あらすじ
世界100万部突破! 人とチームの「学習能力」の根源を探りマネジメントの新常識を打ち立てた名著、待望の増補改訂・完訳版。
今日、世界はますます複雑になり、ビジネス環境は日々変容し、私たちの仕事はかつてなく「学習」が求められるものとなった。これまでのマネジメントの枠組みはもはや通用しない。不確実性に満ちた現代、私たちの生存と繁栄の鍵となるのは、組織としての「学習能力」である。――自律的かつ柔軟に進化しつづける「学習する組織」のコンセプトと構築法を説いた本書は、世界100万部を超えるベストセラーとなり、90年代のビジネス界に一大ムーブメントを巻き起こした。2006年刊の増補改訂版である本書『学習する組織』は、企業、学校、地域コミュニティ、社会課題など、さまざまな実践事例を踏まえて大幅に加筆修正されており、いま個人・企業・社会に求められる真の「変革」とは何かを私たちに問いかける。ユニリーバ、VISA、インテル、世界銀行、ヒューレット・パッカードなど多様な組織で導入されてきた「学習する組織」。著者ピーター・センゲの深い人間洞察と豊富なケーススタディに裏打ちされた本書を通じて、管理ではなく学習を、正解への固執ではなく好奇心を、恐怖ではなく愛を基盤とする、新たな「マネジメント」のあり方があなたにも見えてくるに違いない。
【推薦】組織は全体として機能する――経営の本質えぐる不朽の名著
組織はシステムであり、「分かたれることのない全体」としてはじめて機能する。古今東西変わらない経営の本質であり、言ってみれば当たり前の話である。しかし、この当たり前の原則を見失って衰退する企業がいかに多いことか。これもまた古今東西不変の現象である。なぜか。皮肉なことに、多くの企業が意識的もしくは無意識のうちにつくりあげている経営の「システム」が、システムとしての組織を破壊しているからである。従来の支配的な経営システムは、「アナリシス」(分析)を強調するあまり、肝心の全体の「シンセシス」(綜合)をなおざりにしてきた。システム思考の概念と実践を説く本書は、誰もが表面的には大切だと思いながら、そのつかみどころのなさゆえに直視せずに避けて通ってきた経営の本質部分に正面から手を突っ込み、えぐり出し、手に取るように見せてくれる。本書の洞察は決して古くなることがない。文字通り不朽の名著である。
――楠木建氏(一橋大学大学院教授、『ストーリーとしての競争戦略』著者)
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Posted by ブクログ
学習する組織
システム思考で未来を創造する
著:ピーター・M・センゲ
他訳:枝廣 淳子
他訳:小田 理一郎
出版社:英治出版
ナレッジ・トランスファーとしての組織学習かと思いましたが、モチベーション理論といった意味合いが強いとおもいます。
今こそ「学習する組織」が強く求められている時代はない
そして、私たちはかつてないほどの「相互依存」の時代に生きている とある
相互依存をしているからこそ、個人の学習だけではなく、組織としての学習が必要である、という主張である
複雑に激しく変化する時代には、しなやかさや多様性を強化することにより、長期的な効率の最適化を図る。
長期的視野に立つからこそ、知識やツール、それらを使いこなすスキルだけではなく、根底にあるそれぞれの人の基本姿勢や、あり方が重要であると説く。
ディシプリンという、見慣れぬ言葉がでてきて、まず、そこで違和感を覚える。辞書には訓練、しつけ、規律、などとある。
5つのディシプリン
①自己マスタリー
②メンタル・モデル
③共有ビジョン
④チーム学習
⑤システム思考
なので、ディシプリン=規律かな、などと考えてしまう
しかも、本書のテーマである、第5のディシプリンがいきなり、冒頭からでてきて、ほかの4つはどこに?となりました。不親切!
そして、3つの中核的学習能力
①志の育成
②内省的な会話の原則
③複雑性の理解
を伸ばすアプローチとある
スキルの習得と実践ではなく重要なのは、人格育成であり、上司と部下との関係は、教師と生徒の関係に等し
マイスター制度化と思うばかり、マルクス時代からは考えられない、職業教育のアプローチが基礎になっている。
これまでの組織設計や教育体系を病気として、その治癒の方法として7つの学習障害の認識というがでてくる
①私の仕事は〇〇だから
②悪いのはあちら
③先制攻撃の幻想
④出来事への執着
⑤ゆでガエルの寓話
⑥経験から学ぶという妄想
⑦経営陣の神話
全体系としてシステム全体を捕らえよ、一人一人はその系の部品そのものであるため、その部品だけが悪いというわけではない。悪いとしたら、全体が悪い
学習する組織というのは、フィードバックシステムとして捉えたシステム系である。
システムの原型というものがあり、典型的なパターンを付録で紹介している
①遅れを伴うバランス型プロセス
②成長の限界
③問題のすり替わり
④介入者への問題のすり替わり
⑤目標のなし崩し
⑥エスカレート
⑦強者はますますつよく
⑧共有地の悲劇
⑨うまくいかない解決策
⑩成長と投資不足
まあ、スケルトンというか、フレームワークというか、問題をモデル化する際の既製服である
目についたのは
・二つの複雑性、種類による静的な複雑性、ダイナミック(動的)な複雑性がある
・フィードバック・プロセスには、増殖型と、平衡型とがあり、その組み合わせになる
・フィードバックプロセスには、遅れを伴うことがあり、徐々に行動の結果をもたらす
・相互依存しながら変化する系には、分析と総合の考え方はそぐわない(問題を細分化しても効果が少ない)
・木を見て、森もみよ
・個人の学習なくして、組織の学習もなし
・自己マスタリーとは、ビジョンに絶えず焦点を当てて、新たに焦点を立て直し続けるプロセスである
・失敗しなければ、上達はない。
そのためには、失敗できる環境を整え、成功と失敗のフィードバックを回し続ける
・裸の王様、プラトンの洞窟の比喩。人間の目に映るのは真実ではなく、自分が思っている影である。
3つのリーダシップ
①学習システムの設計者としてのリーダシップ
②組織学習のための教師としてのリーダシップ
③全体系を最適化にするために、縁の下に力もちに徹する、執事としてのリーダシップ
リーダは、全体を見よ、そして全体にとって良きことをせよといっています。
目次
日本語版 訳者まえがき
改訂版によせて
第1部 いかに私たち自身の行動が私たちの現実を生み出すか
そして私たちはいかにそれを変えられるか
第1章 「われに支点を与えよ。さらば片手で世界を動かさん」
第2章 あなたの組織は学習障害を抱えていないか?
第3章 システムの呪縛か、私たち自身の考え方の呪縛か?
第2部 システム思考―「学習する組織」の要
第4章 システム思考の法則
第5章 意識の変容
第6章 「自然」の型―出来事を制御する型を特定する
第7章 自己限定的な成長か、自律的な成長か
第3部 核となるディシプリン―「学習する組織」の構築
第8章 自己マスタリー
第9章 メンタル・モデル
第10章 共有ビジョン
第11章 チーム学習
第4部 実践からの振り返り
第12章 基盤
第13章 推進力
第14章 戦略
第15章 リーダーの新しい仕事
第16章 システム市民
第17章 「学習する組織」の最前線)
第5部 結び
第18章 分かたれることのない全体
付録①学習のディシプリン
付録②システム原型
付録③Uプロセス
原注
ISBN:9784862761019
出版社:英治出版
判型:A5
ページ数:584ページ
定価:3500円(本体)
2011年06月30日第1版第1刷
2014年06月30日第1版第8刷
Posted by ブクログ
個人ビジョンを作り、話すこと
ビジョンの共有には、「将来像」を掘り起こすことが必要
何かを始める時、「創造的緊張」と「感情的緊張」の二つがある。創造的に何かを始める時は、不安な状態にあることが多いが、その不安と、感情的な不安は区別して認識する必要がある!
チームにおいて中核となる3つの必要な学習能力
「志の育成」…目指す方向、個人ビジョン
「複雑性の理解」…システムの理解(組織の方向性、現場)
「内省的な会話の展開」…深いコミニケーション
マネジメントの3種の神器
①計画、②組織化、③コントロール
マネジメントとは、「コントロール」すること
組織をつくるとき
①組織を築くこと
②組織の能力を高め、創造性を生み出す
③戦略を練り上げ、方針や構造を設計する
メタノイア→心の転換
スタッフの心の転換を行う
ピグマリオン効果
相手に期待すると期待した効果が出る
「成長」について
①自己強化型プロセスから始め、成長を感じること
②成長が止まった場合、制約要因を抽出し、その対処を行う
納得させようとするか、アイディアを試そうとするのかは違う。
自己ビジョンを私たちのビジョンとして、それを発信し続けるようにしていかなければならない
社員が会社の目的をために尽力してくれるためには「社員の献身に対する目的を持つこと」
上司を相手にする時は、「約束は控えめに、結果は期待以上に」
バッファを持たせて、伝えていく
愛とは、「他者を正当な他人として認めることであり、知性を広げる感情である」マトゥラーナ
カンパニーの語源はフランス語のカンパーニュである。これは「パンを分け合う」という意味で「コンペニオン(仲間)」の語源でもある
p438
「2割の人を同じ方向に動かすことができれば、ティッピングポイントに到達している」
by「急に売れ始めるには訳があるーネットワーク理論が明らかにする口コミの法則」高橋啓 2007
p475
老子
邪悪な指導者は、人々に罵られる
善い指導者は、人々に尊敬される
偉大な指導者は、ひとびとに「これを成し遂げたのは我々だ」と言わしめる
Posted by ブクログ
長い!やっと読み切った!
システム思考、自己マスタリー、メンタル・モデル、共有ビジョン、チーム学習の5つの原則・ディシプリンについて丁寧に解説される。システム思考が本社の核のため、全く知らない人は先に予習しておくと読みやすいかもしれない。簡潔に書かれている「実践 システム・シンキング」を先に読んでおくのが個人的にはオススメ。
後半にあたる12章以降は実践編であり、前半に比べれば多少流し読みできるだろう。前半の考え方についての世の中での適用例と言って良い。旧版を発行して以降の取り組みが書かれていて参考になる。特に2011年の段階で持続可能性についてここまで取り上げていることには尊敬するように思う。
しかし長いな…もう少し簡潔になる気はするが…
Posted by ブクログ
心理的安全性、パーパスなど、2022年で注目されている言葉は、1990年に書かれたこの本に体系的に書かれている。
この本が、最も整理された現代の組織論のようにも思う。
Posted by ブクログ
分厚い本ではあるけど、この思考を理解し、実践できてる組織は強いと思わされる。
個人的に、この本の最も重要なポイントを3つ挙げるとするならば、
・リーダーは、自らが学習者、実践者であり、システムの設計者になること
・状態はシステムによってもたらされ、すべて、その一部としてつながっている
・共有ビジョンを持ち、現実をデータで正しく認識し、システムそのものが自ら回り続けるように取り組むこと
このあたりが主なメッセージだと解釈した。
以下は気になったところを抜粋↓
・特に変化の激しい環境下においては、ジャズプレイヤーがその場やその演奏者の状況を見ながら適応する即興が協働の質を左右するだろう
・学習する組織では職位に関係なくすべての人がその時、その場でリーダーとなり得るのである
・学習する組織は、「いかに私たちの行動が私たちの現実を生み出すか、そして私たちはいかにそれを変えられるか」と言うことを人々が継続的に発見し続ける場である
・民間セクターには、公共セクターや教育セクターにはない、そして往々にして非営利組織にもかけている「実験する自由」がある。また、ビジネス部門には明確な最終損益があるので、実験を客観的な基準によって評価することができる。
・職業は何かと聞かれると、大抵の人は、自分が毎日どういう職務を行っているかを話すばかりで、自分の属する事業全体の目的については語らない。属しているシステムに自分が影響を及ぼす事はほとんどない、あるいは全くないと思っている人が大半だ。
・組織内の人たちが自分の職務だけに焦点を当てていると、すべての職場が相互に作用した時に生み出される結果に対して、責任感をほとんど持たない。
・各プレイヤーは、充分やる気があり、何が起こり得るかについての理にかなった推測に基づき、明確に正当化できる判断を行った。悪人は1人もいなかった。にもかかわらず、危機は存在していた。このシステムの構造に組み込まれていた危機があったのだ。
・個々の行動を形作り、ある種の出来事が起こりやすい状況を作り出している、根底にある構造に目を向けなければならない
・面白いことに、ビールゲームや、他の多くのシステムでは、あなたが成功するためには他の人も成功しなければならないのだ。
・効果が現れるのを待つ。パニックに陥らない。
・なぜ構造の説明が非常に重要かと言うと、それを持ってしか、挙動パターンそのものを変えられるレベルで、挙動の根底にある原因に対処することができないからだ。
・30番街で麻薬密売人を逮捕すると、やがて単に犯罪の中心を40番街に移しただけだということに気づく
・相殺フィードバック⇨良かれと思って行った介入が、その介入の利点を相殺するような反応をシステムから引き出す
・長期的な依存につながる短期的な改善は非常によく見られる現象で、システム思考家の間では「介入者への問題のすり替わり」と呼ばれている
・どの分野であれ長期的な解決策は「システムがそれ自身の問題を引き受ける能力を強める」ものでなければならない
・原因と結果が時間的にも空間的にも近くにあると言う考えを手放すこと
・誰も悪くない。あなたも、他の誰かも1つのシステムの1部なのである。
・環境の危機は非常に厄介なのである。自己強化型のパターンをたどるものは特にそうだ。問題に注意が向けられたときには手遅れの可能性があるのだ。
・システムにはシステム自身が目指すところがある。暗黙の目標。バランス型のシステムには、何らかの目標または目的を維持しようとする自己補正能力がある。
・問題のすり代わりの構造が見られるのは、農家が作物を栽培しなくてもよいように救済する食糧援助政策や、一時的には害虫を駆除するものの、同時に自然の点滴による害虫駆除機能も排除してしまい、将来再び害虫が大発生しやすくする農薬などがある。
・良かれと思ってなされた解決策が実は長期的には状況悪化させると言う挙動は、問題のすり替わりの構造によって説明することができる
・はじめのうちは意識的な注意や努力が数多く必要だ。その仕事に必要なスキルを学んでいくにつれて、活動全体がだんだん意識的な注意から潜在意識のコントロールに移行していく。
・創造的緊張の原則では、潜在意識が最も効果的に働くのは、ビジョンと今の現実に焦点がぴったり合っている時だと認識されている。
・潜在意識は、特に心の1番奥深くにある志や価値観に沿った目標を受け入れるようだ。
・振り返りの基本スキルは、口で言っている事と実際の行動との乖離をとらえることだ。(人は信頼できる⇨友人にお金を貸さない)
・信奉理論と現在の行動との乖離が認識されない限り、どんな学習も起こらない。
・最も生産的な学習は、通常、主張と探求のスキルが融合された場合に起こる。全員が自分の考えを明らかにし、公の検証にさらすのだ。
・主張と探求のバランスが取れている場合は、データを却下することにも、データを確認することにも抵抗感がない。なぜなら、真に関心があるのは、自分の考え方の欠点を探し出すことだからだ。
・相手が自分の考えの探求を受け入れるようには思えない場合、どんなデータや論理があれば考えが変わり得るのかを聞いてみる。
・組織全体が、真実に忠実であること
・共有ビジョンは、「あの人の会社」ではなく「自分たちの会社」となる
・現代の組織のほとんどでは、参画している人は相対的にごく少数である。コミットしている人はさらに少ない。大多数の人は追従の状態にある。
・優れた結果を出せる人とは、ビジョンを保持しながら、今の現実をはっきり見ることに全力を投じることができる人だ。この原則は、組織にもそっくり当てはまる。
・優れた組織の証は「悪いニュースがどれだけ早く上に届くか」
・健全な、生きているシステムでは、管理は分散されることを私たちは知っている。
・振り返りは仕事の遂行の1部として位置づけなくてはならない。何が起きたか、何を予想していたか、この乖離から学べる事は何か。
・リーダーの役割は、船長と考えがちだが、船の設計者である。設計者ほど、船全体に影響を及ぼすものはいない。
・邪悪な指導者は、人々に罵られる。善い指導者は、人々に尊敬される。偉大な指導者は、人々に「これを成し遂げたのは我々だ」と言わしめる。
・偉大なる教師の周りには学習する人がいる。偉大なる教師は学習する場を作り出し、人々をその場に招き入れる。
・真の教師になるためには、まず、学習者にならなくてはならない。実際に、教師自身の学習に対する情熱は、その専門家としての知識と同じ位、生徒たちに刺激を与える。
・単なる提唱者や伝道者ではなく、実践者でなくてはならないのである
・最終的に最も有能なリーダーになった人たちは、階層や職務が何であれ、必ずや真の学習者でした。
・進化は「保全から生まれる変化」のプロセスである
・大事な事は、再度働きかけをしなくても良いように、改善を試みること
Posted by ブクログ
時間をかけて唸りながら読みました。良書。
いかに学習する組織の少ないことか。。。
そして自分の組織は学習する組織でありたいと思う。
以下、フレーズの抜粋。
・問題はどんなビジョンかではない。ビジョンで何をするかだ
・人は変化に抵抗するのではない。変化させられることに抵抗するのだ
・組織を設計することは理性の力を超える
・私たちはより賢く働く代わりに、単にがむしゃらに働いていた
・私たちは昔から上司への報告を書くのはお手の物だが
自分の経験から学ぶことは必ずしも得意ではない
・上司を相手にするときは「約束は控えめに結果は期待以上に」
・過去の戦略や経営上の変更、リーダーシップのアプローチにおいて
何が成功し、何が失敗したかを調査することに
自分たちの組織がほとんど資源を投資していないことは
まさに職務怠慢と言ってよい
Posted by ブクログ
「最強組織の法則」の改訂版。ということで当然ながら、ヘビー級かつ難解である。しかし、それでも本書を読む意味は、大きく、広く、深い。個の能力の総和より、はるかに大きな能力をもつチームを持ちたいと願うマネージャは多いだろう。しかし、こんな組織がその辺に転がっているわけでもなく、自分が今持っている組織を作りかえるしかない。だた、どうすればいいかわからない。やみくもに、ベスト・プラクティスを実行しても、しょせんそれはパッチワーク。チームの成長にはつながらない。本書は、このような状況(おそらく、ほとんどの組織はそうだと思う)から、いかに抜け出して、卓越した組織を作るかを、真正面から答えようとし、十分な成功を勝ち取っていると言える。真正面から、正論で臨むために、おそらくこれを実践する人間は、多くの軋轢になやみ、くじけることがあるかもしれないが、それでも、あなたがプロフェッショナルなら、やめてはならない。最強の組織を作ることが、あなたの使命なのだから。
Posted by ブクログ
内容が広く深く、一回読んだだけだと理解も覚束ない。再読しよう。でも、内容を理解すると間違いなく目の前で起きている事象について自身の捉え方が変わる。
端的には、目の前の事象を自身も含めた相互作用の構造として理解することの重要性を述べている。
その他にも色々と重要な気付きがある。が、実践で取り組まないと本当に理解できない部類の内容なので、まずはやってみよう。
Posted by ブクログ
人はとかく、局所解に陥りがちである。
ある場面では是とされた行動であっても、視点を上げシステム全体から俯瞰してみると機能不全のボトルネックになっていることもある。
本書「学習する組織」では視野狭窄によるシステム破局事例を紹介しつつ、
「システム思考」で全体をあるべき姿にしていくためのディシプリンが語られる。
自己マスタリー、共有ビジョン、ふりかえり、リフレーミング…
後発のビジネス書で「断片」が語られるこれらの要素が一つのシステムとしての文脈で語られる。
ボリュームが大きく、決して平易な内容ではないため歯応えはあるが登る価値のある山脈。
Posted by ブクログ
組織に関する内容ですが、その前提として、既に完成度が高い個の集まりを立脚点として、述べている印象です。
もちろん、その完成度を高めた個として、”自己マスタリー” ”メンタル・モデル” が定義付けられています。
その点は西洋流ですね。 あと個人主義的なメンタリティーを持つ中国も含まれるかな。
逆にいうと、農耕的集団志向のルーツを持つ日本人が特殊なだけだろうか。。
野中郁次郎さんの"知識創造企業"でも、その点が野中さんのSECIモデルとの相違点だとご自身で述べていたような……
"システム思考"には、共感します。
本書の最後は、"ガイア理論"→地球レベルまで、論じられております。
人間て、どんどん視野が狭くなっていく主観的な生き物。
問題解決が本業の自分は、真因究明という解にたどり着くために、深く掘り下げていかなければならないという宿命を持っています。
この"システム思考"を心に秘めながら、常に全体を振り返ることを忘れずに、部分と部分の関係に配慮して、ストーリー(ロジック)を作っていこう!
そのためには、もっと先を見据えながら生きていかなきゃ!
・システムと自分の主観との両立。
・Win-Winの探索。
・実務と学習のリンク。
読み進めながら、かなり自己が啓発されました。
ハウツー的な内容ではありませんが、なにか自己変革できるきっかけをいただくことができた様な読後感でした。
自分が現在考えている組織観は、この学習する組織で述べられている、システム思考をフレームとして、その中のプロセスへの適用にSECIモデルといったところだろうか。
学んで頭に入っているだけではさびついちゃうので、早速 会社へ適合していこうと思います。
Posted by ブクログ
「学習する組織」の原典ともいえる"the fifth discipline"の2nd editionの完訳版。
原書の2nd editionは、1st editionから100ページくらい増えていて、これまでの翻訳「最強組織の法則」は1st editionからの抄訳だった。
まずは、ざっと一読した感じは、「最強組織の法則」とは全然違う本になったな、というところかな。
580ページの厚めの本になったということもあるけど、なんだか、調子が大部違う感じだ。
「最強組織の法則」を読んだのが大分前なので、ちゃんとした比較はできないのだけど、そのときの印象は、「良い事言っているけど、なんだか大雑把で、一貫性ないな」という感じだった。
同時期にたまたま読んだ「ビジョナリー・カンパニー」が、かなりしっかりとした実証研究のうえになりたちつつ、そういう実証的な本が陥り勝ちな「そんなの当たり前じゃん」的な退屈さからはすごく遠い、スリリングで明快な主張を持つ本だったのとは対照的で、「最強組織の法則」は、「で、それがうまくいく証拠あるの?まだまだ頭で考えただけじゃん」という印象であった。
つまり、「最強組織の法則」は、なんだかピンと来ない本だった。
で、今回の翻訳だが、「そうそうそうなんだ!」と共感しまくり、付箋を貼り始めたら、付箋だらけになってしまった。
この数年間、「フィールドブック」を始め、「学習する組織」関係の本をいろいろ読んできたので、理解度が深まったということもあるが、初版から15年を経ての実践からの学びが本のなかに凝縮されている感じだ。つまり、フィールドブックや「出現する未来」など1st edition以降に出された本のエッセンスも織り込まれたまさに「学習する組織」の原典に相応しい本に仕上がっている。
あいかわらず、事例の部分は、インタビューを中心としていて、全く実証的ではないのだが、それをはるかに超える迫力と説得力をもった本だ。
不確実ななかで、これからの未来を作るのに、過去の成功事例とか、統計処理とかから、帰納的に考えてもしょうがないんだね。
それから、もともとシステム思考が最重要のディシプリンということだったはずなのだが、2nd editionでは、「自己マスタリー」のほうに重点が移った感じがした。結局、未来をつくっていくのは、なにかを始めようとするリーダーなんだよね。そして、それは役職としてのリーダーじゃなくて、一人一人のなかにあるリーダーシップ、自己マスタリーの問題なんだな。
内容も素晴らしいが、翻訳がとても信頼できる感じがして、そこがとても良い。
「最強組織の法則」が抄訳だったり、なんだか誤訳じゃないかと意味が分かりにくいところがあったので、原書と読み比べたりしていたのだが、今回の本は、原書の印象とかなり近い気がする。
前回が無理矢理ビジネス書の体裁にまとめました、という感じだったのに対して、今回の訳は、原文の内省的な感じがよくでていると思う。
ちなみに、原書の最初には、蛇が5匹とぐろを巻いていて、それを大きな蛇が囲む挿絵が入っているのだが、今回の翻訳では、これが省略されている。これを最初につけると「かなりスピリチュアルにいっちゃうな、ビジネス書っぽくない」という判断なのかな、と思ったが、個人的には、そのビジネス書らしからぬところが好きなので、ちょっと残念。
その点を除けば、素晴らしい出来だと思う。
何度でも読み返すに値する本
Posted by ブクログ
一つ一つの問題や個別の事象に着目するのではなく、システム全体としての構造に注目する。木を見て森もみる視点を前提に持つこと。自己学習のサイクルを自覚すること。また、個人それぞれが自らの経験と知識によって形作られるメンタルモデル、つまり思い込みや認知バイアスがあることをわかった上で、全員が共有できるビジョンを組織として持つこと。組織全体で学習し、能力を開発していく。個人でなく、組織全体のシステムを改善していくことで最強組織ができるとピーターさんは言っている。
まず理論をわかっていることはとても重要。だけど、これを実践することはとても難しい。一人がわかっていてもダメだが、全員でこのことを理解することもまた難しい。
おそらくこの理論と実践を強力なリーダーシップのもと勧めていかなければとても現実に適用できるモデルとは言い難い。
なのでこの理論を抑えた上で、ドラッカーのマネジメントや、人と組織はなぜ変われないかでおなじみの免疫マップを活用するなどして掛け合わせで理想を追い求める継続した努力がないとなかなか実現はしないだろうと思う。
だからこそ、チャレンジのしがいがある課題だとも言える。
Posted by ブクログ
自律的かつ柔軟に進化しつづける「学習する組織」のコンセプトと構築法を説いた本と謳われる本書により、数々の具体のエピソード、ケーススタディを基に、マネジメントのあり方を考えることができる。図解による脚注が丁寧で、システマティックに納得感を高めることができる。とはいえ大部で、日本の経験とは異なる点もあり、一度読んで何が分かるのかという印象の読み応えのある経営書だった。
Posted by ブクログ
システム思考を世に広めたといっても過言ではない『学習する組織』。前半の在庫の話が白眉でシステム思考というか、システム全体を視野に入れて考えることの重要性が小売、卸、工場での発注と増産のメカニズムを通じて示される。ある意味誰も悪くはないのだけれど、合成の誤謬でシステム全体がダメになる。そのとき、変化するのに時間がかかる部分に最大の負荷がかかる。ここではそれは増産のためにラインを増やす必要のある生産者ということになる。このそれぞれのプレーヤーごとの変化にかかる時間の違いが問題を引き起こす。この点を解消しようとした思考がシステム思考という話。全体を見渡す視点を持っていれば防ぐことができるというわけだけど、その方法は本書では言及されない。あとは私にとってはやや自己啓発本のお説教めいた話になっていたと思っていて、面白みが一気になくなってしまう。この前半と後半のギャップが本書の評価を難しいものにしている。前半だけでも読まれるべきという意味で星4つとしたい。
Posted by ブクログ
世間に溢れているビジネス書とは一線を画す本
経営ノウハウというよりは、システム思考という新しい思考法を重心として、経営課題のみならず世界中のありとあらゆる課題へ対処するための根源的な思考法を提供してくれる。
実戦には時間がかかるし、会社でトライした時にも難しさを痛感したものではあるが、今求められるスキルの一つであると確信
Posted by ブクログ
組織が学ぶ為の必要な要素を展開している。自身もシステムの一部である事を認識することで、働きかけができる。その為に組織もまた個人も必要な考え方を持つ必要がある。
内容が濃く、一読での消化は難しい。途中挫折をするも読み終えた。また時を見て学習したい。
Posted by ブクログ
本の題名にあるように企業の組織がより発展し持続した繁栄を維持するためには組織の成員その組織に所属する全ての人々がおのずから学べる体制、学び分析し検証でき、それを改善に繋げられるシステムになっていなければならないとする理論である。そのためにはどのような組織体系を作ることが良いのかと言うことをいろいろな例題を下に記載しているが非常に読み応えがあり何回か読まなければなかなか理解しづらい本でもある。
自ずから努力して学ぶ組織ではなく、組織のシステムとして、進化、変容、改善を遂げていけるシステムとは、どのようなものかと言うことであり、非常に参考になる。
Posted by ブクログ
経営の名著ということで購入。
複雑に構成される主張を一方向に流れる「文章」という体裁で解説しているため、論理と論旨を追うには行ったり来たりする必要があった。それはまるで本書で紹介されるシステム思考を彷彿とさせる。
内容は一言でいうと、「いかに自立した組織を創造するか」である。主張はすばらしく、途中で紹介されているように京セラのアメーバ経営のような組織をワークさせるのは本書のディシプリンを身に着けたメンバーのなせるわざなのだろう。
ここまで壮大になると「会社文化」の世界なので、大きな会社が後段適用することを考えるのは非現実的なように思えてしまう。中小の組織のうちに文化として根付かせることが肝要である。ベンチャー企業に関わりがある方、もしくはそれに匹敵するぐらい柔軟な組織構造をもつ会社の経営者なら活かせるかも。
Posted by ブクログ
年間で10冊まで読まないビジネス書。簡単にメモだけ。
・「システム思考」がベース。
・「1個人は全体に影響を及ぼすことはない」と考えない。
・行動の結果は、ロールのビューから見えない、時間軸上でずれた所で意外な形で出ることが多い。
・ボトム(全社員)の個々人のビジョンが企業のビジョンに結び付くと強い組織になる。
・トップダウンのビジョンが共有(共感・同意)されることなど有り得ない!
・ビジョンを描くのには練習が必要。間違いを許容できる心理的安全の確保が必須前提。
・全員が個人のビジョンを持つとは限らない。他人のビジョンへの相乗りも有り得る。
・改善のつもりでも、負のループが作用している場合も。自身を分析し、思考に影響しているループ構成を描き出すと良い。
Posted by ブクログ
大企業のほとんどは、人間の寿命の半分も生きられない。なぜ組織運営は失敗するのか。その考察と対策。まず、フィードバックのプロセスを、自己強化型とバランス型に分けての説明。広告費を増やしていけば売上は増えていくが、対象顧客層にリーチしつくしたところで平衡する。研究開発費を増やしていけば新商品の開発を進んでいくが、技術の限界、マネジメントの限界、設備の限界、すなわち組織の限界に到達したところで成長は止まり、平衡する。それならばと1人だけ現状維持を貫いたって、社会は進む。社会が進めば生活が変わる。生活が変われば、平衡は崩れる。それを破るのが、イノベーション。イノベーションは稀であり、さも"偉業"かのように語られるが、組織が存続し続けるには絶対に必要な条件なのだ。"偉業"がなければ存続できないというのであれば、会社の平均寿命が短いのも頷ける。よって、組織に必要とされるのは、限界が決定されている状況下での"成長"ではなく、限界の原因を見極め、対処し続けていく力を養う"学習"なのだ。
そして提示される5つのディシプリン。個人の成長、チームでの成長、既成概念の把握、共有ビジョン、全体指向。どれについても納得できるだけの構造が解説されているのだが、どうにも受け入れ難いところがある。どれも正論がすぎるのだ。確かに個人の成長には理想と現実の創造的緊張が必要だし、チームで成長するためには議論する"ディスカッション"でなく、協働するための"ダイアログ"が重要だろう。考えの妨げになっている既成概念を把握し、より広い視点で物事を捉える全体指向がなければ、その場しのぎでない根本解決は果たせない。…しかし、やる気がなければ何もできない。みんなが正論が正しいと分かっているのに従えないのは、やる気になれないのは何故だろうか。
『モチベーション』について勉強するやる気がでてきたので、次はこちらを勉強してみよう。
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前半は良かったが、真ん中くらいから理解が追いつかず、集中力切れ。正直ちょっと訳のせいか、読みづらさも感じた。
そんな感じなので、内容はちょっと語るに及ばない。
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経営においてディシプリンがどう繋がっているかよく整理されている。
以下、印象的なフレーズ
・学習する組織は「いかに私たちの行動が私たちの現実を生み出すか、そして私たちはいかにそれを変えられるか」ということを人々が継続的に発見し続ける場である。
・ビジョンは具体的な目的地、望ましい未来像である。目的は抽象的で、ビジョンは具体的なものだ。
・失敗とは、単なる不足、ビジョンと今の現実の間に乖離があることを示すものにすぎない。失敗は学びのチャンスでもある。
・否定的ビジョンの根底にあるのは恐怖の力である。肯定的ビジョンを動かすのは大志の力である。恐怖は短期的に驚くべき変化を生み出すこともあるが、大志は学習と成長の絶えざる源泉として持続する。
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課題を目先のことと捉えず、システム全体から解決しようとするアプローチが実に示唆に富む。「最強組織の法則」とは全く違う本を読んだ印象を持った。(本間)
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本書の前提となる5つのディシプリンのうち、志の育成とされる自己マスタリーと共有ビジョンは今日的にはキャリア自律として扱われる領域で、パーパスマネジメントの考えと概念が近い。日本の組織、働く人にジワジワと浸透している。
内省的会話の展開とされるメンタル・モデルとダイアログも1on1やキャリアコンサルティングとして試みが導入されている。
以上の四つは、個人への働きかけによってある程度達成可能な課題に見受けられる。
問題は最後のシステム思考、複雑性の理解であろう。組織的課題は遅行軸であることがこのディシプリンが抱える最大の難しさで、より上位の経営者やリーダーが理解し戦術的に組織や業務に組み込むことができなければ、その浸透は達成し得ない。日本人が苦手な領域でもあり、身近で聞かれるような事業の失敗の典型例のようなケースが本書でも説明される。組織はどのようなアプローチでこの問題を解決し得るだろうか。
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「学習する組織」とは、持続可能性を導く、まさにイノベーションそのもののことである。この組織を創るには、共有ビジョンの構築とチーム学習が必要と説く。
これについては、以下少し説明を追記する。
持続可能性のある組織について、「目的を達成する能力を効率的に伸ばし続ける組織」とも言い換えられる。
共有ビジョンとは、外発的なものでも内発的なものでもいいのだが、外発的なものの場合、競合と比較したときに、何かを達成することに主眼をおいたほうがいい。
チーム学習について、個々の学習の総和であり、チーム学習が組織の学習につながるということである。
タメになったのはビジョン。
「人類の宇宙探索の能力を進歩させる」は目的で、目的は方角や進行方向を示すもの。「1960年代末までに、人類を月面に立たせる」はビジョンで、目的地や望ましい未来像を示したもの。
多くの企業が、ビジョンを正しく定義出ていないような気がする。できれば、ビジョンを聞いて、光景が見えるといいんだろうな。
次に面白かったのは、環境。
より有意義でやりがいのある職場環境を作ることで、業績は改善するそう。この有意義さは、共通のビジョンが必要なのだが、やる気にさせる唯一のビジョンはあなた自身のビジョンであるという点から、個々のビジョンのすり合わせの結果、共通のビジョンを作るというプロセスがよさそう。ま、協力してできると、単独でやるよりはるかに大きな成果ができるので、こうしたプロセスを経て、協力する関係が作れるといいなと思う。稲盛さんの言葉も出てくるけど、まず組織は物心両面の幸福を従業員に与えられるようにし、本当にしたいことに全力をそそげるようにすることが大切なのかなと思う。これが会社の責任だとして、個々の責任はというと学習をし続けること。学習がリーダーシップの源泉であり、持続可能性の源泉であるので、学習こそが義務であり、チームや組織とすり合わせをすることが求められているのだと思う。
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重要な示唆の外縁を歩いている感覚。要再読。
抽象度が高く、前半の説明と後半の実践の対応がわかりにくい。
◯システム思考:一見の改善策が次なる課題を生む可能性↔︎小さな変化が大きな改善を生む可能性も
→システムの理解が必要
◯構造の説明により、挙動パターンそのものが変えられるレベルで、挙動の根底にある原因に対処する。
・自らの行動により他者の挙動に影響を与えることを理解する。
・行動による影響が現れるまで待つことを理解し、パニックを起こさない。
◯相殺フィードバック:良かれと思って行った介入が、その介入の利点を相殺するような反応をシステムから引き出す
例)途上国の食料・農業支援による栄養失調の減少→出生率の上昇による人口過密で栄養失調が増加して相殺
◯システム理解のポイント
・全体で捉える
・誰も悪くない→関係性に問題がある
◯複雑性
・種類による複雑性(多様な変数)
・ダイナミックな複雑性(短期と長期で大きく異なる影響)
◯フィードバック・プロセスはループする→システムによって生み出される問題に対する責任は共有される
◯自己強化型ループとバランス型フィードバック
バランス型プロセスが存在していることに気づかず、変化させたくてもできない
◯プロセスの遅れを改善することで一定程度の改善がある
◯システム原型の理解
・成長の限界: 成長させる行動が減速させる行動を生み状況をつくる
→制約要因を特定して取り除く
・問題のすり替わり: 対処療法的な解決策が根本解決をより遠ざける
→根本的解決策を同時に示すとともに対処療法的対策の段階的削減を示す
◯自己マスタリー
・自分にとって何が重要かを絶えず明確にすること
・どうすれば今の現実をもっとはっきり見ることができるかを絶えず学ぶこと
→はっきりとしたイメージを対置させることで創造的緊張が生まれる
→行きたい所に行くには、今どこにいるかを知ることが先決
◯学習する組織では、人の最大限の発達と財務的な成功とは同列
◯人が心から目指したいもの、その具体性を持ったビジョンを持つ
↔︎逃避のための目的、手段に焦点を当てた目的
◯構造的対立: 多くの人が「自分は無力である」「自分には価値がない」という根底にある信条を持っていて、目標に向かう分、強い力で作用する
→まず構造的対立及びその影響の認識が必要。ただし構造的対立が作用していることに気づかないことが多い
→自分の問題を何かや他人のせいにしていると自覚したとき警戒することが発見の助けになる
例)自分の手足を自分で動かせることを理解していない赤ちゃんは自分の手が自分の耳を引っ張ったときに驚いて余計状況を悪化させる
◯潜在意識の能力を発揮する
→その訓練として、望ましい結果そのものに焦点を当て、具体的にイメージする
◯自己マスタリーの強化は強制できない
→以下の組織環境は促進できる
・メンバーが安心してビジョンを描くことができる
・真実の探求や真実に忠実であることが当たり前になっている
・現状に対して、特に避けたいために覆い隠したくなるものに異議を唱えることが期待されている
◯メンタル・モデルを問い直す
→相互探求のバランスが重要
◯共有ビジョンを築く
→個人のビジョンを奨励する。それは断片にはならないが、共有ビジョンへの目線を用意する。リーダーはトップダウンで示すものではないが、個人のビジョンを積極的に示す
◯ダイアログ(≠ディスカッション)によるチーム学習、その基本原則
・前提の保留。一般に人はある立場を取り、それを弁護し、それに固執する。他の人たちが反対の立場をとると、分裂が起こる。方向や戦略の根底にある前提を検証する場合、その前提を弁護士ないようにする。
・仲間として行動する。全参加者は肩書きを持ち込まず、序列は一切ないことを意識する。ただし、ファシリテーターは例外で、話し合いを順調に進めてくれるものとして期待する。ファシリテーターは言語化に努める。
・探求の精神。自分の意見の背景にある考え方、その根底にあるかもしれない前提、裏付けとなる論拠を探求する。「どのようにしてその意見、考えになったのか?」「なぜそれについて質問するのか?」の問いを発することを奨励する。
◯学習と仕事を一体化させる
→事前のダイアログと振り返り
・何が起きたのか?
・何を予想していたのか?
・この乖離から学べることは何か?
◯設計者としてのリーダー