小田理一郎のレビュー一覧
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経営の名著ということで購入。
複雑に構成される主張を一方向に流れる「文章」という体裁で解説しているため、論理と論旨を追うには行ったり来たりする必要があった。それはまるで本書で紹介されるシステム思考を彷彿とさせる。
内容は一言でいうと、「いかに自立した組織を創造するか」である。主張はすばらしく、途中で紹介されているように京セラのアメーバ経営のような組織をワークさせるのは本書のディシプリンを身に着けたメンバーのなせるわざなのだろう。
ここまで壮大になると「会社文化」の世界なので、大きな会社が後段適用することを考えるのは非現実的なように思えてしまう。中小の組織のうちに文化として根付かせ -
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ネタバレシステムとはどのようなインプットに対してどのようなアウトプットを出すのか。
システムは複雑化してが、インとアウトをしっかり構造化すれば、そのシステムの効果が理解できる。やはりここでも構造化が重要である。
実際の経済の長期モデルは全て人口と資本の二つの構造をつなげ、それらが互いにどのように影響を与え合うかを占める必要がある。
複雑なシステムの挙動のあらゆる可能性と同じく、ここでのアートは「どの構造が、どのような潜在的な挙動を含んでいるか」、そして「どの条件が、それらの挙動を顕在化させるか」を認識すること。そして、可能であれば、構造と条件を調整することによって、破壊的な挙動が生じる確率を減らし -
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いや、これはなかなか重要な内容の本でした。「敵とのコラボレーション」という題名が過激ですが、要は「多様な人たち、多様な価値観を持った人たちとのコラボレーション」というテーマです。
従来型コラボレーションの前提は、「チームとして1つとなる」「1つの最適な目指すべき計画を策定する」「1人の最高位のリーダーの指揮に従ってメンバーは行動する」。それに対し、この本が提唱する、多様な価値観、それぞれの利害を持ったメンバーたちと協働するための方法論、「ストレッチ・コラボレーション」では、、、(以下ネタバレとなるので略)
いや、このアプローチ、もちろん今までも無意識のうちにかなりの部分実践してきましたが、今後 -
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年間で10冊まで読まないビジネス書。簡単にメモだけ。
・「システム思考」がベース。
・「1個人は全体に影響を及ぼすことはない」と考えない。
・行動の結果は、ロールのビューから見えない、時間軸上でずれた所で意外な形で出ることが多い。
・ボトム(全社員)の個々人のビジョンが企業のビジョンに結び付くと強い組織になる。
・トップダウンのビジョンが共有(共感・同意)されることなど有り得ない!
・ビジョンを描くのには練習が必要。間違いを許容できる心理的安全の確保が必須前提。
・全員が個人のビジョンを持つとは限らない。他人のビジョンへの相乗りも有り得る。
・改善のつもりでも、負のループが作用している場合も。 -
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システム思考というより、今現在、少し気になっているキーワード「コレクティブ・インパクト」について学びたくて購入した1冊。
「コレクティブ・インパクト」自体はDHBR2月号でも特集が組まれていたように、社会課題に対して行政、企業、NPO団体など、さまざまな立場からの協働によって解決していくことです。
本書では複雑な要素がからむ社会課題のとらえ方として「システム思考」を提案しています。
システム思考に対比されるのは「線形思考」なのだけれど、こちらはシンプルな因果関係A→B のこと。
社会課題に対しておこなっている施策が「焼け石に水」、またはむしろ問題を悪化させる結果になってしまうのは、線形思考 -
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システム・ダイナミクス学派に属する米学者によるシステム思考の解説書。政治、経済などの社会現象や政策について、システム的にはどのように考えるべきかをわかりやすく説明している。参考になる考え方だと思った。
「「成功者はさらに成功する」は、生態学の分野ではよく知られた概念であり、「競争的排除の原則」と呼ばれている」p208
「「成功者はさらに成功する」原型から抜け出すための最も明確な方法は、定期的に「条件を変更する」ことです」p211
「金持ちがより金持ちに、貧乏人がより貧乏になるというループを断ち切るために、さまざまな仕組みがあります。累進課税、慈善活動、公共福祉、労働組合。平等な国民皆保険と教 -
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大企業のほとんどは、人間の寿命の半分も生きられない。なぜ組織運営は失敗するのか。その考察と対策。まず、フィードバックのプロセスを、自己強化型とバランス型に分けての説明。広告費を増やしていけば売上は増えていくが、対象顧客層にリーチしつくしたところで平衡する。研究開発費を増やしていけば新商品の開発を進んでいくが、技術の限界、マネジメントの限界、設備の限界、すなわち組織の限界に到達したところで成長は止まり、平衡する。それならばと1人だけ現状維持を貫いたって、社会は進む。社会が進めば生活が変わる。生活が変われば、平衡は崩れる。それを破るのが、イノベーション。イノベーションは稀であり、さも"偉