あらすじ
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授業中、保健室にいく途中で、あかりと学は突然、ゲームソフト「光の石の伝説」の中にワープしてしまう。しかも、二人ともこのゲームの主人公を選択する気などまったくなかったのに。そして、それからは昼は学校、夜眠りにつくと「光の石の伝説」の主人公としての戦いの毎日という奇妙な二重生活を強いられる。光の石の伝説の闇の王に会い、光の石を奪いかえさなければ、この生活は終わらないという……。
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Posted by ブクログ
テレビゲームを模した殺伐とした異世界へ転移させられ、眠るたびに、異世界と現実世界とを行き来することとなった小学6年生の子どもたちの物語。
1997年発刊。現在は「異世界転移系」ライトノベルが氾濫し、中にはあっけらかんとしたものも多いけれど、本作が表現しているように、ふたつの世界それぞれが持つリアルさの板挟みになり、思い悩む人間としての姿がないと、物語は説得力を持たないのだと改めて思う。
現実があるからこそ虚構に喜びと悲しみを覚えることができ、虚構があるからこそ現実がはっきりとした輪郭を持つという、ファンタジーの持つ力を強く感じる作品。
Posted by ブクログ
二分間の冒険で、初めて岡田さんの本を読み、面白くて気に入ったので、レビューによく名前が挙がっていたこの本を読んでみた。
こちらもゲーム仕立ての異界の話だが、のっけからいつまでも続く階段、異界になった学校が出てきて怖い話だった。
ゲームに出るキャラクターは、役割以外の部分はなんだったのか、とは面白い着眼点。
一人一人に物語があったはず。
一瞬でやられるザコキャラにも、想いはあり、過去はある。
ハリーの正体はうすうす分かったけど、あとで出会いの場面を読み返したら、ゲームってなんの話?というセリフに涙が出そうになった。知らなかったから、この役割なんだね、、、。
ラストで勇太たちが死んだのにはショックを受けた。勇太は勇者そのものの役割だったのに。
バトル、もぐら男、みんないい人すぎる。
メルはスパイだと思っていて、悪の王がメルのナイフを持っていたのでやっぱりーーーと思ったけど、なんでも無かった。あれ、悪の王の正体は?お父さんとかおかあさんとか担任じゃないの??あかり=松明の明かり、はどうなったんだ?突然終わってしまい、もうちょっとカタルシスに浸りたかったのも事実。
忘れてしまう、忘れ去られる、恐怖について考えさせられる。