山中ヒコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分の内側から湧き出る感情を、受け止めてくれる誰かがいるという幸せ。
それを叶う限り柔らかく伝えたいと願う優しさ。
それが巡り巡って自分に還ってくる奇跡。
最後が綺麗にまとまり過ぎていて、自分的最大の魅せ場が元服式の敦子の勇姿だった。 あんな立場になってもバイトをやりきった、責任感の強い頑張り屋の敦子。
精一杯虚勢を張ってみせたあの子の内側が繊細で思い遣りと優しさに充ちたままで、読んでいてとても救われた。 決して楽なシンデレラストーリーじゃないけど、幸せを掴み取った敦子には、その権利があると素直に思える。
最後の描きおろし(かな?)、とても温かい気持ちになった。
人は、誰かに与えられるだけ -
Posted by ブクログ
変わらないものはないんだな、と強く思わされた作品。
冷凍保存され、目覚めた世界は変わり果てた250年後の世界で。
人の営みも、社会も、命の摂理すらも変わっていた。
人間という生命体が生きる中で、アンドロイドが作られ、常用され、世界は変化し続ける。
でも人間は違う。
切り取った幸福を、出来るだけ永らえるために、止まることを選んだ。
果たしてそこに人間らしさはあるのか。
作中の最後、とらと光は止まることを選んだ。
彼らを取り巻く世界は変わり続けるが、彼らはそこから動くのを止めてしまう。
それが500年の営みの中で、やっと見付けた答えであり、人間くささのなくなった世界で、何よりも人間臭い生き方な -
Posted by ブクログ
表紙のとおり【遼の巻】な3巻。 ストーリー的な進展はないけど、遼の「至を思う気持ち」とか「敦子に対する態度」とか、言葉とは裏腹な彼の本心がじっくり表れていた。
一番胸がギューッとなったのは、パーティーでの女の子との会話で遼が「はじめての衝動なら、その気持ちを大事にしてさしあげなければ駄目」と言われて取った行動が、敦子を成金王子から助ける事だったこと…。 きっとあれは、遼が生まれはじめて至よりも自分の感情を大切にした瞬間。 それが敦子に関する行動だったのが、この物語の中で凄く救いな気がする。
登場人物には嫌なヤツもいるけど、でも敦子は確実に「人の温かさ」を感じ始めている。 乃木家の渋沢に優しく -
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交通事故で母を亡くした孤児×義理の父の話。
ヒコさんのほの暗いテイストの話がとても好き。 この作品も重いけど、透も克哉も可愛くてほのぼのする。 悲しみを抱きしめている人の切ない笑顔がとても良い(´・ω・`)
長い間一緒に居たから、克哉の気持ちは恋なのか私にはわからない。 もっと深くて名前を付けられない唯一の感情な気がする。 透の気持ちは1巻だとわからないけど、「この世で一番あの子が大事だ」って言葉がすべてなんだろう。
お互いの事を自分より大切にする2人がみていて切ないけど「なんて幸せなんだろう」とも思う。 答えを出そうとすると難しいけど、目の前にあるモノがすべて。