松岡和子のレビュー一覧

  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シェイクスピアの描く人間模様は 時代を超えてドキッとさせられるところばかりです‎が、このお話はユダヤ人差別、白人至上主義がいやらしいほど!
    ですが、そこは目をつぶってまずはお話の面白さを楽しみました

    ヴェニスの商人アントーニオは、財産の全てをいくつもの商船に投資中。
    そこへ親友パサーニオがベルモントのポーシャという美しく素晴らしい女性に求婚するため、金を貸してほしいとやってくる。ポーシャは父親からの遺産を相続し、あまたの権力者たちが求婚にやってくる。彼らと渡り合うには財がいるというのだ。
    とにかく友情にかけて愛情深いアントーニオは、今は財産は船の上、ひとまず自分の信用のもと、ユダヤ人金貸しの

    0
    2025年02月18日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

    Posted by ブクログ

    映画は見たことあってストーリーは知ってたけど、ちゃんと読んだのはこれが初めて

    人生と人間を感じるセリフの数々に、人間の根本って何世紀経っても変わらないんだなと思った

    オフィーリアが切ない
    というかみんな切ない

    伝説を元にした物語みたいだけど、昔のお話ってなかなかに教訓があるよね

    シェイクスピアの言い回しが良い

    0
    2024年12月08日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『リア王』は子どもの頃、お子様向けの読み物で読んだ記憶がある。三姉妹の父であるリア王が、一番優しいはずの末娘の言葉に怒り、追い出してしまう、その悲劇の顛末。…あたりは割とよくある昔話にも似たストーリーで、微かに記憶に残ってた。だが、シェークスピアのこの原作(翻訳であることは大前提として)はさらにグロスター家の父と息子たちも登場。元になった史実はあるみたいだけど、それにも増して、シェークスピアならでは(イメージです)の皮肉や性的なジョークも散りばめてある作品だった。
    自分の財産を娘二人に分け与えた後、それぞれのところに代わりばんこに寄宿し世話になろうというのは、今も(というか今なら尚更?)トラブ

    0
    2024年04月29日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

    Posted by ブクログ

    シェイクスピア沢山読もうと思って
    嵐が丘、リア王、白鯨が三大悲劇らしいし
    正直者のコーディリアを追放したばかりに
    愚かな父親だと思った
    その他にもエドガーたちみたいな裏切られ方した人もいるし
    こういう恨みつらみが好きなのかな………

    0
    2024年04月25日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ハムレットの孤独と悲劇が胸に苦しく残る。

    とにかく、ハムレットがずっと一人ぼっちなのが気になった。父親の亡霊から復讐をとげろと命じられるのも辛いし、母親はその場の空気に流されやすくハムレットのことをあまり考えていないように見える。叔父のクローディアスはハムレットの暗殺を命じ、学友とされるローゼンクランツとギルデンスターンも、友とは名ばかりであっさり暗殺の命を実行にうつそうとする。孤独は深まり続け、最終的には唯一の友であるホレイショーの制止も振り切って悲劇の試合に身を投じていく。

    「前兆なんか気にしてはいられない。雀一羽落ちるにも天の摂理が働いている。いま来るなら、あとには来ない。あとで来な

    0
    2024年04月04日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

    Posted by ブクログ

    大昔に読んでいたが、再読。国王引退に際して国を三つに分割して娘たち(長女と次女に関しては娘婿)に渡すことを決意したリア王。渡す前に「親への愛を語れ」と娘たちに大喜利させるが、姉たちの歯が浮くようなおべんちゃらが使えない程に率直かつ純真だった末娘のコーディリアを勘当、国外追放とする。

    リア王は長女ゴネリル、次女リーガンの家を行ったり来たりの余生を考えていたものの、リア王親衛隊も含めた素行の悪さ・態度の大きさもあって、2人に邪険にされ、台風の中追い出され、狂っていく。

    当時どういった感覚でリア王の言動が捉えられていたのか分からないが、現代の感覚からすると親としては完全なる失格とは思う。しかし、

    0
    2024年03月30日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

    Posted by ブクログ

    とても読みやすく、物語の流れも分かりやすい。シェイクスピアといえば多くの登場人物に、複雑な人間模様……という感じだが、その源流こそ見えども登場人物たちの動きが(他のシェイクスピア作品と比較して)認識に容易いな、という印象。

    主人公ハムレットは、父王を殺し、父王の妻(ハムレットにとっての母、そして女王)と再婚して王冠を手にした叔父(父王の兄弟)に復讐を企てる、という物語。

    ハムレットといえば「狂乱」という言葉がついて回る。ハムレットは父王の亡霊に暗殺の真実を伝えられて復讐を決意するが、周囲の目を欺くためか自身は狂乱を演じる。果たしてハムレットはその言葉通りに狂気を演じていたのか、はたまた本当

    0
    2023年07月24日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

    Posted by ブクログ

    道化の「知恵がつかないうちに年取っちゃいけないんだよ。」という台詞が印象に残った。

    読んでいる時は負の感情が渦巻きまくっていたのだけど、訳者あとがきと解説を読み、自分の中で色々と整理することができて落ち着いた。

    0
    2022年12月16日
  • すべての季節のシェイクスピア

    Posted by ブクログ

    ・松岡和子「すべての季節のシェイクスピ ア」(ちくま文庫)を読んだ。まづ書いておかねばと思ふのは、「文庫版あとがき」のちくま文庫版=松岡版シェークスピア全集誕生に至る、言はば裏話である。これを一言で言へば何と運の良い人だとでもなる。とにかく次から次へと運に恵まれて文庫版の全集が誕生した。具体的にはかうである。この人はテネ シー・ウィリアムズから始まつてゐるらしい。初めはさうした現代劇に関はつたり訳したりしてゐたのだが、ある日、串田和美や東京グローブ座からシエークスピア翻訳の依頼が来る。続いて蜷川幸雄を紹介されたことから「ハムレット」訳 の依頼が来る。ここで筑摩書房に訳した3冊だけでも出してもら

    0
    2022年07月16日
  • 深読みシェイクスピア

    Posted by ブクログ

    英語の戯曲をどうやって日本語に訳すか。
    具体的な分析を通してシェイクスピアの本質に迫ろうとする本。
    語られる内容は英語の専門的な話が多く、シェイクスピア初心者には難しいところ、ピンとこないところもありましたが、文章自体はインタビュー形式で読みやすかったです。

    リア王の「この世」と「ここ」の違いなど、シェイクスピアの意図をどのように理解して、日本語に訳す作業をどのように行っているかが具体的に書いてあり、面白かったです。この一言にどんな狙いを込めたのか。それによって、観客がセリフから受ける印象はどう変わるか。翻訳とは、それらを分析・想像して答えを導きだしていく作業なのだなと思いました。

    ロミオ

    0
    2022年06月16日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

    Posted by ブクログ

    いやクライマックスで主要人物一気に死にすぎやろ。もうちょい小出しに殺してや。
    まあイギリスの当時の価値観が窺い知れて面白かった。寝取られ亭主は赤っ恥だったんですね。あと修道院に行けという言葉が暗に売春宿に行けと意味しているという考察は大変面白かった。

    0
    2022年05月15日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    河合隼雄さんに松岡和子さんの対談ときたら、面白くないはずがありません‼️
    冒頭から、伝承では16歳だったジュリエットの年齢を14歳に設定し、僅か一週間のドラマとして完結させたシェイクスピアの天才を語るお二人。その「天才」を河合さんの先導によって読み解いてゆく愉悦。

    古書店の100円均一で見つけた一冊。

    0
    2022年03月04日
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)

    Posted by ブクログ

    読書会課題本。改めて読んでも面白い。今まで別訳に親しんでいたが、この松岡訳も悪くない。原文がどうなっているのか気になる箇所に、漏れなく注をつけている親切設計なのもとても良い。

    0
    2021年10月27日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2人の対談であるがシェークスピアは、今で言うエンターティメントであったと再認識。エロスあり、暴力あり、喜劇あり。
    単純なプロットゆえに、いくつかの操作で普遍的な物語になったのだろう。

    0
    2021年09月22日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

    Posted by ブクログ

    父である王に、
    自分のことをどれだけ好きか?と問われ
    二人の姉は、お砂糖のように好きだと言い
    末娘は、お塩のように好きだと答えた。
    王様は怒って、末娘を城から追い出した...

    うろ覚えだが、子どもの頃読んだ童話。
    長いこと、それは何の話だったのかと
    疑問に思っていたのだが
    リア王だったのだと分かった。

    翻訳本はあまり読まないが
    松岡和子氏が、
    シェイクスピアを全巻翻訳完結された、と聞いて
    何か1冊読んでみようと思い、手にしたのがこれ。



    0
    2021年08月12日
  • お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    お気に召すまま−シェイクスピア全集 15 (15)
    (和書)2009年09月28日 15:28
    2007 筑摩書房 シェイクスピア, 松岡 和子


    「お気に召すまま」は福田恒存翻訳で読んだことがあった。

    ロザリンドの男装がなかなか素敵ですね。

    0
    2020年09月25日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

    Posted by ブクログ

    初シェイクスピア。想像してたより読みやすかった。多くの画家がオフィーリアを描いているので、どういう存在なのか知りたかった。本を読んだ後、Amazoプライムでハムレットの古い映画を観たのでより理解が出来た。まずは四大悲劇を全て制覇したい。

    0
    2020年08月17日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    シェイクスピア読んだことないのに結構面白く読めたのは、シェイクスピアの凄さと対談してる二人の魅力かなあ!

    留学中に、エリートカナダ人とアメリカ人の会話にポロっとシェイクスピアが出でいたのを思い出す。欧米じゃ教養の印なの、と言っていた。順番逆かもしれないけど、これを機に私も読みたい。

    0
    2019年08月08日
  • 決定版 快読シェイクスピア(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ユング心理学をベースとした心理療法家の河合隼雄先生と、シェークスピアの翻訳第一人者の松岡和子さんの対談本。

    対談で取り上げられたシェークスピアの作品は、『ロミオとジュリエット』『間違いの喜劇』『夏の夜の夢』『十二夜』『ハムレット』『リチャード三世』。この6作品での対談が、当初新潮社から出版されたそうで、ここでお二方は意気投合されたようだ。その事は、対談を読んでいても読者に伝わってくる。

    その後、更に『マクベス』『ウィンザーの陽気な女房たち』『お気に召すまま』『リア王』で、対談が繰り広げられ、電子書籍で私が読んだものでは、その内容も収められていた。

    さらには、河合先生が亡くなる前に編まれた

    0
    2019年01月01日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シェイクスピアによる「4大悲劇」に含まれていることは予備智識として知っていたが、じっさいに読んでみるとなるほどたしかにこれは悲劇である。しかも、これ以上ないくらいの。何しろタイトルになっている「リア王」はもちろん、その娘たち3人とも最終的には亡くなってしまう。これではあまりにも救いようがない。せめてコーディリアだけでも生き延びてほしいというのが、多くの読者の願いではないだろうか。しかし、この悲劇は元はといえば、リア王が理不尽にコーディリアを勘当したところから始まる。そう考えると、この悲劇は誰にも止める術がなく、はじめからこのような結末を迎えるしかない運命だったのであろう。「邪知暴虐の王」は、か

    0
    2020年02月16日