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Posted by ブクログ 2019年06月07日
テレビゲームを模した殺伐とした異世界へ転移させられ、眠るたびに、異世界と現実世界とを行き来することとなった小学6年生の子どもたちの物語。
1997年発刊。現在は「異世界転移系」ライトノベルが氾濫し、中にはあっけらかんとしたものも多いけれど、本作が表現しているように、ふたつの世界それぞれが持つリアルさ...続きを読むの板挟みになり、思い悩む人間としての姿がないと、物語は説得力を持たないのだと改めて思う。
現実があるからこそ虚構に喜びと悲しみを覚えることができ、虚構があるからこそ現実がはっきりとした輪郭を持つという、ファンタジーの持つ力を強く感じる作品。
Posted by ブクログ 2015年02月07日
実は読むの2度目。
岡田淳作品を読み始めたきっかけの本。
自分が通っている学校が、急にゲームの中のダンジョンのようになっちゃうってのがドキドキ。
しかもそっちの世界と現実世界を夢の中で行き来しちゃう。
学校通ってたら、もしかしたらこの学校も急に・・・って想像してビビったりしてたかも。
高学年向...続きを読むけだから、撃たれたりしたら死ぬんだよねぇ。
向こうの世界で死んでも、向こうの記憶を無くして、
元の世界に戻るだけなんだけど、それでもはっきりと死ぬって事を書いてるのは低学年向けとは違うなと。
中盤から徐々に向こうの世界の秘密がわかり始めるんだけど、いろいろ考えさせられる。
最初のちょっと浮かれてた感じはどんどんなくなって、
厳しい現実と向き合わなきゃいけなくなってきて・・・
おススメの児童書の1冊。
Posted by ブクログ 2013年04月22日
「二分間の冒険」と似たようなファンタジーを期待して読んだところ、ハードさにびっくりでした。拳銃、ナイフ、血、死体、別の世界で子供たちが殺し合い...。もしあらすじをきちんと読んでいたら小1男児と小3女児(ただし年度末)への読み聞かせには使わなかったかもしれません。しかし結果的には、子供たちも受け止...続きを読むめて楽しめる範囲でした。「今まで読んだ中では出てこなかったような戦いで、怖かったけど面白かった」と口々に言っていました。こうなんじゃないかな、こうすればいいのに、と、それこそ登場人物と一緒に冒険しているようになって頭を使って楽しんでいました。そうして子供たちも楽しみましたが私にとっても文句なしの面白さでした。きっと映画化したら大人も楽しめる、というか大人向けに面白い映画になると思います。謎があって、テンポのいい冒険、アクション、驚愕の事実があって、友情とか愛情とか献身とかみたいなものがあって、メッセージもある。これらが実にうまく配分されていて大成功をあげています。
メッセージは、必ずしも明確にひとつのメッセージが主張されているわけではなさそうですが、子供の心にうまくひっかかるような形でいろいろと考える材料が提示されていて、きっと小学校で子供たちに感想文を書かせたらそれぞれの子が違うところについて感想文を書いてくると思います。子供たちがテレビゲームの中で何気なく体験している殺し合いがもし本当にあったとしたらどんなことか、そういった普段想像していないことを想像してみること、記憶が人にとってどんなに大切か、役割でしか人を捉えない人間関係の寂しさとその逆の接し方の温かみ、とか。
これは読んで良かった。お勧めです。
Posted by ブクログ 2012年01月10日
面白かった〜!
久しぶりに、児童小説読みました。
現実の世界と、まるでロールプレイングゲームの中のような世界を、眠って見る夢を通じて行ったり来たりするファンタジー小説です。
夢といっても、どっちが本当の夢なのか分からない。どちらも存在するんです。
しかも、”主人公一人が”ではなく、クラスメイトがそ...続きを読むれを共有するという不思議さ。
主人公たちは、どちらかの夢を終わりにさせるんじゃなくて、どちらの記憶も失いたくないから、二つを合体させるために、仕方なく冒険をすることになります。
目線は常に、学とあかりなのに、あちらの世界では、隣のクラスの転校生勇太が主人公だと言う不思議さや、さらに、戦いの訓練や、置かれた状況への葛藤のリアルさ、ゲーム機ではなんてことのないモンスターを倒すという行為への疑問などもあって、とにかく読み応えがありました。
ゲーム好きの少年少女に是非ともお勧めしたい一冊です。
Posted by ブクログ 2013年01月06日
小学生のときに読んだのをふと思い出しました。
読後感がなんとも切なくて、やりきれない感じがした気がします。
救いのないラストというか。
でも少し怖いところも含めてすべてがこの本の魅力で、すごく好きな本でした。
すべておぼろげな記憶なので、今度機会があればまた読んでみたいです。
Posted by ブクログ 2010年01月30日
小さい子向けの小説なのに
語りかけようとしている内容のスケールは
すごく大きくて、読みながら圧倒された。
子供達にすんなり読み込んでもらうために
受け入れやすい“ゲーム”の世界。
傷つけあう世界を選びくない
Posted by ブクログ 2009年11月01日
岡田淳作品で1番…というか、
これまでもこれからも、私の中で1番の作品。
評価が星5つまでしいかできないのが残念なくらい。
本当に大好きで、毎年必ず1回は読み返します。
岡田淳さんの作品においてはすべてに言えることですが、
同じ作品でも、その歳によって、感じ方が違って
自分の成長・変化にも気づかされ...続きを読むます。
いまは、大人のための絵本、子供の成長のための本…
とか増えてきているけど、本の魅力の原点
「老若男女が楽しめる作品」って、こういうのをいうんじゃないかな。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
これで初めて岡田淳にはまった。どこにでもあるようなファンタジー冒険ものに見えて、実はそのアンチテーゼ。ゲームの世界ではメインのキャラクターはどれも役割を与えられているけど、ちょっとしか出ない脇役はどうでもいい扱いを受けてるんだよなぁ。でも現実世界はそんなふうにはできてない。私があかりだったら、やっぱ...続きを読むり最後にはあかりがしたような行動に出ると思う。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
衝撃を受けた本。
この本を読んだことで私の中の何かが変わってしまったと思う。
なんか、私の中のどこかにあるスイッチに触れてしまったというか。
今読んだらなんてことない冒険ファンタジーなのかもしれないけど…
なんでだろう。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
小学六年生の学とあかりは保健室に向かう途中、異世界に迷い込んでしまう。そこは数日前、学のプレイしていたゲームの世界だった・・・。
「二分間の冒険」と並ぶ大傑作。中学の頃これで読書感想文書きました。児童文学なのに。
是非万人に読んで欲しい。
by Steel
Posted by ブクログ 2009年10月04日
小学生のときに読み、わたしに一番衝撃と影響を与えた本。あの小説がもう一度読みたいと大人になって読んで、あの時ほどの衝撃は感じなかったけれどやっぱりすばらしいお話でした。何度も読みたい。そう思わせる作品です。
Posted by ブクログ 2009年10月04日
痛快アクションもなければ、設定が今までになく斬新だ、奇抜だ、ということもない。
が、この作品は面白い。主人公の男の子を中心に据えた三人称と、女の子を据えた視点で、物語は進んでいくのだが、心理描写が巧みな上に、主人公を取り巻く仲間のちょっとした成長にも心を打たれる。
失速しない、高速展開のフ...続きを読むァンタジー。3ページ目くらいから面白くなるファンタジーは皆無だろうが、私にとっては、まさに、これがそうである。
Posted by ブクログ 2010年09月26日
はらはらどきどき、意外な展開。岡田さんはひっかかることなくのめりこめるお話を書く数少ない作家だと思う。本当にどのお話も読み終わったあと満足感が残る。尊敬する人の一人。
Posted by ブクログ 2022年01月07日
子どもが主人公の童話。変に説教くさくないのがよい。大人が読んでも十分面白けど、子ども時代にぜひとも読みたかった。
テレビゲームの中に迷い込んでしまった少年少女の物語なのだけど、何通りにも解釈ができるというか、何について書かれていたかと問われたら、読者それぞれに違うことを答えるだろうという物語である...続きを読む。
一方で、あれこれ解釈を加える前に、圧倒的に没入してしまうような、どきどきわくわくが盛り込まれた冒険譚でもある。子どものときに読んだら、一生ものの読書体験になったのではないかな。「はてしない物語」を読んだ少年のように。
生きることの辛さも知った大人としては、ゲームの中に入るのも、この世にオギャーと生まれるのも理不尽なところは似ていますね、という雑な解釈を1つ与えて満足してしまった感がある。その解釈で読み進めても、最後は爽快であり切なくもあった。
他にも色々な読み方ができるので、読書会のテーマによいと思った。
Posted by ブクログ 2020年10月21日
二分間の冒険で、初めて岡田さんの本を読み、面白くて気に入ったので、レビューによく名前が挙がっていたこの本を読んでみた。
こちらもゲーム仕立ての異界の話だが、のっけからいつまでも続く階段、異界になった学校が出てきて怖い話だった。
ゲームに出るキャラクターは、役割以外の部分はなんだったのか、とは面白い着...続きを読む眼点。
一人一人に物語があったはず。
一瞬でやられるザコキャラにも、想いはあり、過去はある。
ハリーの正体はうすうす分かったけど、あとで出会いの場面を読み返したら、ゲームってなんの話?というセリフに涙が出そうになった。知らなかったから、この役割なんだね、、、。
ラストで勇太たちが死んだのにはショックを受けた。勇太は勇者そのものの役割だったのに。
バトル、もぐら男、みんないい人すぎる。
メルはスパイだと思っていて、悪の王がメルのナイフを持っていたのでやっぱりーーーと思ったけど、なんでも無かった。あれ、悪の王の正体は?お父さんとかおかあさんとか担任じゃないの??あかり=松明の明かり、はどうなったんだ?突然終わってしまい、もうちょっとカタルシスに浸りたかったのも事実。
忘れてしまう、忘れ去られる、恐怖について考えさせられる。
Posted by ブクログ 2017年06月06日
昔読んだんだけど・・・
こんな感じだったっけ?
現実の学校と夢の中のゲームの世界を行き来する・・・
全体としてはもう少しいろんな問題を解決していってほしかったけれど・・・
ま、いいか、
Posted by ブクログ 2012年08月12日
再読。初読は小学生のころで前に読んだの2年くらい前か。
岡田作品のなかでもとりわけすきな作品。
最初の異世界にいつ入ってしまったのか分からないところが個人的に良い。
「選べない」ということや「役割」についてなんかは考えさせられた。
闇の王の正体や異世界の謎で明らかになっていないものが残っていて...続きを読む気になる。
終わりがやけにあっさりしてて、もう少し読みたい感じが自分にはある。
小学生のころもすきだったけど、改めて岡田作品のなかでもすきな作品だと思った。
Posted by ブクログ 2011年04月26日
おもしろかった。
RPGの中のキャラクターたちに人格なんておもいもつかなかった。
子供の本というくくりではすまされない 難しい内容だった
読む年齢によって読後感がかわる気がする
子供のときによんだらどう思ったのだろう
大団円ではないその後が気になる終わり方だった
Posted by ブクログ 2009年10月04日
日本系ファンタジーですが、なかなかでした。
キャラクターが生き生きしていて、のめり込みます。
ちなみに私は、題名に惹かれました。
ファンタジー系、RPG系が好きな方にお薦めです。
Posted by ブクログ 2012年06月04日
小学生の頃大好きだった岡田淳先生の小説。
俺は普段作家のことを先生付けで呼ぶことはないけど、岡田淳先生だけは別。ってのも、岡田淳先生は、西宮市の小学校で図工の教員をやっているのだ。岡田淳先生の本を読み漁っていた小学低学年の俺は、母親を利用して実際に岡田淳先生に会いサインをもらうなどしていた(自慢)。...続きを読む
でまぁ、この『選ばなかった冒険』ですよ。
ひさしぶりに読んだけど、面白い。
小学六年生のあかりと学は、ひょんなことから異世界へと入り込んでしまう。そこは、RPGを模したゲームの世界だった。
小学校の廊下がそのままRPG(おそらくウィザードリィをモチーフにしている)のダンジョンになり、銃を持ってモンスターと戦うという小学生男子にとってはこの上なく興奮させられる設定。銃の扱いや忍び足の特訓など、要所要所のトピックスがリアリティを演出する。また、セガールみたいなプロの傭兵、美人な女戦士などのnpcに加え、学たちを手助けしてくれるモンスター、フクロハリネズミのハリーなど多様なキャラクターが表情豊かに登場する。
ヴァーチャルな世界を現実として生きざるをえなくなった主人公たちの心情を通して、生の実感というテーマを描く。
あわよくば、もう少し敵側(闇の王)についても書いてほしかったところ。