楠木建のレビュー一覧
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10年ほど前に、「ストーリーとしての競争戦略」を読もうとして、その文章、日本語に拒否反応を感じ、どうしても読み進めることができなかった。
今回、職場の人に勧められて半信半疑で読み始めたが、お悩み相談を書籍化したということもあり、この口調が逆に良い方向に際立って、とても読みやすく、面白かった。
今の私に一番刺さったのは、「ラインマネージャーか専門職か」というくだり。私も上司との人事面談のたびに聞かれて、状況に応じてどちらの要素も必要だと思うので、一概に決められない、といった回答をしていると、会社としては育成方針もあるからどちらか決めないと、と言われ、何ともしっくりこない気持ちでいたが、楠木先 -
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『戦略読書日記』ですっかり書評家・楠木建のファンになったワタシには、氏の書評がつまった本書を買わない理由などまったくなかった。500ページを超える単行本でも、その厚さに躊躇するどころか、むしろ期待で胸が高なった。
果たして内容は期待以上。書評に加えて、読書論や読書スタイルが挿入されていて、これがまた楽しい、と言うか驚愕!自由度が高すぎてロジック抜きのやりたい放題になってしまう小説には手をつけず、(ビジネス本を含めて)人間と社会についてのノンフィクションが中心。徹頭徹尾インドア派で、時間があれば一日に10時間本を読み、読書で頭が疲れたら違う本を読んで頭を休ませる。こんな人から繰り出される書評がつ -
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文句なし、5つ星!
ビジネスに必ず役立つ知識だけど、フレームワークなんかの理論じゃない。チームづくりのやり方でいくらでもパフォーマンスは変わってくるというコトを認識させてくれる良著です。
「最強チームをつくる方法」という副題は全くもってそのとおりなのですが、本著の内容は実際のケースに基づいていて、物語として楽しみながら読めるので、なんか勿体ないなぁという印象を受けました。
読んで驚いたのは、過去読んで素晴らしいと思った本や題材が集まっていたこと。
アダム・グラントから始まって、ピクサー、ユニオン・スクエア・カフェのダニー・マイヤー、アメリカ海軍の駆逐艦ベンフォールドの艦長マイケル・アブラショ -
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これってよく聞く悩みだよなぁ(大企業か、スタートアップか、など) というものに対して、好きなようにしてください、とあっさり回答しつつ、その理由を主に相談者の思考回路を紐解きながら行われるツッコミが、さすが研究者という感じのロジカルさで読んでいてわかりやすい。
大体の悩みが思考の底の浅さからくるもので、悩みというレベルじゃないんだなぁ、と思った。
よくネットで人生相談ものを読んだりするけれど、人生経験豊富な人が上から目線で回答するものとは異なり、ロジカルであるがゆえにスッと入ってきた。
これを読んだ後には、自分がうっすら抱えていた悩みって悩みじゃないんだよなぁ、とか、もっと自分の好き嫌いに -
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経営センスの論理 (新潮新書)
2013/4/17 著:楠木 建
すぐれた戦略をつくるために一義的に必要なのは何か。それは「センス」としか言いようがない。本を読んでスキルを身につけて、それでうまい戦略がつくれたら誰も郎いない苦労はしない。必要な要素は大半はセンスなのだ。
本書はそのセンスについて以下の6章により紹介している。
①経営者の論理
②戦略の論理
③グローバル化の論理
④日本の論理
⑤よい会社の論理
⑥思考の論理
人へ形容する言葉として「センスが良い」という表現は、私が最も憧れる誉め言葉である。恥ずかしながらまだ人様から「センスが良い」と言われたことは一度もないかもしれない。
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楠木建にハマり出してここまで来た。そして今回著名な経営者たちの好き嫌いを抉り出すというコンセプトで対談集になっている。彼らの胸に響く言葉は以下に引用したが、その中でも出口治明の言葉に意表を突かれ、その深い言葉に感銘を受けた。
【原田泳幸】
複雑なことを簡単に理解させる。これで初めて相手が行動するわけです。常に簡単に考える。非常にシンプルに考える。
【佐山展生】
自分のことは人に相談をしないことですね。
自分のことは自分が一番わかっていますし、私はみんなが行かない道ばかりを歩んできていて、だから面白いのです。みんなと違う道を歩いてこそ誰も知らない発見や喜びがあるのです。みんなにそんなことできない -
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本書は 楠木建の前作「ストーリーとしての競争戦略」の内容を書評で具体化するというコンセプトです。文章はゴツゴツしているけれども、内容はとても良かったです。
本人が面白がっていること。自分で心底面白くなければ、人がついてくるわけがない。ただし、誰もが喜ぶということは、本当に喜ぶ人は誰もいないのと同じこと。優秀な人というのは面白がる才能の持ち主だ。面白がる才能は人間の能力の本質のど真ん中といってもよい。時間をかけてでもそうした才能を開発できるかどうか、ここに本質的な分かれ目がある。自分が好きなこと、面白いと思うことを仕事にする。面白いからのめりこめる。普通の人にはできないような努力を投入できる。