「学習する組織」入門――自分・チーム・会社が変わる 持続的成長の技術と実践
著:小田 理一郎
学習する組織は、新しい時代に求められる組織のかたちを、関係者たちが自分たちで見出していくためのプロセスと能力を提示する。対話、内省、振り返り、システム思考、ビジョン構築、Uプロセスなどの様々な学習プロセ
...続きを読むスがあり、こうしたプロセスを効果的に進めるために必要な学習能力が5つのディシプリンである。
本書はそのディシプリンを根底として「学習する組織」について以下の9章により説明されている。
①学習する組織とは何か
②組織の学習能力
③自己マスタリー
④システム思考
⑤メンタル・モデル
⑥チーム学習
⑦共有ビジョン
⑧実践上の課題と対策
⑨組織の未来、リーダーシップの未来
「学習する組織」とは、目的に向けて効果的に行動するために、集団としての意識と能力を継続的に高め、伸ばし続ける組織である。言葉としてはスッと受け入れることができるものの、原著は自分にとって手も足も出なかった。
本書は原著を軸として日本の組織・風土にアレンジして記されている。理解しながら読み進めることができるのは、平易に書かれているというよりは、日本の現状と日本のこれからを見据えた形で記されているからである。
内容としては、盛沢山でどれから参考にするか、現状消化不良の状態ではあるものの、本質的な捉え方を参考として軸に据えていきたい。
今迄自身がいかに当事者意識が希薄に組織に関わってきたかというのを痛感すると共に、短絡的・短期的にその問題と向き合ってきたかがわかる。
短期で対応をすることはもちろん必要ではあるものの、並行して長期的対応を信念を持ってやっていくかが大切である。
本音と建て前という概念を持ってしても、もちろんことを成し遂げる時に、聞こえが良い方は本音を大事にすることである。しかし、組織にはびこる風土や空気感から建て前も上手に最適化しながら活用することで本音を活かすことができ、持続的な組織にとってもプラスの風を送ることもできる。
ただ、目の前の全体最適を求めるのではなく、中長期的な全体最適を考えて取り組む大局観を叶える動きも必要となる。
学習する組織を構成するのはもちろん人。
当たり前であるも自信も学習し続け、成長し続ける必要がある。ひとりよがりの自己成長・自己学習とならないように、本書を参考に積み上げていきたい。