小田理一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
世界を理解するためのバイブルと言っていい。
その意味で、J.E.ラブロック のガイア論と
並んで、私のおススメ図書の5本の指に入る。
ガイア論は地球の恒常性を示したもので、
提示的、啓発的だが、
本書は自然に加え、社会やその設計を志向する点で
より工学的、実践的。
世界は、単純な要素が繋がって、
複雑な挙動を示す。
システム思考家は、世界を
フローの操作によってその水準を調整するメカニズムが付いているストックの集合体
と見ている。
そうですね!私もシステム思考家に
なっていきますとも、ええ。
これまで私が無意識、経験的に見つけて会社や家庭で作ってきたいくつかのうまくいく仕組み、
つ -
Posted by ブクログ
黒人政権移行の難題を抱えた南アフリカのマンデラ大統領や暴力に揺れるコロンビアのサントス大統領が、のちにノーベル平和賞を受賞するに至る国家作りを支える基礎を支えた著者アダム・カヘンの本。
超難題の解決に助力してきた中で、一貫して対話の重要性を語ってきた著者が
「対話が最善の選択肢ではない」
とさらに踏み込んだ内容になっている。
「ストレッチコラボレーション」と題する、ただのコラボレーションではなく、お互いが柔軟に形を変えながら行うコラボレーション。
どうやってこのストレッチを生み出すかが重要で、要点は3段階あり本文中から引用。
“第一のストレッチ 、対立とつながりの受容では 、力と愛とい -
Posted by ブクログ
個人的には、システム思考の本では、現時点でのベストと思える。具体的で、実践的なんだけど、その下にほんとしっかりした思想というか、経験と知恵がある感じ。
(とはいえ、これを最初に読むのは難しそうなので、「なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?」、「世界はシステムで動く」を読んでからこの本に進むといいかな?)
内容的には、センゲの「学習する組織」「フィールドブック 5つの能力」で紹介されたシステム思考の方法の詳しい説明という感じ。
つまり、変数をリストアップしてその関係をゼロからループ図にしていくというアプローチではなくて、「システム原型」を使いながら対話をおこなっていくことを中心とした -
Posted by ブクログ
「最強組織の法則」の改訂版。ということで当然ながら、ヘビー級かつ難解である。しかし、それでも本書を読む意味は、大きく、広く、深い。個の能力の総和より、はるかに大きな能力をもつチームを持ちたいと願うマネージャは多いだろう。しかし、こんな組織がその辺に転がっているわけでもなく、自分が今持っている組織を作りかえるしかない。だた、どうすればいいかわからない。やみくもに、ベスト・プラクティスを実行しても、しょせんそれはパッチワーク。チームの成長にはつながらない。本書は、このような状況(おそらく、ほとんどの組織はそうだと思う)から、いかに抜け出して、卓越した組織を作るかを、真正面から答えようとし、十分な成
-
-
Posted by ブクログ
人はとかく、局所解に陥りがちである。
ある場面では是とされた行動であっても、視点を上げシステム全体から俯瞰してみると機能不全のボトルネックになっていることもある。
本書「学習する組織」では視野狭窄によるシステム破局事例を紹介しつつ、
「システム思考」で全体をあるべき姿にしていくためのディシプリンが語られる。
自己マスタリー、共有ビジョン、ふりかえり、リフレーミング…
後発のビジネス書で「断片」が語られるこれらの要素が一つのシステムとしての文脈で語られる。
ボリュームが大きく、決して平易な内容ではないため歯応えはあるが登る価値のある山脈。 -
Posted by ブクログ
「システム屋」と呼ばれる方々がいらっしゃることがわかりました。
世の中で起きている出来事をシステム化してみると、科学的なこと、ITでおきていること、政治行政でおきていること、家庭の問題、など、実は統一したシステムで起きていることがわかった。
「お風呂の栓をしないまま水をためていってもたまらない」という単純なシステムで動いているシステムがいかに多いことか!
「このことに気がついて、万能感をもったシステム屋さんが調子に乗って行政に提言してもうまくいかない」
というのもひとつのシステムだそうで、それも面白かった。
ときどき難解に、そしてまたときどき具体的になりながら、私たちの注意を引きつける文 -
Posted by ブクログ
ネタバレマンガ最高。
組織における「学習障害のものさし」。危機的なレベルの計り方がわかる。
また、「認識ギャップがあるな。」と表面的に気づいていたりする事柄が「なぜなのか?」の部分が体系的に理解できる。
感情的な部分で現場では見落としそうなところ
「悪いのはあちら。私はこれだけやっているのに。」と思ているのだが、実は構造上の問題であり、そういった気になってしまう事に気づく事が一番のキー。
オープニングの「ビールゲーム」のところで、マンガの読み手は気づく。
ゲームと実際の現場では違い、自分で気づくのは難しいという事。内省力が試される事。
よって、採用で掲げている「素直さ=柔軟性」「自分で考えて行動 -
Posted by ブクログ
センゲの「学習する組織」は、不思議な本で、読めば読むほど、味がでてくるというか、なんだか難しくなってくる。
最初に読んだときは、「そうそう」みたいに読めたのだが、2度目、3度目となるにしたがい、理解と共感が深まるとともに、「これってどういう意味なんだろう?」「本当にそうなんだろうか?」といろいろな思いがわいてくる。
一つの解釈には収まらない、さまざまな読み方が可能で奥の深い、いわば古典みたいなものなんでしょうね。
読むたびに新しい気づきとインスピラーションを与えてくれる、いわゆる経営学を超えた本だ。
とはいうものの、実用的、実践的に、どうするのか、と考えたときには、やや困った本でもある -
Posted by ブクログ
組織に関する内容ですが、その前提として、既に完成度が高い個の集まりを立脚点として、述べている印象です。
もちろん、その完成度を高めた個として、”自己マスタリー” ”メンタル・モデル” が定義付けられています。
その点は西洋流ですね。 あと個人主義的なメンタリティーを持つ中国も含まれるかな。
逆にいうと、農耕的集団志向のルーツを持つ日本人が特殊なだけだろうか。。
野中郁次郎さんの"知識創造企業"でも、その点が野中さんのSECIモデルとの相違点だとご自身で述べていたような……
"システム思考"には、共感します。
本書の最後は、"ガイア理論" -
Posted by ブクログ
「学習する組織」の原典ともいえる"the fifth discipline"の2nd editionの完訳版。
原書の2nd editionは、1st editionから100ページくらい増えていて、これまでの翻訳「最強組織の法則」は1st editionからの抄訳だった。
まずは、ざっと一読した感じは、「最強組織の法則」とは全然違う本になったな、というところかな。
580ページの厚めの本になったということもあるけど、なんだか、調子が大部違う感じだ。
「最強組織の法則」を読んだのが大分前なので、ちゃんとした比較はできないのだけど、そのときの印象は、「良い事言っ -
Posted by ブクログ
近頃、本を読むスピードが落ちたな〜、と思っていたけど、これは3日間で読んでしまった。
単に、最近、それほど面白い本に出会っていなかったということだね。
これは、本当に面白い、エキサイティングな本です。
システム思考については、ある程度、知っているつもりだったけど、なるほど〜、な話しが満載です。目から鱗が落ちまくります。全く新しいことが書いてある訳ではないのだけど、これまで知っているつもりだったこと、単独では分かったつもりだったことが、つながるわけ。まさに、個別要素の合計ではなくて、知識同士のつながりが新たな知識として、立ち上がってくる感じ。
ちょっと、またシステム思考、がんばってマスター -
Posted by ブクログ
一つ一つの問題や個別の事象に着目するのではなく、システム全体としての構造に注目する。木を見て森もみる視点を前提に持つこと。自己学習のサイクルを自覚すること。また、個人それぞれが自らの経験と知識によって形作られるメンタルモデル、つまり思い込みや認知バイアスがあることをわかった上で、全員が共有できるビジョンを組織として持つこと。組織全体で学習し、能力を開発していく。個人でなく、組織全体のシステムを改善していくことで最強組織ができるとピーターさんは言っている。
まず理論をわかっていることはとても重要。だけど、これを実践することはとても難しい。一人がわかっていてもダメだが、全員でこのことを理解するこ -
Posted by ブクログ
大変な名著ですので、ぜひ多くの人に読んで頂きたいと思います。
多くの人が「読みづらい」と言っていて、「あ、そういうものなのか」と思いました。
ぼくが「システムのモデリング」や「ダイナミクスの分析」というアイデアをすんなり理解できたのは、もともとシステム制御工学を専攻していたり、バージニア・アンダーソンの『システム・シンキング―問題解決と意思決定を図解で行う論理的思考技術』を若い頃に読んだりしていたからなのかもしれません。
ぼくはそのような知識に早くから触れるという「幸運」に恵まれていました。しかし、多くの人は、そうではないんですね。
たしかに、学校教育のカリキュラムを考えてみれば、「シ