山中ヒコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ山中ヒコさんを初めて読んだコミックスがあまり好みではなくて、でも高評価が気になって「エンドゲーム」を読んで打ち抜かれました。あの話はすご過ぎた!
そして、三冊目がこの本でした。
表題作よりも、先輩の片想いをずっと見守っていた話の方が切なくて好きです。名前も知らない片想いっていいなあ。
ですが、表題作の
「………嬉しい……!!オレの好きな男が女子共に嫌われていく……!!」って台詞が何故かツボにはいって、思い出してはにやにやしてしまいます。
分かる、そういうの分かるよ!
皆が嫌っても、自分だけが好きならいいのです。
奇跡のような、そうでもないような、ハッピーエンドでよかったね、春日部くん。 -
購入済み
わ、お宝発見〜!
重いのにゆる〜い空気感のBL「エンドゲーム」も良かったんですが本作もまた良かったぁ。序盤の「ええ〜?!」って急激な展開はどーだろねって感じでしたが、そこスルーしちゃえば個人の意識は不要の微妙な立場の敦子の心情にギュッと切なくなっちゃう。最後の最後まで遼って冷て〜ぇと思っていましたが、ワタクシが間違っておりました(笑)4巻後半では目頭ジーンです、感動的。
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Posted by ブクログ
自分の内側から湧き出る感情を、受け止めてくれる誰かがいるという幸せ。
それを叶う限り柔らかく伝えたいと願う優しさ。
それが巡り巡って自分に還ってくる奇跡。
最後が綺麗にまとまり過ぎていて、自分的最大の魅せ場が元服式の敦子の勇姿だった。 あんな立場になってもバイトをやりきった、責任感の強い頑張り屋の敦子。
精一杯虚勢を張ってみせたあの子の内側が繊細で思い遣りと優しさに充ちたままで、読んでいてとても救われた。 決して楽なシンデレラストーリーじゃないけど、幸せを掴み取った敦子には、その権利があると素直に思える。
最後の描きおろし(かな?)、とても温かい気持ちになった。
人は、誰かに与えられるだけ -
Posted by ブクログ
変わらないものはないんだな、と強く思わされた作品。
冷凍保存され、目覚めた世界は変わり果てた250年後の世界で。
人の営みも、社会も、命の摂理すらも変わっていた。
人間という生命体が生きる中で、アンドロイドが作られ、常用され、世界は変化し続ける。
でも人間は違う。
切り取った幸福を、出来るだけ永らえるために、止まることを選んだ。
果たしてそこに人間らしさはあるのか。
作中の最後、とらと光は止まることを選んだ。
彼らを取り巻く世界は変わり続けるが、彼らはそこから動くのを止めてしまう。
それが500年の営みの中で、やっと見付けた答えであり、人間くささのなくなった世界で、何よりも人間臭い生き方な