あらすじ
世界100万部突破! 人とチームの「学習能力」の根源を探りマネジメントの新常識を打ち立てた名著、待望の増補改訂・完訳版。
今日、世界はますます複雑になり、ビジネス環境は日々変容し、私たちの仕事はかつてなく「学習」が求められるものとなった。これまでのマネジメントの枠組みはもはや通用しない。不確実性に満ちた現代、私たちの生存と繁栄の鍵となるのは、組織としての「学習能力」である。――自律的かつ柔軟に進化しつづける「学習する組織」のコンセプトと構築法を説いた本書は、世界100万部を超えるベストセラーとなり、90年代のビジネス界に一大ムーブメントを巻き起こした。2006年刊の増補改訂版である本書『学習する組織』は、企業、学校、地域コミュニティ、社会課題など、さまざまな実践事例を踏まえて大幅に加筆修正されており、いま個人・企業・社会に求められる真の「変革」とは何かを私たちに問いかける。ユニリーバ、VISA、インテル、世界銀行、ヒューレット・パッカードなど多様な組織で導入されてきた「学習する組織」。著者ピーター・センゲの深い人間洞察と豊富なケーススタディに裏打ちされた本書を通じて、管理ではなく学習を、正解への固執ではなく好奇心を、恐怖ではなく愛を基盤とする、新たな「マネジメント」のあり方があなたにも見えてくるに違いない。
【推薦】組織は全体として機能する――経営の本質えぐる不朽の名著
組織はシステムであり、「分かたれることのない全体」としてはじめて機能する。古今東西変わらない経営の本質であり、言ってみれば当たり前の話である。しかし、この当たり前の原則を見失って衰退する企業がいかに多いことか。これもまた古今東西不変の現象である。なぜか。皮肉なことに、多くの企業が意識的もしくは無意識のうちにつくりあげている経営の「システム」が、システムとしての組織を破壊しているからである。従来の支配的な経営システムは、「アナリシス」(分析)を強調するあまり、肝心の全体の「シンセシス」(綜合)をなおざりにしてきた。システム思考の概念と実践を説く本書は、誰もが表面的には大切だと思いながら、そのつかみどころのなさゆえに直視せずに避けて通ってきた経営の本質部分に正面から手を突っ込み、えぐり出し、手に取るように見せてくれる。本書の洞察は決して古くなることがない。文字通り不朽の名著である。
――楠木建氏(一橋大学大学院教授、『ストーリーとしての競争戦略』著者)
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「学習する組織」とは、持続可能性を導く、まさにイノベーションそのもののことである。この組織を創るには、共有ビジョンの構築とチーム学習が必要と説く。
これについては、以下少し説明を追記する。
持続可能性のある組織について、「目的を達成する能力を効率的に伸ばし続ける組織」とも言い換えられる。
共有ビジョンとは、外発的なものでも内発的なものでもいいのだが、外発的なものの場合、競合と比較したときに、何かを達成することに主眼をおいたほうがいい。
チーム学習について、個々の学習の総和であり、チーム学習が組織の学習につながるということである。
タメになったのはビジョン。
「人類の宇宙探索の能力を進歩させる」は目的で、目的は方角や進行方向を示すもの。「1960年代末までに、人類を月面に立たせる」はビジョンで、目的地や望ましい未来像を示したもの。
多くの企業が、ビジョンを正しく定義出ていないような気がする。できれば、ビジョンを聞いて、光景が見えるといいんだろうな。
次に面白かったのは、環境。
より有意義でやりがいのある職場環境を作ることで、業績は改善するそう。この有意義さは、共通のビジョンが必要なのだが、やる気にさせる唯一のビジョンはあなた自身のビジョンであるという点から、個々のビジョンのすり合わせの結果、共通のビジョンを作るというプロセスがよさそう。ま、協力してできると、単独でやるよりはるかに大きな成果ができるので、こうしたプロセスを経て、協力する関係が作れるといいなと思う。稲盛さんの言葉も出てくるけど、まず組織は物心両面の幸福を従業員に与えられるようにし、本当にしたいことに全力をそそげるようにすることが大切なのかなと思う。これが会社の責任だとして、個々の責任はというと学習をし続けること。学習がリーダーシップの源泉であり、持続可能性の源泉であるので、学習こそが義務であり、チームや組織とすり合わせをすることが求められているのだと思う。