小田理一郎のレビュー一覧
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アダム・カヘンの最初の本の新訳版。
前の翻訳は2008年に出たということで、私は出てすぐ読んで、その後再読していないので、15年振りということになる。
旧訳と比較してないので、どこがどう変わったかはわからないが、全体として読みやすくなった印象をもった。
もちろん、その後のアダムの本やU理論などなどを読んだり、ワークショップに参加したり、いろいろしたので、「そうそう」みたいな感じで読みやすく感じたのかもしれない。
いくつか自分の理解が十分でなかったところで、改めて理解が進んだ概念もいくつかあった。(「ディベート」に関する部分とか)
本は、理論的というより、さまざまなエピソードを紹介しながら、ストーリー的に語られているので、読みやすい感じはするのだけど、全体としてどういうフレームになるのかはややわかりにくい。
その辺りのところを訳者が解説で、U理論のフレームに当てはめ直して、全体を整理してくれているので、スッキリする。この解説のためだけでも、読む価値がありそう。
著者のファシリテーションは、その後、「愛」「力」「公義」の三位一体論に発展するわけだが、この本は、その入り口、とくに「愛」を中心に語られているということになる。
しかし、改めて、三位一体論を頭にいれて読むと、明確に概念整理はされていないものの、そこにつながっていく話しはあって、面白かった。
カヘンは、静的なフレームワークの中でファシリテーションする人ではなく、なんか軸の極を行ったり来たりしながら、ダイナミックに前進していくような人なんだろうなと思った。 -
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アダム・カヘンの本、5冊目?
どこかで読んだと思うエピソードとか、議論もあるのだけど、過去の著作も含んだカヘンのファシリテーション論の総集編、集大成みたいな感じかな?
以前の著作で「愛」と「力」の両方必要なのだけど、それを同時にやるというより、歩くときに右、左と進むように、やっていくという話しがあった。
それはなるほどと思ったのだけど、やや抽象的な感じだったのが、ここでは切り口を整理して、ある程度、具体的な形で説明してくれている。
そして、この本では、さらに「正義」という要素がでてきて、「愛」「力」「正義」の3点セットで整理してある。
「愛」と「力」で進むのはいいのだけど、その目的として「正義」がでてくるという話です。
それはそうなんだけど、「正義」というと、人によってなにが正義か違うわけで、それが対立の原因になったりするので、この辺りは難しいところかな?と思った。
あと、日本語で「正義」というと、わりとモヤモヤしてくるという語感もある。英語だと多分Justice。語感的には、公正というニュアンスがあるかな?公正というと少し受け止めやすくなるのだけど、それでも「公正な社会を目指そう」というとやはりモヤモヤは残るだろうな。
結局のところ、「公正性」、一人ひとりが尊重されるみたいなところを目指して、なにかやっていくことが大事と思うものの、たとえば、アメリカだとトランプ主義みたいなところではかならずしもそういう方向ではない。そして、トランプを支持する人が国の半分くらいなわけなので、なにが公正なのかというのは悩ましいところ。
日本に置き換えると、ジェンダーをめぐる議論、ディスコースをみると、日本での「正義」「公正」って、なんだろう、と思ってしまう。 -
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ネタバレシステムを理解する。これは政治家、行政の職員、経営者だけでなくあらゆる人が理解するべきだ。
国や地方自治体では何もしない。もしくは何か新しいことをするが思惑が外れて失敗する。これが延々と続けられている。それは何故か。システムへの無理解である。
システムを理解しようとしないから変化を恐れる。何かを変えると思わぬ副作用が出る。それを避けるために何もしない。逆に良いと思って新しいことを始めたがそれが限定合理性であることに気が付かなかった。システム的に考えないとこれらの不合理が生じる。
我々有権者、大衆も愚かである。サービスや商品、税金の値上げは反対などはその象徴である。日本のGDPはすでにジリ貧である。かつての栄光はないのである。新たな目標設定がいる。すなわち人口が減る中でのウェルビーイングの指標設定である。
システムはどうしてもタイムラグががある。それ故、共有地問題等直感に反する結果になる。これを理解することが必要である。
ビジュアル化は世の中を救うと考えている。手がきのライブドローイングを教えているのはこのシステムの厄介さをみんなで理解するため。国民のIQわ不断に上げていく。それが私達のウェルビーイングを上げていくはず。それ故、自らかくし、教えるのだ。 -
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会社の研修の事前課題図書なので読んだ。
自ら学習する組織を作る方法を、分かりやすく分解し、説明してくれた本。
この内容を最大限分かりやすくした本だと思う。
自ら学習する組織を作るためには
自分の内面を直視し、
間違った認識に基づき行動していないか、
自分のビジョンは何かを見定めたり、
必ずしも関係が良好ではない相手とも
コミュニケーションもとるよう促す場面があったり
(目標はビジョンを1つにして共に学習する仲間に
なることだけど)
実践するには精神的にかなりしんどいな、
というのが率直な感想。
それができたら、乗り越えられたら素晴らしいけど
傷ついたり感情をマイナスに揺さぶられそうで
怖い。
最後に、タイトルは「マンガでやさしくわかる」
ですが、この本はマンガは一部分でしかなく、
文章がほとんど、と思って読んだ方がいいです。
マンガのおかげで分かりやすくなっているけど、
マンガとたかを括っていたら、内容のボリュームに泣きました。。 -
Posted by ブクログ
例えば、「この世界をより良くしたい」と考えた時に、どんな基本思考を生きる人すべてにインストールすれば良いのか?と思えば、名著「7つの習慣」とかは間違いなく入るのだけど、10冊選んで良ければ、この本はその内の1冊に入って良いと思う。
どうしても、短期的な感情で、人に対して良し悪しを評価したり、争ったり、目先の利益を追求したりとなりがちだけど、それらは、システムの中の小さな挙動の1つでしかない。
モノゴトを、長期的、論理的、システム的な捉え方をして、その結果が生まれるだけの理由がどこにあるのか?を建設的に議論ができるようになるには、多くの人がこの概念を持たなければならないなと。
本文中にもあるが、「システムのレバレッジ・ポイントは直感では理解できないことが多い」とあり、この構造は、専門家や天才は正しいことを提言していたとしても、多くの人から理解されなかったり、信じられなかったりすると、実現できなくなり、結局のところ、誰も得しない状態になってしまう。
戦争や貧困、環境問題やエネルギー問題、ワクチン等医療の問題など様々あるけど、解決するためには、全員がシステムを構築できるような天才でなくても良いけど、システムの基礎を理解していて、最低限、ポジティブな意思決定、票を投じるような状態になるのが重要だと思わされる。
シンプルにいえば、
「〇〇さんが悪い」×
「〇〇さんにそうさせた環境を改善しよう」◎
多数の人がこの思考になれば、それで充分。
本の内容について、勉強になるところを抜粋すると、かなりのボリュームになってしまうから、ここではやめておく。
分厚くて難しい本に見えてしまうかもしれないけど、抽象と具体の行き来が多いから、イメージもつきやすく、ざっくり理解できればOKくらいの感じで多くの人に読まれてほしい。 -
Posted by ブクログ
むずい。ノーフリーランチの定理が示すように万人・万物にとっての最適なシステムは存在しないのかもしれない。
それでも周りに興味・関心を抱くことがこの世界にとってより良いシステムを構築していくために必要なのかなと思います。
以下、印象的なシーン
1. 工場を取り壊しても、工場を作り出した理屈がそのまま残っているなら、その理屈が別の工場を作り出すだけだ...
→『禅とオートバイ修理技術』より引用。ここでこの本の一節が出てくるとは、、、読んだことあったので感激
2. 再生不可能な資源に頼って資本ストックを構築しているときは、大きく速く成長すればするほど、下落も大きくなる。
→ 資源には限りがあること、そしてそれらを喰らい尽くす人間のスピードはとてつもなく速くて大きい。人間のスピードに追従できるシステムを果たして考えることはできるのだろうか、、、(何もしないは除いて)
3. ジャストインタイムは燃料供給の変動や交通流量、コンプュータの故障や労働力の供給状況、そのほかにも可能性のある突然の問題などに対する生産システムの脆弱性を高めてきた。
→ 突然の問題に対応できるのは今のところ人間だけだろうな。これが機械でも対応できるようになればまさにAI革命だわ。
4. 平均的な人間の肺の表面積がテニスコートを覆うほどであるのは、フラクタル幾何学のため。
→ コッホ曲線て確か長さは発散するけど面積は収束するんだったような、、、
5. サブシステムの目的が支配的で、システム全体の目的を犠牲にしているとき、その結果としての行動は部分最適化と呼ばれる。
→ ここで言うシステム全体の目的がいわゆる「本質」なんだろう。
6. 私たちはシステムの作り出す出来事に心を奪われすぎており、これまでの経緯にはほとんど注意を払いません。そして、これまでの経緯の中に、挙動や出来事を生み出している構造についての手がかりを探すことが下手なのです。
→ なぜそうなっているのか(そうなったのか)を考えるのってめんどくさいもんね、、、実験なんかは考察が大事だけどめんどくさかったなぁ。
7. エコロジカル・フットプリント
→ 別の本で出てきたキーワードのだったのでメモ。
簡単に言うと人間が地球に与えている負荷の度合い
8. 境界とは、私たち自身が作っているものであり、新たな議題や問題、目的ごとに、考え直すことができるし、考え直すべきであると覚えておくことは重要な技能。
→ これは人間関係にも当てはまりそうだな。
9. 限定合理性:人は自分の持っている情報に基づいて極めて合理的な意思決定を行う。
→ もはや恣意的では?
10. 持つものには与えられる、成功者はさらに成功する
→ 大富豪のルールでも最下位から一位は次のゲームで強いカードをもらえるっていうのがあってそれを思い出した。一度全てをリセットすることがこのシステムからの逃げ道と書いていたけど現実は残酷。
唯一可能性があるとしたらどんな方法でもいいから学をつけることなのかな。持つものが持たざるものと助け合える優しい世界であれ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書の言うところの「アルケミスト型」リーダーと言うと知人に一人いるのだが本書の主張と当人およびそれ以外の人びとを思い浮かべながら読むとアタマに入りやすかった。自分ごととして読むと全くアタマに入らないのは自分がこれらのリーダーの資質を持ち得てない(否認している)からなのだろう。(笑)
リーダーは発達の段階によりいくつかの類型(書籍は行動論理とある)にあてはめることができると解くのがこの本である。組織の成長に関するコンサルティングを通じて得た知見によるものである。「Teal組織」が組織の成長の度合いを発達の段階に当てはめて色として表現していたのを思い出す。
7つの行動論理とは「機会獲得型」「外交官型」、「専門家型」「達成者型」、「再定義型」「変容者型」そして「アルケミスト型」である。最後の「アルケミスト型」を目指すというのが本のキャッチであるが、その実ほとんど居ないだけでなくビジネスでの有用性についても確認が取れている訳ではないという。そこは盛ったな感が拭えない。
問題が起こっている企業において経営幹部というリーダー達はこれらの行動論理のいずれかをとっており、そこからダイナミクスを理解するというのはなるほどわかりやすい。また後から分析する時にもストーリーが分かりやすくなるという利点もある。