機会もあるのにやらないもんなぁ。それなのに最後は一気呵成にことが進んで、そのスピード時間の差が印象的。
    それにしてもオフィーリアはなぜ死ななくちゃいけないのか、よくわからないね。あれは自殺かな。事故

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    2019年02月03日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    言わずと知れたシェイクスピア、4大悲劇のひとつ。改めて読むと多様な読みをしたくなるハムレットの懐の深さがわかる。全てのセリフが重要で意味がある。それでいてグイグイ読ませる。シェイクスピアの他の作品と比べても完成度は段違いで最高傑作のひとつだろう。マクベス、リア王も再読したくなる。

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    2016年12月24日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    福田恆存、小田島雄志の訳では読んでいたが、今回初めて松岡和子訳を読んだ。少し中だるみがあるし、変装すれば親兄弟でも分からなくなるのかといった突っ込みどころも多々あるが、やはりシェイクスピアの最高傑作はこの『リア王』で間違い無いだろう。途中経過がどうであれ、全ての希望が崩壊し、底なしの暗黒が世界を覆い尽くすかのごとき終盤のドラマチックさは、他の作品の比ではない。

    あらためて胸を打たれるのは、グロスター伯爵の死がエドガーの口から伝えられるところ。その前にエドガーの作戦でグロスターが生きる意欲をわずかながらに取り戻し、親子が再び手を取り合う兆しを見せていただけに、死の場面すら描かれず、突然二度と会

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    2015年05月16日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    ハムレット、ロミオとジュリエットに続いてシェイクスピアちゃんと読み3冊目。これが今のところ1番おもしろくて読みごたえがあった。

    契約・法・金の怖さ、友情のありがたさ、ユダヤ人の気の毒さ、等々、普遍的テーマだからこそ、400年も前に作られた物語が今も読み継がれているのだとおもう。

    また時々、読みかえしてみたい。

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    2013年10月06日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    さすがにシェイクスピア作品だけあって、非常におもしろかった。とくに「人肉裁判」の場面は白眉で、こういうロジックがあるのかと関心すらさせられた。しかし、いっぽうでたんなる喜劇としてみれない部分があることも事実である。シャイロックが一転窮地に追い込まれるシーンは、たしかに快哉を叫びたくなるし、実際舞台で観たら痛快このうえないと思う。しかし、人種差別的な要素も含まれており、シャイロックに対する同情の余地もすくなくない。たんなる喜劇とは違った深みがあり、そこもまたやはりシェイクスピアが書いた作品なのだと感じさせられる。喜劇をたんなる喜劇にしないところが、文学の文学たる所以なのだろう。

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    2013年07月29日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    小説家を志す以上、ジャンルは違えど世界でもっとも偉大な作家の作品を読まないわけにはゆかないだろう。そういうわけで、シェイクスピア作品を順次読んでゆこうと考えているのだが、そのトップ・バッターがこの『ハムレット』。以前英語の授業のサブテキストとして、ちょっとだけ読んだことがあるのだが、日本語の文章としてちゃんと読むのははじめてである。――さて、感想としては、まず率直に面白かった。じつはシェイクスピアどころか、戯曲を読むのもはじめてであり、いろいろと不安もあったが、読み始めればなんのことはない、ふつうの小説と同様に、楽しく読むことができた。そして、その小説と比較すると、文章がスッキリしていて、展開

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    2013年04月14日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    夜中にあらわれるハムレット王の亡霊。ハムレット王亡き後その弟クローディアスと結婚した王妃ガートルード。王の亡霊から死の真相を聞かされるハムレット王子。気がふれたふりをして王と王妃の様子をうかがうハムレット。ハムレットが呼び寄せた演劇団。再婚に関する台詞。母を責め母の部屋で様子をうかがっていた大臣ボローニアスを殺害するハムレット。事件をもみ消すためにハムレットをイギリスに送るクローディアス。イギリスに行く途中に海賊に襲われ帰国したハムレット。ボーローニアスの死で気がふれ自殺した娘オフィーリア。息子レアティースの復讐。墓場での会話。王宮での決闘。

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    2013年02月18日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    ネタバレ

    遺産分配の際に自分への愛を上手く伝えられないコーデリアを相続から外すリア王。フランス王と共にフランスに旅立つコーデリア。遺産分配後に2人の娘ゴネリス、リーガンに冷たくあしらわれるリア王。グロスター伯爵の元に身を寄せるが・・・。グロスター伯爵の庶子エドマンドの陰謀。陰謀により追放されたエドガー。ゴリネルの扱いに気がふれるリア王。リア王に追放されながらも忠誠を貫くケント伯爵。エドマンドにより追放されるグロスター伯爵。伯爵のために復讐を行うエドガー。上陸したフランス軍を率いるコーデリア。

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    2013年01月20日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    話は短い、魔女は登場しない。そんなわけで、シェイクスピア悲劇の中ではかなり読みやすい部類に入るかと。エドガーが男前。松岡さんの訳文はなめらかだな、と思いつつ、安西訳も気になる

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    2012年10月07日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    私が初めて読んだシェークスピア。悲劇とはこういうものかと衝撃を受けた(ちょっと大げさだが)いい人もみんな死んでしまう救われなさが古いのに私には新しい経験だった。中に登場する道化のユーモアもすごく気の効いたセリフで面白い。

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    2010年06月08日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

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    この訳本は恐ろしく有能です。
    原文とこれを対照しながら読んでくだけでも、かなりの作者の実力が伺われます。

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    2009年10月07日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    全てを失い
    雷鳴の中に放り出され
    丸裸になった二本足の動物が
    絶命の間際に得たものは、
    束の間の「喜び」だった。

    仕合わせ者。

    生まれたばかりの赤ん坊が
    どうして泣くのか
    アナタは知っていますか?

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    2009年10月04日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    権力を行使してきた者が、権力を行使される側に回った時の悲劇。物を与えられなくなった権力者は、その時になって初めて心から仕えるということを知る。現代においても学ぶところが多い作品。

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    2009年10月04日
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

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    肉を担保に金を貸りた人間と、貸したユダヤ人の金貸しの物語。金貸しシャイロックの訴えは、現代の世においては人種差別という問題を呼び覚ます。ハッピーエンドのように見えて、その裏には何か釈然としない問題をはらんでいる素晴らしい作品。

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    2009年10月04日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    誰も報われない悲劇
    その中でもオフィーリアにはもう少し幸せな終わりを迎えて欲しかった…
    1番の被害者なのではないだろうか…
    悲劇だからこそ面白いが幸せを願ってしまう自分がいる…
    こちらの書物はセリフ、言葉に対して注釈が付いてるためとても読みやすいものだった
    理解を深められたのでとても良かった

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    2025年09月26日