岡田淳のレビュー一覧
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ネタバレ私が1番「いいな」と思ったのは、29ページの、
「3手の中のもの、なあんだ? ー夜警委員室ネズミの話ー」です。ある女の子が、夜警委員の井上さんに、「手の中のもの、なあんだ?」と言い、井上さんが当てていき、答えたものすべてあっていたが、女の子は悲しそうな顔をし、「スミレ、だろ。」と答えたら、少し嬉しそうな顔をし、次の日、「春だよ。春。季節の春だよ。」と答えたら、にっこり笑顔でした。そして、春をもらいました。この話で1番面白かったところは、女の子に春をもらっていたところです。104ページの、「すけだち
ー五年生ネズミの話ー」も、面白かったです。 -
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岡田淳さんの、前に読んだ『選ばなかった冒険』が結構怖かったので、今回も怖かったらどうしようと心配しつつ読んだのだけど、全然怖くなかった。そして面白かった!
小学校に住む魔女たちのお話を色々聞かせてくれる。踊り場の魔女、ひげの魔女、タワシの魔女、しおりの魔法使いなど。どれもなんだか出会えそうな方たち。
それぞれの学年の目線から、小学校の空気を思い出させてくれる。構成もお見事で爽やかな読後感でした。
はたこうしろうさんのシンプルなモノクロ絵が、作品にとても合っていて素敵だった。タワシの魔女が一番好きだったな。
しおりの魔法使いに、一体どんな愛の物語があったのか気になる(笑) -
Posted by ブクログ
図工教師のぼくのところには、いろいろな動物や昆虫たちが遊びに来るんだ。だからぼくは彼らに学校の子供たちの話を聞かせるんだ。
指遊びをしていたら体が宙に浮いてしまった『フングリコングリ』、
不思議な呪文で透明人間になり、裸の付き合いでますます絆が深まったクラスのお友達『むぎゅるっぱらぱらぴれふぎゅるっぱん』、
かっくんに膝カックンされたらみんなが笑ってしまう『かっくんのカックン』、
カエルが持っていた壺から願い事が出てくる『壺に願いを』、
クラスでハプニングが起きた瞬間に生徒たちは隣の生徒の気持ちと同化する。少しだけ人の気持ちを考えたら平和になる『フルーツ・バスケット』、
鍵を締め -
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やっぱりそうだよ!小学生くらいの年代にとっての『大人になってもいつまでも心にあったかく残る体験』って、高価な服着てアミューズメント施設や外国に行って高級料理を食べて…とか「しつらえられた体験」なんかじゃ絶対にない!
ちょっとした非日常的シチュエーションがあるとき不意に現れるっていうのは誰にでもあると思う。もちろん楽しいことばかりじゃない。なかなか思うようにいかないことも、服がドロドロに汚れてしまうことも…
でも一番大切なのは、その時間と空間を、仲間と『分かち合った』ということ。
1人ひとりの中身は人それぞれで違っていて、1つとして同じものなんか無いのはみんな知ってる。だから「分かり合う」という -
本の中に引き込まれる
小学校を舞台にしていて1時間目から6時間目まであるのですが、色んなお話があって、とても面白いし飽きないと思います!
だんだん不思議な世界に引き込まれていく感じがします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレテレビゲームを模した殺伐とした異世界へ転移させられ、眠るたびに、異世界と現実世界とを行き来することとなった小学6年生の子どもたちの物語。
1997年発刊。現在は「異世界転移系」ライトノベルが氾濫し、中にはあっけらかんとしたものも多いけれど、本作が表現しているように、ふたつの世界それぞれが持つリアルさの板挟みになり、思い悩む人間としての姿がないと、物語は説得力を持たないのだと改めて思う。
現実があるからこそ虚構に喜びと悲しみを覚えることができ、虚構があるからこそ現実がはっきりとした輪郭を持つという、ファンタジーの持つ力を強く感じる作品。